和尚のちょっといい話
くちなし / ふれあいパーク霊苑にて
とうとう今年も半分が過ぎようとしています。明日から7月「文月(ふみつき)」に入りますが、73歳にもなるとひと月ひと月の過ごし方が意味を成していきます。1月の睦月(むつき)から一年が始まり、12月の師走(しわす)で一年が終わるのですが、ひと月ひと月を惜しむかのように日々暦の呼称に沿って充実させながら生活を送っています。今月は「文月」でも有るので、日頃ご無沙汰している方々に暑中見舞い状を書いたり、お盆月ということで今は亡き父母や師匠、友人たちの霊供養をねんごろに修したいと願っています。
少林寺墓地の整備をしました
本日は野町・少林寺に出向き、7月10日厳修予定の「盂蘭盆施餓鬼会」の下見をしましたが、65歳以上の方のワクチン接種も殆ど終了していることから、今年は行事を本来の姿に戻してしっかり執り行いたいと思っています。この2年間、年中行事はじめ法務に関する事柄が縮小または中止を余儀なくされてきただけに、より丁寧に祖霊供養を修したいと思うものです。「楽あれば苦あり 苦あれば楽あり」で、困難な時にこそ知恵を出して乗り切っていく覚悟と精進と努力が求められていると感じるコロナ禍の今日この頃です。友峰和尚より
音楽ユニット“いきものがかり”の歌に「ありがとう」という曲が有りますが、和尚お気に入りの歌でウオーキングの際によく聞いています。本当に一日を振り返ると「ありがとう」で始まり「ありがとう」で就寝できる時はこの上ない安らぎを覚えます。今朝方もお檀家様の月参りに出掛けましたが、さっそくに昨日桂岩寺住職より頂いた「ファンブレラ」を使用し、実に涼しく「ありがとう」の気持ちで出発しました。
送風ファン付の雨傘を携え、月参りに出掛けました
梅雨空のもと 夏の薔薇が開花 / ふれあいパーク霊苑
安田家 祥月命日忌墓前法要にて
また引き続き寳勝寺で祥月命日忌の霊前供養が修業されましたが、お檀家の安田様とのご厚誼に感謝し「ありがとう」の気持ち込めての読経となり、御供養終了後には応接間にてしばしご家族と歓談する時間を大切にしています。
法要終了後 御家族との懇親のひととき
「ありがとう、おかげさま」、とっても心のこもった言葉でいいですね。仏教は難しいことを説いてはいません! ただ一言「ありがとう」が言える毎日が仏の心だと思います。さてさて光陰は矢の如しで6月も残すところあと1日です。7月は文月(ふみつき)、ご先祖様と文を交わす月ということでお盆月でもあります。7月はご供養三昧の一ヶ月となりそうです。
「 見性成佛 」 大安友峰 書
寳勝寺での穏やかな朝を迎えました。ふれあいパーク霊苑がご縁となって新しい御法愛を頂くお家が増えつつある昨今ですが、本日の午前中には新仏壇の開眼供養並びにお位牌の入魂諷経修業の為、御宅に出向きました。住職として新しい御法縁を結んでいくことはお釈迦様の教えを伝導していく場でもあり、大変感謝しながら法務遂行に当たっています。
髙倉さん御夫妻が来寺されました
また昨日の夕刻には、卑山のお手伝いに来てくださっている高倉さんが霊苑入口にお祀りしてある「六地蔵尊」の帽子とよだれ掛けを手作りで持参下さり、本当に嬉しいかぎりです。寺院の役割には色々ありますが、多くの方々と御法縁を結ぶことが一番大切かと思うものです。
髙倉さんお手製の素敵なよだれかけ と お帽子を頂きました
㈱豊蔵組 江川部長様とともに
本日は午前中に㈱豊蔵組の江川部長がご挨拶に来られ、相次いで桂岩寺住職も先代住職一周忌法要厳修のご報告に来寺下さいました。「威儀即仏法」の言葉どおり“一事が万事”で、本当に皆様には頭の下がる思いでいっぱいです。桂岩寺住職からは「これからの季節、屋外での法務は熱中症になるので」と、送風機能付きの日よけ傘を頂きました。
桂岩寺住職とともに / 扇風機のファンが内蔵された 晴雨兼用の傘を頂きました
傘の内側で、充電式のファンが回転しています
涼しい風が来て 炎天下の法務で活躍しそうです
最近発売されたばかりのアイデア商品とのこと、さっそく充電して試してみましたが、「素晴らしい!」の一言です。まもなく盂蘭盆会ですが、墓諷経の際にはぜひ使用したいと有難く思っています。今日も感謝、感謝、感謝の一日となりました。友峰和尚より
御来寺くださり、誠にありがとうございました
