和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第944話 】
2016年 03月 19日 談

「春はあけぼの ようよう白くなりゆく山際 すこし明かりて 紫だちたる雲の細くたなびきたる」 清少納言、枕草子の巻頭の言葉ですがまさしく「おっしゃる通り」で、現在午前6時に朝の梵鐘を撞いていますが、今日はその6時がぴったりの日の出の時刻。曇り空のため残念ながら「紫だちたる雲の細くたなびきたる」との光景は見られなかったものの、晴れた日には描写と全く同じ光景を見ることが出来ます。枕草子は京都で書かれたために福井の山々とは微妙に受ける感覚が異なるかも知れませんが、情景としては今も同じでそれを嬉しく感じるものです。

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花団子切りが行われました。

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大安禅寺では今尚、朝・昼・晩と、一日に三度「梵鐘」が人の手によって撞かれていますが、それは素晴らしいことだと思います。梵鐘の音色と春の朝日が昇る山々の稜線の風情とのコラボレーションでも有り、そのような環境に住んでいる贅沢さを最近しみじみ感じるものです。いちど皆様、大安禅寺の梵鐘を撞いてみませんか? 梵鐘には「大安禅寺の第一の法器である」と刻印されていますよ。それも開山和尚・大愚宗築禅師の銘文です。四百年前も今も変わらぬ、同じ音色が山々にこだまするのですから、心が和むのも当然です。

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小袋や紙袋にいれ、お供えする準備をしているところ

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涅槃図の御真前にお供えされた花団子

「心の安らぎ」は、実に身近なところに沢山潜んでいる事を思います。明日は卑山で涅槃・彼岸会が厳修されますが、御釈迦様の御悟りは自然の風景や木々の芽吹き、そして鳥のさえずりや梵鐘の音色の中に現れてくるものです。夕暮れ時に撞く梵鐘もまた素敵です。人生の時間を止めてみて、初めて自覚する世界なのかも知れません。さて今日は、昨日作った涅槃団子切りが行われました。期待していたアンパンマン模様のお団子は見事に失敗でした。

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しかしながら職員の皆様は、必死でそれに近い形を探してくれました。なんて優しい心をお持ちの皆様なのでしょうか! 来年こそは頑張って色々作ってみたいと思いました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第943話 】
2016年 03月 18日 談

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今日は早朝より毎年恒例の涅槃団子(ねはんだんご)作りに入りました。今年も檀信徒皆様と世話方皆様の懸命の努力で、例年にもまして一段と綺麗な柄のお団子が仕上がったのではと、明日行われる「団子切り」の結果を期待しています。

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先般、桂岩寺様(金沢市寺町)の涅槃会にお伺いした折には「アンパンマン図柄」の花団子をお土産に頂いたので、今日はその「アンパンマン団子」作成にチャレンジしてみましたが、色粉が揃わず思うようには出来ませんでした。勿論!金太郎飴づくりが基本となっていますが、米粉は飴と同じようなわけには行かず、「アンパンマン図柄」にするには更なる研究が必要のようです。どのような仕上がりとなったかは、明日、切ってみてのお楽しみと言ったところです。とにかく和気藹藹の内に団子作りを無事終了することが出来ました。

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毎年思うのですが、昔ながらの製法で、数百年ものあいだ続けられて来たことを誇りに感じるものです。ただひたすら御釈迦様への報恩と御徳を頂くための行為なのかも知れません。昔も今も檀信徒皆様の手によって続けられて来た「涅槃団子づくり」は今後も継承していって欲しいものです。特に忘れてはならないことは、お団子を作る米粉は今尚「涅槃托鉢(ねはんたくはつ)」によって地域の村々から集められた浄米である事に深い謝徳の念を抱くものです。

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創建当初よりの寺宝 「涅槃図」を御開帳 / 大安禅寺 御成の間にて

さて外掃除も大切な行の一つですから、「涅槃彼岸会」までに更に綺麗にしていきたいものです。皆様には手作りの「涅槃団子」を法要終了後にお分けしたいと思いますので、ぜひとも御家族お揃いでお参りくださいね。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第942話 】
2016年 03月 17日 談

