和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第935話 】
2016年 03月 10日 談

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禅宗の日課経典の中のひとつでも有り、一般的にも良く知られている「般若心経」(はんにゃしんぎょう)ですが、過去現在を通して多くの高僧や学者の方々が翻訳をされています。その中でも、幕末から昭和初期にかけて活躍され京都大本山妙心寺管長職も務められた山本玄峰老師の提唱(講義)が実に面白い。当時録音されたものをまとめた本が発刊されているわけですが、その内容は説得力があってしかも力強くわかり易く説かれ、他に類を見ない程です。そうは言っても皆様には何をもって優れているのか伝えようも無いのですが、結論から言えば、「何にも思うな 思わぬところに花が咲く」という内容でしょうか?

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数年前、修行時代の仲間達とともに御釈迦様の修行地インドの仏跡をぐるりと旅しましたが、その時に痛感したのは雄大な大自然の素晴らしさでした。日本でも昔は人里離れた深い山奥や静かな環境を選んで修行場としたのもうなずけます。近代文明の発展は人間の心も身体も限りなく拘束していくように思いますが、唯一その環境から脱皮できるのが「坐禅」だと思います。大自然と心身が同化する体験は坐禅も同じで、座布団の上で無我の境地を体得することが出来ます。いつの時代に有っても心の自由を求める人々の願いは変わらないのだと思います。

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いよいよ寶勝寺でも本日より坐禅会が開催されます。雄大な大自然の中に居るような感覚を皆様も一度体験してみませんか? 般若心経そのままに大いなる智慧との遭遇こそ坐禅の醍醐味であると和尚は思います。嗚呼良き行いにはやはり努力と辛抱が伴うのは、昔も今も変わらない現実なのかも知れませんね。坐禅に来たれ!! 友峰和尚より

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