小雨模様の日曜日となりましたが、皆様にはお変わりなくお過ごしでしょうか? 1回目のワクチン接種を終え今日から寳勝寺の法務遂行に入りましたが、まもなく7月お盆月を迎えるため俄かに慌ただしくなって来たようです。7月10日には野町・少林寺と本多町・瑞光寺、11日には寳勝寺の盂蘭盆会が厳修予定となっておりその準備が始まりましたが、65歳以上のワクチン接種者も増えている関係で今年はふれあいパーク霊苑での個別のお盆墓前諷経も予約を受け付けております。合同総供養については昨年同様に関係者のみで修業し、翌日に法要の様子をインターネットを通じて配信する予定です。
本堂にて ご法要を修業致しました
霊苑にて 年忌の御法要を修業致しました
コロナウイルス感染防止の観点から昨年来多くの年中行事や法要が中止となりましたが、最近ようやく復活傾向になり始めました。感染予防対策グッズも増え、より安全な環境が整うようになって来たこともその契機かと思います。常に祖先の恩・父母の恩に感謝し、報恩の真を捧げて参りたいと日々念じています。さて「備えあれば憂いなし」で、自坊の徹底した外掃除と整備をしたおかげで今朝方からの雨も“余裕の雨”となっています。瞼の裏には大安禅寺境内の清々しい風景が広がりを見せる日曜日のひとときとなりました。友峰和尚より
ヒメヒオウギスイセン 梅雨空のもと / 寳勝寺境内
新型コロナウイルス感染予防対策でこれまで優れた功績を上げて来た福井県がこのところ急激に感染者が拡大し窮地に立たされています。また石川県はその反対で、最近では感染者も数名でようやく減少傾向にあります。何が功を奏しているのかよく分かりませんが、ワクチン接種が全国的に進んでいるだけに今が感染防止の踏ん張りどころだと思うものです。
昨日は妻とともに第1回目のワクチン接種を受けましたが、無事に一夜明け、今のところ問題なさそうです。午前中には福井市足羽にある妙心寺派寺院・華蔵寺先代住職様の大練忌(満中陰忌)法要が本寺で厳修され、寺付総代として新命副住職と一緒に出頭いたしました。御生前は学生時代より大変ご厚誼を頂いて来ただけに、万感の思いで香を手向けました。茲に慎んで御冥福を心よりお祈り申し上げます。
碗蓮 / 寳勝寺玄関にて
法要終了後は一路金沢に入りましたが、さっそく本日、石川県庁職員の方々による宝勝寺カフェの感染予防対策状況査察を受け、無事に『いしかわ新型コロナ対策認証制度「認証店」』としてのステッカーを頂いたとの報告を受けました。寺カフェの再開はまだ未定ですが、いつでも開業できるように準備だけは整えておきたいと思っています。さて第2回目のワクチン接種は7月中旬になりますが、感染予防にはさらに留意しながらワクチンでラクチン!と一日も早いコロナ禍の収束を願っています。友峰和尚より
寺カフェが「いしかわ新型コロナ対策認証店」として認証されました
蒸し暑い朝を迎えましたが、今日は第1回目ワクチン接種日で休息日としました。皆様の中にはもう既に2回の接種を終えた方もおられることと思いますが、和尚の2回目の接種は7月中旬となっていてまだまだ油断できません。東京オリンピックが1ヶ月後に開催されるというのにここに来て再び感染拡大の傾向を見せており心配が絶えません。開催したくても感染者が増大すれば中止するのも仕方ないことと思います。混沌とした世の中の状況ですが、今は感染予防に努めなければと気を張っています。
鐘楼の中央に仮安置されていた釣鐘も 倉庫へ移動されました
朝方一番に鎮守堂へお参りに行きましたが、御堂の天井裏で何やらごそごそと音を立て、動物が住み着いているのではと気にかかり大きな咳ばらいをした途端ピタリと音が止んで静かになりました。しばらく留守をすると直ぐに占領されてしまいます。最近ではアライグマやハクビシン、タヌキにイノシシに猿に鹿と、本当に動物園みたいな様相になって来ました。動物園に行かなくても色々な動物達に囲まれて生活するのも面白いものですね。夜になるといっきに鳴き声で騒々しくなる今日この頃です。友峰和尚より
夜のハクビシン
「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」
毎日お掃除の話からで申し訳ありませんが、掃除ほど気持ちがすっきりするものは有りません。「参禅は須(すべか)らく実践を要す」という言葉がありますが、真理を究明するには先ず行動を起こし、その境地を体得することが大切だと言っているのだと思います。言い換えれば「無心の境地」は言葉で理解するのでは無く実際に体得することが重要だということでしょう。坐禅や読経も大切な日課ですが、無心の境地を悟るには「掃除」がいちばん近道のように感じます。
