和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1912話 】
2018年 11月 12日 談

ふれあいパーク霊苑「奥の院」の掃除をしました

先般、岐阜県郡上市「願蓮寺」の門前掲示板の標語が話題になりました。その標語とは、「おまえも死ぬぞ <釈尊>」というもので、朝日新聞をはじめとする多くメディアが取り上げていました。宗教の究極は「生と死」で、言い換えれば「無常」の実体を悟ることでも有ります。

近年「墓じまい」や「散骨」また「お骨の引き取り放棄」等々の現象が急速に広がりを見せていますが、よくよく考えてみれば、祖先への「報恩謝徳」の念が失われていく時、社会の秩序も崩壊する傾向に有るのではないかと懸念するものです。日本国の歴史は飢餓の歴史でも有りました。一日に一回の食事がやっとだった頃の祖先の辛苦の気持ちを想えば自然に、今あることの有り難さが自覚できるものです。

 

掃除後、奥の院にて廻り諷経

お檀家様の 御命日供養を修行しました

合祀墓 「宙」にて

祖先を奉じる心は自分を奉じる事でも有ると思います。「おまえも死ぬぞ」と御釈迦様が申されたかどうかは知りませんが、無常の世界に生きている事こそが「死の世界」と同一であることを知るべしなのです。「今と言う 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今」だからこそ、祖先の恩と父母の恩に感謝していきたいと強く思うものです。友峰和尚より

 

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