3月, 2019年

第2051話

2019-03-31

昨晩はもの凄い雷の音に目が覚める始末。今朝方は突風を伴ったアラレが地面を打ちつけ、寺カフェの看板はことごとく吹き飛ばされるという大荒れの天気模様となりました。午前中にお檀家様の年忌法要に出掛けましたが、時折強く吹く風に車体が揺らぎ地震かと思うくらいでした。午後にも霊苑での開眼供養が予定されていましたが、あまりの強風のため本堂内での法要となりました。

 

堂内にて 墳墓開眼供養を修業しました

一瞬の晴れ間に、墓前にて / 参列者皆様と 故人の御徳を偲びました

日曜日と有って金沢市内観光を楽しむ観光客が強風を避けるために卑山カフェを利用されていました。このところハードな法務遂行が続いており和尚も少々疲れ気味、一服したいものの休息する間もなく頑張っています。新しい元号が明日の午前中に発表されるというので、何処となしかそわそわしてしまいます。昭和、平成の次は「永盛」でしょうか? 元号はさておき、明日はエイプリルフール、騙されないように一日を過ごしたいものです。友峰和尚より

 

ゆきやなぎ / ふれあいパーク霊苑にて

第2050話

2019-03-30

選挙カーのスピーカーから流れる「お願いします!」の声が終日鳴り響く一日となっています。午前午後とも「ふれあいパーク霊苑」での開眼供養諷経を修行しましたが、心配された雨も「法雨(ほうう)」と成って故人の慈悲の心を感じる風情となりました。

 

ふれあいパーク霊苑にて 開眼法要を終え

3月最後の土日ですが、どちらも新年度を迎える前の霊前供養が予定され、年度末の慌ただしさを感じます。ニュースでは4月1日の午前中に新しい元号が発表されるとか、最近は生年月日を西暦で言う若者が増えていますが、和尚などは元号でしかピンと来ません! 和尚は西暦何年生まれですか?と問われると戸惑う世代かも? どうかお許しを。

 

「武 一即一切」 渓仙 書

さて今日の禅語ですが「武 一即一切」です。武とは「こころ」を表します。普通には矛(ほこ)を止めると習いましたが本来の意味は「こころ」です。一即一切とは見るもの聞くもの触れるもの全てが自分と一体であるという意味です。言い換えれば「あるがまま」の姿です。武士道とは己を捨てきった生き方を言うのかも知れませんね。あるがままに過ごして参りましょう! 友峰和尚より

あけびの花 / 寳勝寺境内にて

 

平成31年度 春季彼岸会法話

2019-03-29

 

【平成31年度 寳勝寺春季彼岸会 住職法話】

 

・・・宝勝寺に住持して約8年になりますが、春のお彼岸とお盆の年中行事も定着して参りました。現代は多くが核家族になり、若者も故郷を離れて都会で生活するようになりますとおのずと寺に来る機会も無くなっていきます。このような時代ではありますが、幸いなことに宝勝寺では再び檀信徒様とのご縁が深まり、御先祖供養がなされ、法が守られていくことを誠にありがたく思っております。 

 

 

・・・本日の法要「追善(ついぜん)の一偈(いちげ)」は、”一樹春風両般(いちじゅしゅんぷうりょうはん)有(あ)り、南枝(なんし)は暖(だん)に向かい北枝(ほくし)は寒(かん)”という、江戸時代の高僧・白隠慧鶴(はくいんえかく)禅師の「槐安国語(かいあんこくご)」に出てくる禅語です。人生はそれぞれに色々な因縁が有り、南向きに生まれたいと思っても北向きに生まれる者も有り、陽の当たらない場所に生まれる者もあります。しかしその場所で辛抱して努力を続け、じっと真理を追究していくとやがて必ず「ひとつの樹」が見えてくる、それが「悟り」です。 ・・・我々は皆、百点満点で生まれている。みんな完璧だけれども、寒い所に生まれてくると縮(ちぢ)こまってしまいます。生まれて以後、自分で思い込んで萎縮(いしゅく)しているようなものを開放していかねばなりません。 

 

 