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大安禅寺庫裡にて 涅槃団子づくりが始まりました。

台所方は朝から大賑わいで、涅槃団子の下ごしらえの為に、お檀家さんと職員さんそして孫も加わっての米粉練りが行われていました。愈々明日が和尚と新命和尚の出番で、早朝より花団子作りに入ります。午前中には、臨済宗妙心寺派第五部・宗務支所長の瑞源寺様が来山され、今年度の秋に予定されている本山団体参拝並びに事務手続き等の打ち合わせをしましたが、京都妙心寺での全国宗務所長会議が昨日終了したばかりで一刻も早い各部への事務伝達が求められています。最近、役職を遂行しながら組織の大切さやその仕事の面白さを感じ取っています。

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IMG_6201 (500x334)午後からは卑山志納所に置かれているお守りの業者さんが来山され、新命副住職と共に対応しましたが、時代とともにお守りに求められている祈願文も変化しているようです。最近では小さくて可愛い、おしゃれなものが人気だそうで、お守りもファッション化して行くような気配です。またお守り需要の多様化も手伝って、単に「健康お守り」のみでは無く、身体それぞれの部位を示すお守り、例えば「耳お守り」「足お守り」「眼お守り」という風に人々の求めに応じてのお守りが工夫されているようです。

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寳勝寺で人気の「美しまもり」

皆様も旅行に出掛けた際、寺院などではお守りをお求めになられることと思いますが、その時には注意深くご覧頂きたいと思います。きっと感心させられるお守りさんと出会う事必定だと思います。和尚の年齢ぐらいになりますと、身体全体を包み込むようなお守りが欲しいものです。名付けて「安楽お守り」です。ひょっとしてそれが「僧衣」なのかも知れないとふと思った午後のひとときでした。まもなくお彼岸会です、ご家族でお参りください。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第941話 】
2016年 03月 16日 談

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3日間に渡った会議を終えて自坊に戻りました。明日からは彼岸・涅槃会の準備に入りたいと思っていますが、 今年こそは涅槃団子に工夫を加えて、今までに無かった珍しい図柄の団子を作ってみたいと意気込んでいます。

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昨年の花団子

団子作りはなかなか手間の掛かる、体力のいる仕事で、見ているほど簡単ではありません。仕込みは前日より始まり、多くの手慣れた檀信徒皆さんの協力で米粉が練り上げられます。このような作業が数百年続けられて来たのかと思うと、俄然尊く感じられてくるものです。 一般的には「花団子」と言われている涅槃団子は、お釈迦様の御徳を分けて頂く為のお供え物だけに、今から作るのを楽しみにしています。どなた様の俳句だったでしょうか? 「春彼岸 菩提の種を 撒く日かな」という句が有りましたが、花団子が供養の後に参拝者皆さんに撒かれるのもそういった意味合いが含まれているのだと思います。春彼岸会と涅槃会、どうか皆様是非お参り下さい。昔から今日に至るまで脈々と続けられて来た伝統的仏教行事の継承が、大切な仏法の伝承でもあると思うこの頃です。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第940話 】
2016年 03月 15日 談

全国宗務所長会議二日目。今日は早朝の開山堂拝塔に引き続き、妙心寺管長猊下ご出席のもと小方丈にて総茶礼が行われ、その後、微笑殿にて本尊諷経(ほんぞんふぎん)が行われました。盆地の京都はさすがに厳しい冷え込みとなり、まだまだ春は遠い先のようで、学生の頃を思い出していました。

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昨日に引き続いての会議でしたが、午後4時には無事に終了し、少しの休息時間を利用して久しぶりに妙心寺山内を散策しました。皆様は妙心寺に参拝されたことが有りますでしょうか?今から約670年前に、花園上皇が時の高僧・関山慧玄禅師を花園離宮に迎えられ開山とした、臨済宗妙心寺派の大本山です。当時の御所地でもあっただけに、今も閑静かつ荘厳な雰囲気を保っています。宗務本所はその入口に建てられており、会議を終えた後の散策は実に爽快でした。宗務所長を拝命して丸4年が過ぎましたが、その間、妙心寺に参拝できる幸せをずっと感じて来たものでした。言い換えれば御釈迦様に一歩でも近づける場所とでも言いましょうか? それと同時に、全国の僧侶仲間達に会えることも楽しみの一つとなっています。

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古都京都は和尚にとってやはり格別な場所のようです。不思議なことに、大安禅寺の禅風、寳勝寺の禅風そして妙心寺の禅風はそれぞれに趣きを異としているのですが、共通点はいづれも清々しい空気に包まれているというところでしょうか。 せっかく京都に来たのだから先斗町にでも行ってみようかなんて思いましたが、まもなくお彼岸会を控えているのでここんところは我慢、我慢です。遠くから修行僧の打つ木版の音がこだまして聞こえてきます。観光都市・京都ですが、妙心寺だけは全く別世界のようでした。さて、明日も頑張ってまいりましょう。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第939話 】
2016年 03月 14日 談

