和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第806話 】
2015年 11月 02日 談

人間は古来より108の煩悩を有すると言われていますが、どうしてどうしてそんなぐらいの数ではとても足らない程の色々な感情が自分の心を悩ますものです。大まかに言えば「喜怒哀楽」の感情が誘因となって複雑な思いへと発展して行くのでしょうが、文明が発展すればするほど煩悩も増えていくような気さえします。そんな事を思いつつも、今は亡き師匠の「へこたれるな!」の言葉を思い出しながら煩悩を菩提に変えていく為の努力を試みる毎日です。さて、その努力の一つが墨蹟ですが、今日は和尚の作った言葉「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」を書きました。書きながら気持ちが落ち着いていくのを感じました。

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書道には「臨書」と言って、故人の素晴らしい書の字体をまねて書く方法が有りますが、まねればまねる程難しくなっていくのはきっと、故人の精神の深さが伝わって来るからか知れませんね。最近になって、読経も同じことが言えると気づき始めました。お経を唱えれば唱える程、お釈迦様の教えに近づいていくような感覚を覚えます。「煩悩即菩提」とは、限りない煩悩こそが大きな安らぎへの道しるべであることを知る昨今です。友峰和尚より

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