・・・『無門関(むもんかん)』という禅の書にこんな話があります。“瑞巌(ずいがん)の彦和尚(げんおしょう)、毎日自ら「主人公。」と喚(よ)び、復(ま)た自ら応諾す。 即ち云(いわ)く、「惺惺著(せいせいじゃく)、喏(だく)。」” 今から千二百年前、中国浙江省(せっこうしょう)の彦和尚(げんおしょう)が毎朝、坐禅をしながら「主人公!」と叫び、「惺惺著(せいせいじゃく)、喏(だく)。」と自分で応諾したという逸話です。 「惺惺著(せいせいじゃく)」とは「騙(だま)されるな、目を覚ませ!」という意味です。人生の主人公は自分なのに、外の世界に求め、とらわれ、喜怒哀楽に振り回されている。その喜怒哀楽も自分自身が作っているわけでして、「騙されるな、目を覚ませ!」とは即ち 「自分の煩悩を使いこなせ!けっして振り回されるな!」ということです。

 

 

・・・人間は非常に危ういもので、常に揺らいでいます。だからこそ油断せず、確認をせねばなりません。目はしっかり見、耳はしっかり聞いているか? 相手ときちんと対峙しているか? と自分に問いかけ、モヤモヤした心があれば払拭してパッと切り替える、それが「惺惺著(せいせいじゃく)。」です。 坐禅も読経も、自分に騙されないように心を整えているわけであります。

 

 

・・・「彼岸」とは「中道(ちゅうどう)」、すべてが一体となった何もない世界です。 相手になりきって、自分を捨て切ったらもう自由自在です。 好事(こうじ)も無きに如(しか)ず、 良い事も悪い事も、自分も他人もない、「無事」こそが本当の心の安らぎというものですね。 

 

平成31年3月17日 寳勝寺春季彼岸会 住職法話より (事務局編集)             

第2049話

2019-03-29

昨晩は月例の木曜坐禅会が開催され、午後6時半から堂内に入り実に気分爽快な坐禅の時間を過す事が出来ました。まもなく招待禅僧として渡欧し、また明日からは選挙参謀としての重責を担うことになり、また本寺では諸堂修理工事のため仏具や調度品などの移転が開始されたという中での瞑想となりました。

 

まさに「忙中に閑あり」の心境です。坐禅参加者は坐禅日変更の影響から一名のみでしたが、人数の云々にかかわらず只管黙々と坐禅三昧!有り難し!有り難し!「何者の おわしますかは 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる」と。同時に職員の手によってフランスに送る墨蹟の梱包も始まりました。愈々の感があり、何事も丁寧に丁寧にが求められています。

茶礼にて 坐禅会員の枝村様とともに

フランスへ送る 墨蹟の梱包作業

本日は午前9時の「候補者議員出陣式」に出席する為、午前5時に起床し身支度を整え一路電車で福井に向かいました。道中、僧衣姿の和尚を見て外国人の方々が次々に挨拶してくれました。嗚呼!何と有り難い事か。丁寧に合掌してお辞儀をしました。出陣式の挨拶を済ませたのち藤田総代様と一旦本寺に戻ったところ、新命副住職始め職員総出で寺内物品の移転作業が行われており、感謝感謝で再び合掌! 駅まで送って下さった藤田総代様に合掌! ここ暫らくは金沢と福井を行き来する毎日となりそうです。さて今日の墨蹟は「忍」です。流石に説明は不要です。忍の一字で頑張って参りましょう! 友峰和尚より

「 忍 」 渓仙 書

第2048話

2019-03-28

方山さんとともに / 「アート・サクレ芸術祭」の 打ち合わせ

まったくサプライズの贈り物でした!! サンリス市「アート・サクレ芸術祭」に同行される野々市市在住の方山さんが、和尚のポートレート写真より顔イラストのゴム版を彫って下さいました。

素晴らしい 手作りハンコ を頂きました

方山さんは野口翠智先生のお弟子として長く文房流の茶華道をされていた方ですが、この度の参加記念にと下さいました。前々より手紙を送付する際に和尚のイラスト版が欲しいと思っていた矢先のサプライズでした。実に見事な出来栄えで感心してしまいました。本当に有り難うございました。

素敵なプレゼント を ありがとうございます

 

