和尚のちょっといい話
寳勝寺ふれあいパーク 三界萬霊塔と歴世塔の 苔の植栽
「忍の一字 これ一生安寧の護符なり」という言葉が有りますが、正しくその通りだと合点します。そもそもこの「忍」の字ですが、「心」の上に「刃」があるわけですから大上段に構えられた刀を心でどう受けとめることが出来るか?と問われているようで、少しでも疑義すれば真っ二つにされてしまいそうです。このような場面に似た有名な問答が有りました。上杉謙信と武田信玄が川中島で一戦に臨んだとき、謙信が馬上より剣を大上段に構え武田信玄に向かって「如何なるかこれ剣忍上の事」と叫んだところ、信玄は軍配をかざして「紅炉上一点の雪」と答えたとか、真に真剣勝負の恐ろしい場面です。そのような意味を持つ「忍」の一字ですから、常に心の上に「刃」をイメージしながらの日々の生活という事になりましょうか。結論から言えば、「どのような意識も殺し切ってこそ安堵」という事だと承知します。実行となるとなかなか至難ではありますが、納得の言葉です。和尚の座右の銘に、「生きながら 死人と成りて 成り果てて 思いのままにするわざぞよき」という江戸時代の高僧・至道無難禅師の言葉が有ります。どうやらどれだけ辛抱できたかで人生の真価を問われるようです。
さて今日は東京より、㈱ココ・プランニングの中本社長がふれあいパーク霊苑工事視察の為に来寺下さいました。こちらは「辛抱」では無く「親交」を深める打ち合わせとなっています。霊苑工事もまもなく千秋楽を迎えようとしていますが、工事関係者の皆様も日々困難な状況に直面しながらも只管「忍の一字」で頑張っているようです。友峰和尚より
「海晏河清(かいあんかせい)」という言葉が有りますが、まさしくその言葉のような一日と成りました。皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 雲ひとつない実に澄み切った青空が心を爽やかにしてくれます。「花菖蒲祭」今日は日曜日とあって多くの参詣者で賑わいましたが、寺内で開催されている未生流・福井支部の皆様による生け花は実に見事で、是非皆様にご鑑賞いただきたく思います。毎年恒例の生け花展乍ら、何度鑑賞しても素晴らしいの一言につきます。それぞれの花の特性をいかんなく活かした生け花は見る人の心を和ませてくれるようです。
未生流 福井支部 華展 「かぜそよぎ・・・花」
禅寺にはお茶会がぴったりですが、今日は約40年の御法縁を頂いている越前市の裏千家流・田野宗冨先生のお茶席で、本日最終の席に入らせて頂きました。名古屋から親戚の廣瀬様ご夫婦が来て下さり一緒にお抹茶を頂きましたが、その席で富山県南砺市から来られた素敵なご夫婦とお話しているうちに、金沢寳勝寺・寺カフェにも以前に来て下さった事が分かり、ご縁の不思議さを感じたものでした。
裏千家流 田野宗冨社中 御茶会
名古屋市より 和尚の親戚の 廣瀬様御夫婦です
富山県南砺市から来寺下さったご夫妻です
パーカッションとボーカル 「tocamos!!」の ライブ
バルーンアート
第34回目を迎えた花菖蒲祭ですが、催事を通して多くの方々と御法縁が結ばれることを心より嬉しく思いました。ここに来て紫陽花も加わり、よりいっそう境内にあでやかさを増していく大安禅寺に是非ご来寺下さいますよう、お待ち申し上げております。友峰和尚より
笑顔で応えられる皇太子殿下
金沢市で本日開催された「第28回 みどりの愛護」式典に出席される為に、9日夕刻の北陸新幹線でちょうど金沢駅に到着されたところをお迎えすることが出来ました。とても素敵な笑顔で出迎えの方々に手を振られる皇太子殿下のお姿が印象的でした。その後は一路、滋賀県長浜市へ電車で向かいましたが、このところ法務が多忙であったため、休息を兼ねて長浜に前泊しました。
