和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1626話 】
2018年 01月 30日 談

易経に「幾を見るは其れ神」(きをみるはそれしん)と有り、その意味は「物事には予兆があり、身の回りに起きる出来事を見て未来を予知する」事で、多くの方々がこれまでになんらかの経験をされていることと思います。俗に言う「虫の知らせ」等もそれを表す言葉だと思うのですが、如何に「機を見るに敏なり」と今起きている出来事を注意深くつぶさに鑑みて、それに対応する策を講じなければなりません。

大安禅寺 本堂前の老松倒木 平成30年 1月中旬

昨年、重要文化財の大安禅寺山門横塀が突然倒壊したことに端を発し、今年に入ってからは本堂前の樹齢約二百年の松の大木が雪の重みで倒木、また宝蔵館の展示室では大ガラスに大きなひびが入るという立て続けの出来事に、流石の和尚もこれら一連の出来事が偶然とは思えず未来の予兆を探る思案の日々を過ごしています。そうこうする内にも今度は給水用のポンプが凍結して断水状態となる始末。これらの共通点はと言えばいづれも「老朽化」が考えられ、宝蔵館の展示用ガラスのひび割れも築後約三百年の宝蔵館の老朽化が原因で、今回の大雪の重みに耐えられず起きたものと結論づけました。

松井建設㈱ 田中営業部長 と 営業部 吉川氏とともに

来年度より大安禅寺重要文化財建造物の本格的な全面修復工事が文化庁指導のもと始められようとしていますが、これまで耐えに耐えながら四百年に渡って大安禅寺を支えて来た全てのもの達が一気に「タガを緩めた」と言うのでしょうか? それとも「一刻も早く修復して欲しい」という叫びなのでしょうか? 和尚も既に70歳の古稀を迎え、もはや日々のメンテナンスは欠かせない状態です。卑山の全ての建物が悲鳴を上げている状況下の中で、只管自問自答の毎日が続いています。今日は火曜日で休寺日でしたが、松井建設㈱の田中営業部長が部下の方と来寺くださいました。これ幸いと和尚の深い悩みをしっかり聞いてもらいました。どうか神様!和尚自身の補修も宜しくお願い申し上げます。友峰和尚より

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