11月, 2023年

第3737話

2023-11-10

 

 

この時期に街なかの細道を歩くのが好きで、お檀家さんの月参りに出向く時は出来るだけ好んで歩いて行くようにしています。何がお気に入りかと言えば家々が入り組んだ細道には生活感が溢れ、玄関前に花鉢など置いてあると足を止めて花に見入ってしまいます。また玄関前に花壇がある家は庭の置物にも工夫を凝らしていてなかなか面白いものです。庭のレイアウトやディスプレイ等は勉強になるもので、家に住む方の人柄なども伝わって来るようです。

 

 

午前中には(株)豊蔵組の豊蔵享一社長と顧問の江川氏、職員の澤本さんが来寺くださり、自家製の立派なサツマイモを奉納くださいました。金沢と言えば「五郎島金時芋」が有名ですが、社長の畑で毎年育てている薩摩芋は蒸して頂くと甘みが深く大変美味しい味で煮物にも適しています。さっそく真前にお供えいたしましたが、味覚の秋の代表的野菜でもあるので頂くのを楽しみにしています。

 

豊蔵社長と江川氏、澤本さんとともに

 

 

 

秋雨の中での 墓前供養諷経を修業いたしました

 

さて、冷たい小雨の降る中での墓前供養となりましたが秋雨もまた格別で、読経する声にも力が入ります。禅語に「深秋簾幕千家の雨 落日楼台一笛の風」(しんしゅうれんまくせんけのあめ らくじつろうだいいってきのかぜ)とあり中国唐時代の詩人・杜牧が深まりゆく秋の情景を詠んだ歌ですが、読経する声が雨の音とコラボして秋風の中に溶け込んでいく様はなんとも気持ちが落ち着くものです。心を無にして故人の霊と同化してこそ禅僧としての本来の面目と言えそうです。友峰和尚より

 

第3736話

2023-11-09

 

11月9日は「いい句の日」ということで、「ひとつ俳句でもひねって」という日なのでしょうか? 俳句は時々作っていますが、最近はテレビでも俳句の番組が人気だそうです。

 

寳勝寺玄関前 ニシキギの色づき

 

穏やかな気候のもと 修復工事が着々と進んでいます

 

 

 

和尚は学生時代、俳句同好会に属し4年間先生に就いて沢山の句を詠みましたが、父母共に日常俳句と親しんでいたため沢山の句を残しています。母はよく投稿して賞を取っていたのを思い出しますが、賞を取るのは別としても自分の日常の生活を句に託して詠むのは日記を付けているのと同じことで、自分の人生を振り返ってみるには俳句は本当に想い出になります。和尚は短歌も好きですが、俳句は更に短い文章で自分の心境を文字に託すため言葉の使い方の勉強にもなります。

 

 

さて本日は休息日でしたが、自坊からの依頼で志納所用の色紙書きをしました。また来年の干支色紙描きも続けて練習しているところです。味覚の秋ですが、寳勝寺中庭に花梨の木があり実を沢山付けています。今日は職員が花梨の実を収穫してその一部を焼酎漬けにして熟成するまで保存するとの事。のどの痛みに大変効くそうですから楽しみに熟成するのを待ちたいと思います。

 

寳勝寺中庭で収穫した花梨の実

 

そこで一句、「花梨酒の 甘き匂いや 古寺の暮れ」、さらに一句「花梨の実 もいで嬉しき 果実酒」って何となく楽しくなりますね!皆様も今日は俳句を詠んでみては如何でしょうか! 友峰和尚より

第3735話

2023-11-08

 今朝方 寳勝寺本堂南側修復工事現場にて

 

爽やかな秋らしい天気となり気分も清々しく爽快です!「秋らしい」とは空気感を指しますが、少しひんやりとした中に秋の季節独特の匂いが感じられとても落ち着きます。早起きをして現在進行中の本堂南側修復工事現場を見に行くのが日課となっていますが、本日は午後から足場が外され側壁修復工事の全容が顕わになり柿渋の塗られた壁板がとても綺麗に完成していました。まもなく茶室廊下側の引き戸が入るといっぺんに雰囲気が変わり威厳のある姿が登場するものと今から楽しみにしています。

 

 

