寶勝寺日誌
まもなく7日は七夕夜カフェ、そして、その後には大切なお盆の行事が控えており、準備に慌ただしく過ごしております。次々と咲く庭の花々や日々成長する朝顔をゆっくり観察できず残念に思っていたところ、今日は思いがけずうれしい出来事がありました。
先日、住職が御手植えされたピーマンの苗木。
特別な事も無く、いつしかお寺の景色に溶け込んでいましたが・・・
ふと気づくと、小さな苗木に大きなピーマンが実っていました!小さな植木鉢の中で、力の限りひとつの実を大きく育てたかのような姿に感動です。
さっそく住職が収穫されました。「ありがたく頂きます。」と住職。
収穫されたピーマンは、寳勝寺台所の韋駄天さまに御供えされました。七夕夜カフェまではあと二日ばかり、精いっぱいの準備をして皆様をお迎えしたいと思っております。今日はピーマンに励まされた日となりました。
寳勝寺中庭の下野(しもつけ)
寳勝寺・中庭のアガパンサス
数日、忙しくしておりました間に、夏の花が次々と開花していました。7月1日を待っていたかのような、一斉の開花です。アガパンサス、擬宝珠(ぎぼし)、底紅むくげ、ノウゼンカズラなどが咲き、真夏の到来を感じます。
そんななか、寳勝寺ではグリフィス博士のご子息・ジン氏による、住職の墨蹟撮影が行われました。来る10月22日より28日まで、ニューヨーク州ブロンクスビル、サラ・ローレンス大学で行われる個展の準備が進められています。
作品一点一点を丁寧に撮影されるジン氏 / 寳勝寺応接室にて
額や屏風・掛け軸など、撮影は終日続けられました。真夏の到来と共に、秋のNY個展準備も本格始動です!
擬宝珠、天蓋百合、紅色蛍袋など / 本堂前庭にて
爽やかな涼気の日となりました。今日は、まもなく宝勝寺に訪れる夏にふさわしい新しい風情のご紹介です。上の写真中央、下あたり・・・
昨日の「ちょっといい話」に登場しました大安寺観光協会さまの ”結び苔玉” が、県境を超えて宝勝寺へ届けられました!
住職が、寳勝寺カフェにと購入して下さった苔玉です。
葉の形を見ると、ミズキの種類でしょうか?
小樹と苔の見事なバランス、空間。
日本独特の美の世界が造り出されています。
”結び苔玉” は、縁側にも飾られました。
上の写真で中央上部に浮かぶのは・・・
青々とした苔玉から、アイビーが育っています。
日陰の緑がなんとも涼しげですね。
大事に育てて参りたいと思っています。
そして今日は、マレーシアから来日されたという若いお坊様が、寳勝寺を拝観されました。
”寺カフェ”、 ”自由拝観”の看板をご覧になり寺内へ入って来られたとの事でしたが、ぜひ住職にお会いしたいというご要望を頂き、応接間にてひととき歓談されることとなりました。
マレーシアで得度し、タイで修行されたとのこと。通訳の方を通じ住職にたくさんの質問をされました。・・・「福井の永平寺や横浜の総持寺へ行きましたが、多くの一般人の若者が修行に励んでいました。日本の若者はなぜ出家を選択し、修行するのですか?」、「日本の仏教の戒律とはどのようなものですか?」などなど、住職もひとつひとつに対し丁寧に答えられ、「日本の若者」の心の不安や、禅に”落ち着き”、”安らぎ”を求めていることを説明されていました。
インド仏教のことやお釈迦様のお悟りのことなど、言語・民族を超えた宗教のつながり、以心伝心の雰囲気です。「思いがけない御縁で本当に良かった」と言われ、寺内やカフェが素敵になっていると何度も表現して下さいました。このあとの旅では、京都の禅宗寺院で短期の修行をされるとのこと。約1時間ほどの短いご滞在でしたが、深く心に残る出来事でした。旅のご無事をお祈りしたいと思います。