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世界的にも名が知られている古都・京都ですが、JR京都駅からはそのような古都の雰囲気は全く感じられません。されど超近代的な駅の建物が観光客に自然に受け入れられているのも事実のようです。今日は会議出席のため妙心寺の宗務本所に来たわけですが、流石にそこだけは別世界の聖域と感じました。

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近年は地球全体での文化遺産保護運動が活発化しており、さらなる保護を願うものです。大安禅寺の建造物が国指定重要文化財となって8年が経過しましたが、その間にも色々な個所が傷んでいきます。文化遺産を後世に残していく事の大切さを感じながら、今後も保存の努力が求められています。

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さて、今日の全国宗務所長会議も同様に、我が宗派発展の為の質疑応答がなされましたが、人間だけは文化財保護のようなわけには行かず、常に進化が求められています。伝統的宗教の形骸化を防ぐための会議ながら、寺離れや墓じまい・派遣僧・直葬などの社会的現象に対処するにはやはり仏教の原点に立ち返る事が必須のようです。言い換えれば、伽藍仏教から人間仏教に立ち返るチャンスは今なのかも知れません。早春の古都、大本山妙心寺の禅風そのままに法悦を感じ取りながらの会議参加となりました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第938話 】
2016年 03月 13日 談

鶯の鳴き声を聞きながらの朝を迎えました。本当に穏やかな春の風情漂う境内はゆったりとした感じがしました。この時期は拝観者もまばらで、そのことが一層枯淡な禅寺の雰囲気を醸し出しているようです。

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午前午後に渡って色紙書きに没頭しましたが、毎年この時期恒例の作業ながら流石に歳を感じ始めています。先日、副住職から朱円相の「一に掃除・・・」の言葉を書いた色紙依頼を受けて初めて書いてみましたが、なかなかどうして佳い雰囲気の仕上がりとなり、今後は縁起物の一つとして志納所に置いておこうと思います。

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「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」 大安友峰 書

古来より朱色は魔除けや生命の躍動を表す色として仏教寺院の仁王門や神社の鳥居、または落款の肉などに使われています。我々の宗派では管長様の袈裟の色も朱色と決まっています。朱色で囲まれた「一に掃除」の文言にさらなる法力が加わるという事でしょうか? 毎日のように信じがたいような事件、事故、災害が発生していますことから、「魔除け」の色紙がきっと災難消除の効果を上げてくれることを願っています。

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和尚の日曜日の過ごし方は様々ですが、最近では副住職が法務を担当してくれているため本当に助かっています。これまではアトリエから臨む木々の枝を眺める余裕なども無かっただけに、最近は日曜日らしい日曜日を堪能しながら四季の移り変わりの情景を楽しむことが出来ています。今まで気づかなかった事の一つ一つを身に染みて感じ取るようになっています。そこで誰かさんが言いました。「和尚も先が見えて来たね!」とか。そうかも知れませんが、なんとなく自分ひとりでにこにこ楽しんでいる時間が増えて来ているのは確かなようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第937話 】
2016年 03月 12日 談

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「滋賀北陸教区花園会役員会」のようす / 大安禅寺に

一生を通して人々の住む場所としての居住県を幾たび変えるかと言えば、ほとんどの方が同じ県に生涯の住居を構えることが多いのではないでしょうか。勿論、仕事の関係上、出張などで他県に暫らくの間住まれることはあると思いますが、家族全員が他県に転宅する方はそんなに多くはないと思います。和尚は現在、金沢市と福井市を行き交いながら住んでいますが、住む場所によってこんなにも気持ちが変化するものなのかと感心するばかりです。中には遠く海外に住居を移す方もおられますから尚更の事、ご当地の風土環境や習慣の違いなどから新たな気分を味わっている事と思います。

