和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第3709話 】
2023年 10月 13日 談

野町・少林寺 / 秋の境内風景

 

「唱うれば 吾も仏も無かりけり 南無阿弥陀仏の 声ばかりして」とは一遍上人が詠んだ歌ですが、もう一句あって「唱うれば 吾も仏も無かりけり 南無阿弥陀仏 南無阿弥陀仏」と上人が言い直したといいます。本日は以前より依頼されていた六字名号(南無阿弥陀仏)の墨蹟を揮毫するため野町・少林寺に出向きましたが、六字名号を書く時は“南無阿弥陀仏”と唱えながら墨書しています。上手に書くことより、阿弥陀如来様になりきって書かねば罰が当たりそうです。

 

 

墨蹟の準備を整え「さあ!書こう!」と思ったところに寳勝寺より「阿部様という御寺院様が来寺されていますので寺に戻ってください」との職員からの電話を受け直ぐに帰参したところ、静岡市緑区大岩の臨済寺住職 阿部宗徹(無底窟)老師で京都花園大学時代の同級生でもあり突然の来訪に驚きましたが、久しぶりの御目文字で本当に嬉しく思いました。

 

静岡市緑区大岩 臨済寺住職 阿部宗徹(無底窟)老師が来寺くださいました

 

 

臨済宗妙心寺派 大龍山 臨済寺 専門道場 静岡市観光ガイド『駿河湾★百景』

 

 

所用で金沢に来られたそうですが、あまり時間が無いとの事でご挨拶後に茶礼をして別れました。最近は突然御来寺くださる方が多くなって来たように感じますが、大学時代の同級生となると本当に驚きますし実に有難い事で、阿部宗徹老師は以前に京都花園大学の学長をされた方でもあります。

 

少林寺境内 隣家のみかんの木

 

 

少林寺に戻り引き続き墨蹟をしましたが実に閑かで、南無阿弥陀仏の称名を唱えながら書きました。一遍上人が自分の一句を言い直した理由がよく分かります。「声ばかりして」ではまだ雑念が有りますから、一心に「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と唱えるところに称名の真骨頂が有ります。六字名号を墨蹟する時も同じく「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏」と一心に唱えながらの真蹟です。

 

「 喫茶去 」

掛軸桐箱の 箱書きをしました

「 福 寿 」

 

また別の御方が「唱うれば 吾も仏も無かりけり 池のかもめが 浮きつ沈みつ」と詠みました! 面白いですね!人生色々!和尚はヨロヨロ!油断大敵ですよ。友峰和尚より

 

阿部宗徹無底窟老師と

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