参道生垣の剪定
開基堂前庭の草刈り
今日で外作務も3日目となりましたが、本日は開基堂の周辺と庫裡玄関前の掃除と参道整備を中心に終日奮闘しました。掃除に於いてこれで良いという言葉は有りませんが、まずまず合格です。明日からは本格的な雨模様の日が続くという予報でしたので一安心です。「段取り八分」の言葉通りで、何事も作戦と実行の繰り返しが満足のいく結果を生むようです。さてさて明日は、和尚の第1回ワクチン接種の日となっています。すっかり掃除を終了出来たので実にラクチン!ラクチン!お陰様の毎日となっています。友峰和尚より
鐘楼を囲んでいた 足場が解体されました
梅雨入り宣言後、今のところ雨模様の日は少なく良いお天気が続いています。お陰様で今日も外作務が順調に進み、開山堂の裏手側と愈好亭中庭の外掃除を全て終了することが出来ました。
茶室「兪好亭」へ続く渡り廊下より 茶庭を望む
広大な境内ゆえに、寺の周りを一巡する頃には最初の場所に既に立派な雑草が生えているといった感じです。少しでも油断しようものなら手に負えない雑草に苦しめられますから、先手必勝で毎日欠かさずに掃除を履行する事が常に美しさを保つ秘訣です。とは言ったものの、この“当たり前”の行為こそが日々の心身の修行なのかも知れません。なんといっても掃除を終えた時の気持ちは最高で、「やめられない、とまらない、やっぱ掃除」なんです。
この「掃除」ですが、普通の掃き掃除程度の行為ではなく「隅から隅まで、ずずずいっと神々しさを感じる」ほどの掃除の徹底なのです。考えてみれば有難い事ですね。日々掃除をさせて頂ける素晴らしい環境を与えられている自分です。ありがたや。嗚呼ありがたや、ありがたや。友峰和尚より
大安禅寺 鐘楼解体調査工事
昨晩はぐっすり休むことが出来たようです。加齢と共に睡眠が浅くなるとのことですが、和尚の特技では有りませんが途中で目が覚めても直ぐに眠りに就くことが出来るので、まだ幾分若いのだと思います。
鐘楼 / かつての庫裡玄関前
建物が解体され 石垣と礎石が残るようす
本日の外作務
自坊に戻れば当然の事ながら外掃除から一日が始まりますが、昔と違うのは同じ場所を掃除してもずいぶん時間が掛かってしまうことで流石に歳を取ったと実感します。しかし以前より丁寧さが増しているようにも思います。ただの掃除ではなく心の精進を兼ねての掃除で、仕上がりの風景を見て一人満足しています。誰に褒めてもらいたいでもなく、また見てもらいたいでもなく「掃除三昧」の境地を有難く思うのです。曹洞宗の開祖・道元禅師の言葉に「只管打坐(しかんたざ)」と有りますがまさにその境地で、「只管掃除」だと思います。
掃除の途中で孫がやって来ておもちゃの操作してみせる姿も愛らしく、禅語に「遊戯三昧(ゆげざんまい)」というのがありますが「童心は祖心に通ず」で心が和みます。一に掃除、二に笑顔 三四元気に おかげさま! 今日もお陰様の心で過ごすことが出来ました。南無観世音菩薩 友峰和尚より
「 松涛 」 / 斎藤公一氏が額装された 和尚の墨蹟 (2003年)
本日は気温30℃を超える真夏日となりましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 梅雨入り宣言が北陸地方にも出されてはいるものの、昨日に引き続きとても良いお天気となっています。
斎藤家満中陰忌法要にて
午前中には、和尚の墨蹟などの表具制作で日頃よりお世話になっている斎藤表装店(春陽堂)・斎藤公一氏のお父様が先般逝去され、本日は枯木堂にて新命副住職も出頭し満中陰忌法要を修業しました。斎藤表装店とは和尚の父でもある先代實道住職の頃より三世代に渡ってご厚誼を頂いており、店主の斎藤公一氏とはフランス・パリを始め多くの墨蹟展開催に於ける表装をして頂いています。
斎藤公一氏ご家族とともに
法要終了後は隠寮にて故人を偲びながらご供養の茶礼をしました。久しぶりに自坊での法務遂行となりましたがやはり格別な気分を味わうもので、妻と妻の友人と一緒に松雲の間で昼食をしながら古刹の初夏の風情を満喫した一日となりました。また部屋の軒先には新命和尚が手掛けた風鈴の涼しげな音が花しょうぶ園に響き渡っていました。友峰和尚より
開山堂渡り廊下 の 風鈴