修復工事が完成したら茶室前庭の作庭に入りたいと思っていますが、ふれあいパーク霊苑からも見学できるような明るくてもモダンな雰囲気のある庭づくりを試みたいと思います。また庫裡の側壁も順調に修復工事が進められており12月下旬完成を予定しているところです。

 

 

さてこのところ暑くなったり寒くなったりの寒暖を繰り返す異常とも思える気候の日々が続いていますが、明日からは再び厳しい寒さとなることが予想されており北陸地方のこの時期の気候は急変することもしばしばで油断は禁物です。和尚の法務も少しずつ減少しつつあり1年の締めくくりを迎える12月を目前にし来年に向けての法務計画を立てていますが、常に自身の健康に留意しながら進めて参りたく念じています。

秋晴れに 堂を望みて 祈願せり 友峰

秋風を 受けて御堂の 勇ましき 友峰 

 

第3734話

2023-11-07

 

一晩中大荒れの悪天候でしたが、朝方には風も少し落ち着き晴れ間の見える天気に変わり安堵しました。最近は気温のアップダウンも激しく高齢者の方には本当に気の毒な気象状況が続いています。

 

真言宗智山派 成田山新勝寺御一行様・第2班の皆様が御来寺くださいました

 

本日は休寺日でしたが、正午過ぎに先般来寺くださった千葉県 成田山新勝寺御一行様・第2班の方々が来寺くださり法話とご案内をさせて頂きました。さすがに成田山の不動明王神の御利益があってか皆様が到着する頃にはすっかり晴れ渡り、短い時間でしたが楽しくお話しが出来たように思います。

 

和尚様方と檀信徒の方々 / 本尊十一面観音菩薩坐像の説明をお聞きになっているところ

短い時間でしたが 法話をさせて頂きました

 

 

法話の後 喫茶室にて

 

例年ならば北風が吹き抜ける冷たい寒い日々となるはずが、今年はどうも変で異常気象としか思えません。関東地方では風速30メートルの風が吹き荒れたそうですから最早台風並みと言ったところでしょうか。団体様が帰られた後はゆっくりと休みましたが、連休明けの疲れがどっと出たのか何処となく全身が怠く、少々熱があるように感じられ大事を取っての休息でした。

 

お帰りの際には、深秋のふれあいパーク霊苑内を 視察されました

 

さて寳勝寺修復保存工事が進んでいますが、工事の様子を見学出来るのもあと少しの時間のようです。何事もそうですが工事完成までがワクワクする時間なのかも知れませんね。すべての修復工事が完成する頃には寒さも増して、きっと初雪を見ることになるかも知れないと思う今日この頃です。友峰和尚より

 

第3733話

2023-11-06

和尚はきっと阪神タイガース優勝の話から今日のブログは始まるのだろうと予想された方が多くおられると思います!全くに当たり!で、昨晩は朝からの法務遂行で少々疲れ気味でしたが試合の最後まで声援することが出来、見事にタイガースが優勝を決めた途端どっと疲れが押し寄せ試合後はすぐに深い眠りについてしまったようです。

和尚自身はどちらかと言えばどのチームに於いても監督に注目して応援しています。今まで密かに応援してきた監督は中日ドラゴンズの星野監督、また落合監督、現在は新庄監督そして岡田監督です。なぜ監督を応援するのかと言えば、戦術采配がチームの勝敗を分けるためその手法や選手の育て方や起用方法に関心が有るからです。采配次第では選手達はその活躍の場を広げますから将棋の駒にも似て選手をいかに活かすかが勝負の鍵となります。

 

「刻苦光明必ず盛大なり」

 

それにしても毎回話題になる大阪・道頓堀へのファンの飛び込みですが、今年は厳戒態勢のなか36名が飛び込んだそうですから阪神タイガースの熱狂的ファンがどれほど多いかを知るところです。他の球団で優勝したからといってファンが川に飛び込むという話は聞いたことがありませんし、特に阪神タイガースファンは幾世代に渡って受け継がれていくのが凄いと思います。兎に角、西宮市に長くお世話になった者として心より「アレ」を喜びたいと思います。

 

 

さて本日も本多町・瑞光寺に出向き、伊藤家の祥月命日忌諷経が営まれました。世相とは全く無縁の禅寺の佇まいの中での追善供養のひとときでしたが、実に有難く感謝するひと時となったようです。