本日は10時より、長浜市・北ビワコホテル グラツィエに於いて「滋賀北陸教区花園会役員会」が開催され、教区所長として出席しました。年に2回、役員会が開催されますが、毎年場所を変えての会議となっています。滋賀県・福井県・石川県で構成されている「花園会」ですが、教区間寺院の繋がりと大本山妙心寺との御法縁を結ぶ大切な組織となっており、昨年は約300名に及ぶ花園会員の妙心寺団体参拝が行われました。その他にも、色々な教区催事の際にも役員の皆様には多大なご協力を頂いています。
護国阿弥陀如来像(長浜びわこ大仏)
会議終了後には、「長浜大仏」で有名な良疇寺(りょうちゅうじ)様を会員全員で参拝しました。教区の発展は多くの役員皆様のご支援とご協力によって支えられています。近年、寺院と檀信徒との関わりが希薄となる傾向に有りますが、会議を通して色々な諸問題を協議し解決の道を探りながら、今後も教区発展の為に尽力して参りたいと思います。役員皆様には心から感謝申し上げております。本日は大変お疲れ様でした。友峰和尚より
臨済宗妙心寺派 平安山 良畴寺
1262年に鎌倉幕府執権北条時頼の開創、佐々木道倫の開基、天山和尚の開山で始まる。その後、織田信長の兵火による灰塵、天災による琵琶湖中への陥没などもあったが、宝永年間(1704~1711年)彦根龍潭寺の僧粋岩が再興したと伝える。
本堂前庭の土入れ作業
朝から気温が上昇し、午後には26度を超える暑さとなりました。㈱ココ・プランニング 宮崎デザイナーが昨日に引き続き早朝より植栽に関する現場指揮に当たり、工事関係者も加わってふれあいパーク霊苑は大勢の職人で賑わいました。山門からの作庭も最終段階に入っており、石組みの位置や道路の洗い出し等の工事が進められていました。霊苑内の細かい植栽も始まって色々な季節の花が植えられています。みるみる立体感を増す未来型墓地「寶勝寺ふれあいパーク霊苑」ですが、完成まであと1か月余りとなって来ています。
今日は、昨日書き終えた墨書の整理をしましたが、「想」の字や「顕彰碑」の字はこれからレリーフとしてガラス盤や石柱に刻まれる予定となっています。祖霊追悼の思いを込めての墨書だけに、顕彰碑の完成を待ち望んでいます。
さて、明日は滋賀県長浜市で開催される「滋賀北陸教区花園役員会」に出席する為、午後からは事務整理に専念しました。一日の中で「ちょっといい話」は沢山あります。例えば、昨日書いた書を今日確認して大変満足した事。また、霊苑内や本堂前作庭の植栽の打ち合わせをしてワクワクした事などですが、正直言って、いつも穏やかな心で過ごせていることが一番いい話だと思います。毎日のように伝えられる悲惨な事件や事故のニュースを耳にするだけで心が痛みます。皆様が一日無事に過ごされることを只管願ってやまないものです。友峰和尚より
いくつになっても宿題は辛いものです。以前より「ふれあいパーク霊苑」総合慰霊墓のシンボルとなる円型モニュメントのガラス面に「想」の字を依頼されていましたが、本日はついに祖霊からのインスピレーションを感じ、筆を取りました。最初に本堂にて寳勝寺開基前田家始め檀信徒祖霊の総供養諷経をした後、心を込めて「想」の一字をしたためました。また「顕彰碑」並びに「舎利礼文」の経文も合わせて墨書しましたが、これまで気になっていただけにホッとしたものです。
揮毫の前に、総供養諷経をしました
書き上げるとタイミングよく㈱ココ・プランニングの宮崎デザイナと河原市石材㈱の河原市社長が来られ、出来上がったばかりの「想」の書をさっそく渡すことが出来ました。「顕彰碑」の書はふれあいパーク霊苑「奥の院」の記念碑に刻まれる予定となっており、「舎利礼文」の経文石板は総合供養墓の壁面に設置予定となっています。
法務の内容が日々変化して行きますが、今日は昨年からの宿題でも有った墨書を終えてずいぶんと気持ちが楽になった感が有ります。霊苑改葬工事は本日も着々と進められていますが、霊苑全体の形が整うにつれ「盂蘭盆会」並びに「完成式典」の準備が待っているようです。さて皆様には宿題など有りますでしょうか? 何歳になっても、宿題をやり終えた時の達成感は同じだと実感した一日となりました。友峰和尚より