土曜日の寺カフェです。
最近では地元の方も来て下さるようになり、有難いことです。
観光客では、年齢層は若い学生さんや20代カップルが多いのですが、地元からは御年輩女性の方々にご好評頂き、リピーターも増えて参りました。カフェとしている室間には日頃ご紹介している季節の花々をたくさん生けていますが、それも女性陣の心を掴んでいるようです。
そんな折、お客様が「七段花(しちだんか)が生けてあるわね。」と花瓶を指さして言われるので、お聞きしたところ、
この、青い山紫陽花のことを ”七段花” と呼ぶそうです。江戸時代の文献にも残っているものが、一時代は失われて”幻の紫陽花”と言われていたと教えてくださいました。寳勝寺の中庭では、見事に満開になっています。
引用・・・江戸時代、シーボルトが著書『日本植物誌(フロラ・ヤポニカ)』で紹介しましたが、その後、日本人のだれもがその実物を見た人がなく、”幻のアジサイ”とよばれて長い間さがしつづけられていました。ところが、昭和34年(1959)に、たまたま六甲ケーブル西側で神戸市立六甲山小学校の職員が、発見し採取しました。それはシーボルトが紹介して以来約130年ぶりになります。「シチダンカ」は、ヤマアジサイの品種で装飾花が八重になったもので、質素な野生味のある花で江戸時代から栽培され、茶花などに使われていました。江戸時代に、星型に咲くヤマアジサイの八重のものを「七段花」と呼んでいたものが失われて幻の花となったそうです。
お花を学んだことと共に、お客様と近しく交流できた事もとても嬉しく、私も”七段花”の大ファンになりました。寳勝寺の木は大きく青々と茂り、これまでも大切に育てられて来たことが伺えます。真夏の季節も水やりを欠かさず、大切に継承していきたいと思っています。
寳勝寺に帰って参りました本日です。
山門の前庭では、大きな花菖蒲が開花していました。
金沢市内の多くの家々では、「和」の園芸植物がたくさん育てられています。
朝夕はさみを携えて熱心に庭に出ている愛好家の皆様をよく見かけますが、さすがに花菖蒲はありません。
現在、寺の山門から入口にかけては珍しい品種の鉢植えが並べられており、街の方々にも愛でて頂いています。
サッシ工事中の中庭にも・・・
先日から、サッシの取り替え工事が行われています。
寺町在住の大工さんが来られ、ただいま工事進行中です。
連日、草木花の開花をお伝えしていますが、庫裏側では住職お手植えの”茄子”の花が咲きはじめました。
花菖蒲・紫陽花とともに、茄子も梅雨の紫花だったのだと再認識です。
休寺日となりました本日は、休暇をいただき福井・大安禅寺の花菖蒲祭へお伺いしました。
曇り空で時折涼風が吹きこみ、絶好のお花見日和です。
平日にもかかわらず、観光バスと自家用車で駐車場は満杯でした。
いつお参りしても、清浄な空気に満ちた境内です・・・
ご挨拶させて頂きました後、さっそくに花菖蒲園へ。
たくさんの品種が咲き、ただいま見頃です!
八ッ橋の入口では、来園者をお迎えする真紫の花菖蒲が咲き誇っていました。
きれいです!
続いて、奥様が作庭され、今年から開園されたバラ園へ。
贅沢にも、オーナーである奥様がご案内してくださり、丁寧なお花の解説に聞き入りながら、ひとつひとつゆっくりと鑑賞させて頂きました。
真紅やピンク・薄黄色など。
写真以外にも、まだまだたくさんの品種が植えられています。日本はもちろんフランス・アメリカ・ドイツ原産とお国柄によって花形も違い、とても見ごたえがあります。バラのほかにも、クレマチスやハーブ、なつゆきかずらなど初夏の花がたくさん!