秋風の 過ぎゆく御堂や 命日忌 友峰

柿の葉の 色を染めたる 秋御堂 友峰

ドブ川に 飛び込むファンや 秋温し 読み人知らず

第3732話

2023-11-05

糸ススキ / 寳勝寺境内

 

昨晩は声援空しく阪神タイガースの負けとなりましたが実に手汗握る良い戦いだったと思います。今日こそ岡田監督の「A・R・E」できっと勝利してくれるものと思いますが、法務遂行の疲れもあって昨晩ほどの声援エネルギーは残っていないかもしれません。どちらが勝利しても素晴らしいことです。

 

 

午前10時より 年忌の御法要が修業されました

 

本日も午前午後を通して年忌法要修業の一日となりましたが、気候が良いのがなにより有難く思ったものでした。例年ならこの時期は気温も低く寒い季節なのにまるで初夏のような暖かさで、お経を唱えている最中も汗が背中を滴り落ちるほどでした。お経三昧の三連休となりましたが、多くの参詣者との懇親の席は大変意義のある時間を過ごしたように思うものです。

 

ふれあいパーク霊苑にて

 

さて皆様はこの連休を如何お過ごしになられましたでしょうか? 紅葉狩りを楽しみにされていた方も多かった事と思いますが、このところの余りの暖かさに紅葉の木もビックリで紅葉のタイミングを逸しているかのようです。

 

日中友好の朝顔 種収穫のため残していたツルを撤去

まだ青々としている 朝顔の種

 

今月下旬は気温も下がるとかで、真っ赤で色鮮やかな紅葉を期待したいと思います。「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉」とは良寛和尚の辞世の一句ながら、風に任せ舞い散る紅葉のように自由な心で人生を歩んで参りたいものですね。くれぐれもご自愛ください。友峰和尚より

 

第3731話

2023-11-04

       

紅葉 べにしだれ

 

連休2日目を迎え金沢市内も観光客の姿が増えて来たように思います。卑山では終日年忌法要と墓前供養が営まれましたが、このことも連休を利用して県外から参詣されたご親戚が多かったように感じたものでした。例年より気温が高かったのが幸いし霊苑での墓前供養も清々しい風を受けながらの追善供養となったようです。

 

午前10時半より 本堂にて年忌法要が修業されました

 

 

 

午後より ふれあいパーク霊苑での年忌墓前供養諷経にて

 

 

来年の干支「辰」の図の色紙描きですが、法務の合間をぬって描き続けています。本日は卑山志納所に初めて出してみましたが如何でしょうか!これからは毎日工夫しながらシンプルでしかも勇壮な龍の図になるまで描き続けていこうと奮起しています。

 

「龍翔万年の寿」 令和甲辰 渓仙 書

 

来年の法話お題が「龍翔万年の寿」と決定しており、皆様が龍神の御利益を得るよう見つめているだけで幸せな気分になる龍図を目指して頑張って参りましょう!!

 

 

さて今晩は「アレ」が有りますから少し早めに仕事を終えて観戦したいと思います。「和尚は何処のファンですか?」と聞かれますが、長く西宮市にお世話になったので甲子園が近く「阪神タイガース」を応援したいと思いますが、どちらも関西のチームなので正直どちらが勝っても正解です。

 

 

岡田監督は実にこれまでに無いタイプにして、ひょうきんでしかも人間味あふれる監督として大変魅力を感じます。互角の試合になると思いますが皆様と共に大なる声援を送りたいと思います。友峰和尚より

 

第3730話

2023-11-03

「道(いい)得るも三十棒 道(いい)得ざるも三十棒」

 

「朝打三千 暮打八百(ちょうださんぜん ぼだはっぴゃく)」とは和尚の修行時代(20代)に師匠が常に雲水(修行僧)に向かって発していた言葉です。実に恐ろしい叱咤激励の言葉ながら、今思えば涙の出るほど有難い言葉であったと当時を回顧するものです。

 

あたたかな日差しが降り注ぐ ふれあいパーク霊苑

墳墓開眼供養を修業いたしました

 