朝から小雨模様となりましたが、北陸地方はまだ梅雨入り宣言されていないようです。今年の予報では空梅雨になる気配だとか。過去にはこの時期の大雨で大洪水となったこともあるので、ほどほどの降雨を願いたいものです。花菖蒲にとっては恵みの雨となり、この週末には8分咲きとなりますので皆様には是非ご観賞頂きたいものです。和尚は金沢での法務にあたっていますが、心はいつも花菖蒲と共に有ります。
金剛寺様にて(寺町五丁目・曹洞宗) 御住職様 とともに
今朝方は昨日に引き続き、町内近隣にお住まいの皆様や御寺院に御挨拶に伺いました。ふれあいパーク霊苑工事も今月いっぱいでほぼ終了の見込みとなり、昨日から御礼の御挨拶に回っています。その後は兼務寺院・傳燈寺へお参りに行きましたが、台所や本堂の設えがまだ途中ということで高倉様と業者の方に来て頂き、現場打ち合わせをしました。。西川町内会長様にも久しぶりにお会いし皆で和合の茶礼をしました。今後は傳燈寺の行事も少しずつ復活させていきたいと思っています。
寳勝寺も寺全体が整備されるにつれ、参詣者の出入りも以前とは遥かに多くなって来ている為、色々な問題も浮上し始めています。金沢市の条例などを参考にしながら、いっそう伝統的重要建造物保存に力を入れて行きたいものです。
山門から境内へ
土間打ちが完了し、今後は作庭が進みます
霊苑入口の石垣
「毎日毎日僕らは鉄板の 上で焼かれて嫌になっちゃうよ!」なんて歌がヒットしましたが、和尚も同じく、毎日毎日の慌しさが嫌にならないように、瞑想を続けながら自分を鼓舞しています。先日は思いも掛けないハプニングに見舞われただけに、慎重に法務を遂行しています。週末は大安禅寺に戻りますので、皆様と是非お会いしたいと願っています。友峰和尚より
梅雨前線の北上に伴って北陸地方も間もなく梅雨入り宣言になるとか。今年は例年より早い梅雨入りですが、お花達にとっては恵みの雨となりそうです。このところの好天気で寳勝寺本堂前の土間打ち工事も順調に進んでおり、犀川の流れをイメージする白い小石を使った洗い出し工法となっています。
午前中には㈱豊蔵組・江川部長様、高島現場監督と打ち合わせをしましたが、工事は急ピッチで進められており、細部に渡っての相談となっています。午後からは寺町の桂岩寺様並びに野町の常松寺様にご来寺頂き、盂蘭盆会ご出頭依頼等のお話をさせて頂きました。また傳燈寺整備の件では高倉様ご夫婦が相次いで来られ打ち合わせをしましたが、新しい兼務寺院の整備も少しずつながら進んでいくようです。
常松寺様、桂岩寺様とともに
高倉様御夫妻とともに
寳勝寺の法務に携わりながらも気持ちは自坊の「花菖蒲祭」の事が常に気がかりです。と言うのも朝一番にイノシシが境内に再び侵入したとの報告を受け、花菖蒲園が荒らされていないか心配になる始末。猪の進入を防ぐ柵は二重にしてあるのですが、どうにも埒が明かないようです。寝ても覚めてもイノシシのことが気になる毎日です。イノシシも生きる為に必死なら和尚も花菖蒲園を守る為に必死です。今のところは両者の根気と知恵比べが続いています。さて猪突猛進の語の如くイノシシの勢いを感じながら、日々頑張って参りましよう。友峰和尚より
後ろ髪を引かれる思いで大安禅寺を後にし、金沢に入りました。と言っても和尚には髪は有りませんが? 先日、不覚にも足が縺れると同時にスッテン転んで、台所のステンレス流し台の角に頭をぶつけるというハプニングに見舞われました。転んだ理由を色々考えてみましたが、その原因は、過労が祟って足に来たのだと思います。台所での事故でしたから、もっと「キチンとせ!」ということなのでしょうね。
花菖蒲祭も土曜・日曜とも事故も無く、無事に出発できたことを嬉しく思いました。「一病息災」という造語が有るそうですが、主催者側としては参詣者を災難から守らなければならない責務が有りますから、和尚自身の受けた怪我によって多くの方々の安全が守られるよう願ったものでした。自坊を離れる時は本当に心配で、特に大きな行事を催行している時は尚更の事です。園内すべての安全を確保した後での怪我だったので自己反省しきりでした。