花菖蒲園や境内を巡るように育てられている紫陽花も、
見事に満開になっています。
山から降りてくる涼風と爽快な青色で、
梅雨の暑さを忘れるひとときでした・・・。
山と緑と花とお寺、
その後、帰宅してからも空中庭園を散歩しているような清々しい心地です。
本当にありがとうございました。
皆様もぜひ、大安禅寺花菖蒲祭へ御参拝ください。
花菖蒲もバラもたくさんのつぼみがついていましたので、まだまだ見頃が続くことと思います。
寺カフェに、一通のお手紙が届きました。
御手製デコレーションの素敵な封筒です。
送って下さったのは、2週間ほど前に寺カフェへお越し下さった小松市在住のご夫婦でした。
石川県立美術館へ「日展」を見に行かれた帰り、なにげなく立ち寄られたそうですが、寺カフェを大変気に入られ「良いご縁を得ました、また伺います。」と言ってくださったのがとても嬉しく印象的でした。
お手紙の最後には、”宝勝寺と寺カフェをお守りください”と有り、本当に身の引き締まる思いです。
さっそくに、お返事申し上げたいと思います。
6月に入り連日、初夏の新しい花が開花しています。 今日は、昨年奥様が植えられた桔梗の苗が大きく成長し、第一輪を咲かせました。
中庭では今、桃色と白色の撫子とともに、花菖蒲も咲き始めました。 こちらは、昨年、住職が大安禅寺花菖蒲園の苗を直植えされたものです。
ただ今、大安禅寺の花菖蒲園が見頃を迎えているとのことで、はるばる寳勝寺へ届けられた株も大きく育って開花目前です。
本堂の前にひっそりと咲き始めた ”糸葉ハルシャギク” です。
あちこちに咲くカタバミ。
先日、ご先祖の系譜をたどって寳勝寺へ来られた方の御家の家紋が”カタバミ”だというお話しをされていたところでした。
花後の緑もたいへん美しく、庭というより、寺を守る小さな森が造られているようです。フトイ、シダ、どくだみ、草藤、京かのこ、アスチルべが茂っています。
連日の大雨が一転して、快晴の土曜日となりました本日。 寳勝寺では午後3時より、「第20回・寺町寺院群を巡る会」が開催されました。
主催されているのは、”寺町台まちづくり協議会”で、寳勝寺も会員として参画しています。今日は、地域の約70名の皆様が参加され、午後1時半からお向かいの本長寺様を拝観されたのち、寳勝寺へ御来山下さいました。
会では始めに、住職が、寳勝寺の歴史説明と法話をされました。
上の写真では、御内陣の前にて、本尊・聖十一面観世音菩薩坐像について説明されています。
寳勝寺開山・千岳宗仭禅師の頂相(肖像画)について説明される住職
お話が歴史説明から法話になると、堂内には笑顔・笑顔。
住職は、現在金沢市の助成を頂きながら寺を修復していることや、寺カフェなどの活動を通して、今後いっそう地域と交流していきたいとお話されていました。
住職のお話しの後、金沢市役所・歴史建造物整備課の新保さまより、寳勝寺の建造物のことや、修復の経緯についてのご説明がありました。
自由拝観時間のようす
寺カフェを見学される皆様。カフェは一時閉店中です・・・
立ち止まり、茶室の墨蹟を鑑賞される参加者の男性
地元新聞社の取材中、参加者の皆様と親しく歓談される住職。
「法話、楽しかったです!」「やっぱり笑顔が一番ですね。」
と、お声をかけてくださる皆様です!
寺内拝観の後には、境内にて昨年修復された外壁や基礎についての説明が行われました。
静かに説明を聞かれる皆様。
地元の歴史や文化財を愛する熱意が、とてもありがたく感じられた会合でした。
参加者の皆様には、誠におつかれさまでございました。
3日間ブログをお休みしているうちに、
寳勝寺中庭のくちなしが開花しました。やさしい芳香が漂っています。
【ご挨拶】
いつも寳勝寺のホームページをご覧いただき、厚く御礼申し上げます。
このたび「友峰和尚のちょっといい話」が第300話となりましたことを機に、ホームページをリニューアルさせて頂きました。
これからも住職ブログを中心に、寳勝寺での出来事や新着情報・お庭や寺カフェの様子をご紹介させて頂きたいと思っております。
歴史や宝物、住職の墨蹟・禅アートのコーナーも随時追加更新させて頂きますので、是非ご覧になって下さい。
今後とも引き続き御愛読賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
(寳勝寺事務局・山口)