要するに「若い時は2度ない」、「鉄は熱い内に打て」という言葉にも似て、「愚図愚図するな!朝には三千回、己に向かって鞭打ち、夕刻には八百回、己にに鞭打って修行に励め」ということです。今日75歳を迎え、もはや自分に鞭を打とうにも打つ力も気力も体力も衰えては万事休すなりしや! そこでギブアップではあまりにも情けない話ですから、筋力・体力・気力アップに励むべく日々心身鍛錬の努力を続けていく必要性を強く感じているところです。

 

温暖な気温により 秋のバラの見頃が続いています

 

さて今日は「文化の日」で三連休となっています。休日を利用しての年忌法要予定が多く組まれていますが、須らく法務遂行に集中して参りましょう!「道(いい)得るも三十棒 道(いい)得ざるも三十棒」とは中国唐時代の禅僧・徳山宣鑑禅師の言葉です。頑張って参りましょう!! 友峰和尚より

 

酔芙蓉とクマバチ

 

第3729話

2023-11-02

 

暖かい陽気のお天気が続いていますが、おかげさまで金沢市伝統的建造物群保存整備事業における当局の指導を受けながら寳勝寺修復保存工事も順調に進められており、本堂南側外壁工事と茶室の縁側引き戸ならびに戸袋修復と庫裏側壁の修復が行われています。

 

本堂南側茶室引き戸ならびに戸袋の修復

 

卑山は幸いに創建当初の姿を今に伝えており、今回の修復工事は一部改造された箇所を元の姿に復元するための工事でもあり今回でほぼ全ての修復が完了となります。竣工しましたら皆様には是非御来寺頂きたいと願っています。

 

寳勝寺庫裡の外壁修復工事

 

茶室には炉も切られており、11月から炉開きとなるため家内に小さなお茶会を開いてもらい完成をお祝いしたいと思っていますが、来年には北陸新幹線が福井県敦賀市まで沿線開業となるため寳勝寺カフェにも再び多くの観光客が来寺くださるものと思われます。最近、市内の飲食店では外国語を話せるスタッフが急増しており、観光都市金沢ならではの国際色豊かでグローバルな雰囲気が感じられ、また人口も毎年増えつつあるようで街中に活気が感じられ若者達の姿が多く見受けられる状況は嬉しい事です。

 

ほととぎすのつぼみ

 

さて皆様はこの季節如何お過ごしでしょうか? ずいぶんと日が暮れるのが早くなってきました!秋の夜長を和尚は昔学んだ仏教書を再び読み直しながら気持ちをリラックスさせています。「読書百篇 意自ずから通ず」ですから、加齢に合わせ読めば読むほど味わい深くなっていくようですね。華麗なる人生を歩んで参りましょう!! 友峰和尚より

第3728話

2023-11-01

兼六園 美しい晩秋の景色

 

今日から11月霜月(しもつき)を迎えましたが、ブログをご覧いただいている皆様にはお元気にて恙なくお過ごしの事とお喜び申し上げます。今年も残すところあと2ヶ月のみとなりましたが、今のところ平穏無事に過ごすことが出来、感謝しております。

 

 

禅語にもあるように「無事是貴人(ぶじこれきにん)」で、日々無事ということの難しさでも有ります。人間が生きている限りにおいて色々な難事が起きますが、それらの出来事を小難に留めるには日々の精進と努力が不可欠のように思います。「艱難(かんなん)、汝を玉にす」の諺通りに苦難の道こそ人生なのかも知れません。

 

 

園内を掃除される 職員の方々

 

昨日は秋の健康促進を兼ね金沢城内と兼六公園ウオーキングコースを一周し、約1万歩でしたが、気温良し気候良しで清々しい気分を味わいました。兼六公園内では冬を迎える前の整備が行われており、草取りの職員の様子が風物詩の如くに多くの観光客の被写体となっていました。

 

 

 

しいのき迎賓館、いしかわ四高記念公園

市内のホームセンターで

 

11月を迎え更に気忙しさが増して来たように感じます。午前中に少林寺お檀家総代様の月参りに出向いたあとは冬場に必要な備品を買い求めに出掛けましたが、どこも買い物客で賑わいを見せていました。今年は暖冬になるとの予報ですが冬の備えには万全を期して臨みたいと思います。「備えあれば憂いなし」です。頑張って参りましょう!! 友峰和尚より

Newer Entries »

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870