寳勝寺 敷地内の板塀
板塀を加工する職人さん
寳勝寺の霊苑工事は順調に進んでいて、到着後、さっそくに㈱豊蔵組の高島現場監督から説明を受けました。板塀はとても美しく境内にマッチした色合いとなっています。ふれあいパーク霊苑「奥の院」も歴史の重みを感じさせるに相応しい趣を醸し出していました。
大安禅寺も寳勝寺も悠久の歴史を誇る臨済宗妙心寺派の禅宗寺院です。我々が日々の暮らしの中で最も心安らぐことが出来る瞬間は、先人達の恩徳を感じる時です。祖先を奉じることの大切さを寳勝寺ふれあいパーク霊苑より発信して行きたいと念じて止まないものです。友峰和尚より
好いお天気となりました花菖蒲祭最初の日曜日、多くのご家族連れで終日賑わいを見せました。昨日に引き続き、金沢寳勝寺からも檀家様はじめご近所の方や友人の方も来て下さり、心から厚く御礼申し上げます。花菖蒲の花はまだちらほら咲きですが、薔薇は満開となっています。これから約千株の紫陽花も加わって次の週末頃が一番見頃になるかと思います。
藤田様とともに / 薔薇園にて
今朝一番には妻が担当している薔薇園を訪ね、ゆっくりとお茶を楽しむことが出来ました。卑山総代の藤田通麿様も来て下さり、これからの寺院運営の方策など語り合いながら実に充実した時間を過ごせたようです。午前11時半からは福井家族動物霊堂総供養の導師として久しぶりに出頭しましたが、以前より遥かに多くの参詣者で驚きました。近年では、家族動物達と暮らす独居老人宅が増加の傾向に有るとか。色々な場所で少子高齢化社会の現実を実感するものです。
二胡&ピアノ 「摩訶不思議」 演奏会 / 大安禅寺 式台玄関にて
表千家 吉田宗好社中 御茶会 のようす / 大安禅寺 松雲院にて
供養を終えて寺に戻ってからは、本日のイベントを楽しみながらお客様の対応に当たりました。34回目を迎える花菖蒲祭もすっかり地元の風物詩として定着しているようで、お寺の境内や寺内そして園内を思い思いの場所でゆっくりと楽しんでいるお客様の姿が印象的でした。和尚の老化現象と共に何度も廃園にしようと思いましたが、身体の動くかぎり、花菖蒲園を存続させていきたいと気持ちを新たにしています。多くの支援者に支えられての花菖蒲祭です。皆様の御来園を心よりお待ち申し上げております。友峰和尚より
「第34回 大安禅寺花菖蒲祭」が本日より開催となりました。昨日に引き続き、早朝から参詣者の安全を確保するための整備作業をしましたが、やればやるほどに危険と思われる個所が見いだされて来ます。参詣者の身になって、あらゆる個所を歩いて点検するのですが、本日は特に、身体の不自由な方や小さな子供達を想定しての整備となりました。危険と思われる個所には色テープや張り紙をし、出来るだけ易しい文言で誰にでもわかるように工夫しました。
お釈迦様は生まれて間もなく七歩あるいて右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊(てんじょうてんげゆいがどくそん)」と言われたとか! 最近になって和尚もその心境を掴めるような気がしています。要するに、地球上の生きとし生ける何人(なにびと)も素晴らしい心という宝物を持っていて、この自分の心こそが宇宙全体そのものなんだと自覚出来れば、言葉の意味が合点がいくと思います。されどその心こそ自分を迷わす当体でも有るようです。「心こそ 心迷わす 心なれ 心に心 こころ許すな」なんて道語が有りますが、言い得て妙な言葉です。
誰かさんが、「来る人も 又来る人も 福の神」と言われましたが、全くにその通りで、福の神を煩わせては罰が当たりますから丁寧な「おもてなし」が肝心です。要するに「来る人」も 「又来る人」も実は「自分の化身」と感じ、油断しないように心をひとつにして注意を払わねばなりません。まさに「天上天下唯我独尊」とは「すべては一つの心」を言うのであろうと思います。世の中の風潮が次第に核家族化的傾向にある今日ですが、お祭りを通して家族団らんの時間を過ごして頂きたいと思います。友峰和尚より