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今日は大安禅寺で「滋賀北陸教区花園会役員会」が開催されたため福井に居ますが、その環境の変化をしみじみと味わっています。和尚は一度、海外の国に住んでみたいという希望を持っています。全く見知らぬ国に住んでみたいのです。誰ひとり知る人のいない、言葉の通じない環境で果たしてどのような気分を味わえるのか試してみたいのです。「ところ変われば品変わる」という言葉は、人々の心に於いても同じことが言えるかと思います。中国の生んだ「孔子」は、孔子にとって良い環境を選ぶために両親が幾度も転居したそうです。また、仏教がインドの北部地方で誕生したこともその環境から生まれたのだと思います。和尚の勝手気ままな独り言と思ってお許しください。さて教区花園会役員研修会ですが、30名の方々が参加されました。晴天域に恵まれた清々しいなかでの研修会と成りました。お昼には卑山名物の精進料理を賞味頂き、副住職の法話や寺内拝観、各部内会議など一日の日程を無事に終えて散会となりました。

IMG_6079 (500x334)御斎坐 精進料理

IMG_6060 (500x334)大安禅寺副住職の法話

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教区発展の為に多くの役員皆様がお世話をされていますが、今日は本当にお疲れ様でした。今後とも宜しくお願い申し上げます。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第936話 】
2016年 03月 11日 談

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昨晩はしんしんと冷え込む厳しい寒さとなりましたが、そんな中、寶勝寺で6名の参加者のもと初めての坐禅会が開催されました。聞くところによれば世界的にも著名な仏教学者・鈴木大拙博士や西田幾多郎氏なども以前寶勝寺で坐禅をされたとか。禅寺の面目は坐禅行にありますから、再び坐禅会が開催されたことを嬉しく感じています。

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思えば今から40年ほど前に、大安禅寺で坐禅会を開催したことを思い出します。はじめは数名の会員でしたが、今では毎回20名を超える方々が参加されています。どのような事でも続けることの難しさを感じますが、坐禅ほど続けることの困難さを感じるものも他にないかもしれません。座布団一枚の世界ですから面白味や即効性を求めても無理な話ですが、山登りのように頂上を目指し登って行く心境に似て、苦しみの中に一瞬の安らぎを得るような世界なのかも知れません。

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坐禅後、「白隠禅師坐禅和讃」を唱和

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「石中に火あり 打たざれば出でず 人中に仏性あり 修ぜずんば現れず」です。とは言っても継続が大切ですから、一人でも多くの方が参加できるよう工夫しながら進めて行きたいと思っています。

DSC07317 (500x375)終了後の茶礼のようす

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来月は4月14日(木)に開催します。ぜひご参加下さい。


一夜明けて、今日は東日本大震災発生から5年目を迎えました。今朝方も厳しい冷え込みとなり、当時の悲惨な津波の災害状況が思い出されます。本堂に飾られた「津波」の図と共に多くの震災物故者の御霊の鎮魂を念ずるばかりです。心からご冥福をお祈り申し上げます。友峰和尚より

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第935話 】
2016年 03月 10日 談

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禅宗の日課経典の中のひとつでも有り、一般的にも良く知られている「般若心経」(はんにゃしんぎょう)ですが、過去現在を通して多くの高僧や学者の方々が翻訳をされています。その中でも、幕末から昭和初期にかけて活躍され京都大本山妙心寺管長職も務められた山本玄峰老師の提唱(講義)が実に面白い。当時録音されたものをまとめた本が発刊されているわけですが、その内容は説得力があってしかも力強くわかり易く説かれ、他に類を見ない程です。そうは言っても皆様には何をもって優れているのか伝えようも無いのですが、結論から言えば、「何にも思うな 思わぬところに花が咲く」という内容でしょうか?

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数年前、修行時代の仲間達とともに御釈迦様の修行地インドの仏跡をぐるりと旅しましたが、その時に痛感したのは雄大な大自然の素晴らしさでした。日本でも昔は人里離れた深い山奥や静かな環境を選んで修行場としたのもうなずけます。近代文明の発展は人間の心も身体も限りなく拘束していくように思いますが、唯一その環境から脱皮できるのが「坐禅」だと思います。大自然と心身が同化する体験は坐禅も同じで、座布団の上で無我の境地を体得することが出来ます。いつの時代に有っても心の自由を求める人々の願いは変わらないのだと思います。

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いよいよ寶勝寺でも本日より坐禅会が開催されます。雄大な大自然の中に居るような感覚を皆様も一度体験してみませんか? 般若心経そのままに大いなる智慧との遭遇こそ坐禅の醍醐味であると和尚は思います。嗚呼良き行いにはやはり努力と辛抱が伴うのは、昔も今も変わらない現実なのかも知れませんね。坐禅に来たれ!! 友峰和尚より

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