伝広社・吉田氏と / ふれあいパーク霊苑取材の打ち合わせ

「一期一会」 渓仙 書

本日は夕刻6時半より坐禅会が開催されるため金沢に入りましたが、サンリスへ出発するまでに法務を滞りなく完了しておきたいと願っています。さて、本日の墨蹟禅語ですが「一期一会」です。日常よく見聞きする言葉ながらその真意となると解説はまちまちです。究極、一瞬一瞬が人生の出会いの最初で有り最後であるということです。禅語に「一即一切」と有るように、今という「今」の時を疎かにしないように生きる事の大切さでも有ります。「今という 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今」こちらのほうが分かりやすいですね。今を大切に元気に参りましょう! 友峰和尚より

第2047話

2019-03-27

春の朝陽 / 大安禅寺 アトリエより

大安禅寺の東の方向に白山連邦が連なっています。北陸の霊峰白山から昇る朝陽ほど神々しく感じるものは有りません。昨晩は福井県坂井市丸岡町で、「アート・サクレ芸術祭」事前打ち合わせが参加者出席のもと行われましたが、出発日まで1か月を切り、入念な打ち合わせとなったようです。

事前打ち合わせ会にて

今回の芸術祭には各宗教者はじめ多くの芸術家が参加しており、宗派を超えて開催されます。開催テーマが「大地から星への詩」となっており、約600点に及ぶ出展作品もそのテーマに沿ったものが多いように見受けられます。まもなく全作品のカタログが完成するという現地事務局からの報告を受け今から楽しみにしています。和尚の禅語墨蹟にはフランス語の説明が付けられるそうですが、言葉の壁を越えて禅語について説法するのは至難の事です。安土桃山時代から江戸時代にかけて多くの宣教師が外国から来日しましたが、布教には相当な苦労と苦難が有った事と察します。

「 一黙如雷 」 渓仙 書

さて和尚の墨蹟から今日の一点、「一黙如雷」ですが、禅の悟りを端的で示せば「喝」もしくは「一黙」のどちらかで、この”一黙”の語源は維摩経「入不二法門品」に由来するのですが、一黙とはただ黙っているのではなく悟りの当体を全身で現出しているのです。故に「雷の如し」なのです。正しき事を証明したい時、説明すればするほど本当のところから遠ざかる事が有ります。肝心要のところは、北島康介の名言「なんもいえね!」なんですね。黙々と頑張って参りましょうか!友峰和尚より

第2046話

2019-03-26
この24日に卑山枯木堂(こぼくどう)で実施された墨蹟の大書ですが、4月21日のサンリス市「アート・サクレ芸術祭」開催初日には午後5時より、聖ピエール教会に於いて日本の禅宗、特に臨済禅の布教活動として来場者の面前で披露することになっています。今回は一円相の中に「魂」と大書しましたが、聖ピエール教会では「禅」という字を大書しようと思っています。       当日は通訳を通し「禅」についての法話が予定されており、舞台正面に設えた○△□のオブジェの意味を説明しながら「禅の心」について説いてみたいと楽しみにしています。会期中には聖モーリス小修道院にて坐禅会も実施されますが、やはり実際に「坐禅」を体験して頂くのが一番だと思っています。今や「禅」は世界中に浸透しており、はるばる来日して禅の修行を希望する外国人も増えつつあるようです。この機会にもできるだけ多くの方に実際に坐禅を体験して頂けるよう主催者にお願いしているところです。 禅語の墨蹟展示もなされますが、約15点の一つ一つの意味を説明しながら、禅の思想もわかりやすく説きたいと思っています。展示予定の墨書の中から、今日は「空 行雲流水」を紹介します。「空」とは無心を言い、「行雲流水(こううんりゅうすい)」とは悟りの境地で、”雲の行くが如く水の流れるが如し”と自由無碍の心境です。さてさて開催日が迫って来ました! 坐禅三昧の日々が続きます。友峰和尚より

野口翠智先生  お弟子の丸子さん、北島さんとともに / 愈好亭にて

第2045話

2019-03-25
一夜明けて爽やかな朝を迎える事ができました。昨日は沢山の方が「事前発表会」にお越し下さり、改めて感謝致しました。何事にま於いてもリハーサルほど重要な体験は有りません。サンリス市・聖ピエール教会では4月21日午後5時から禅の墨蹟大書が予定されていますが、この大書は、禅の悟りの心境を成り切る、捨て切る、思い切るの動作で表現し、禅の端的を披露したいと思っています。また坐禅指導や法話も予定されており、「禅のこころ」をご来場の皆様に伝えたいと願っています。

ご来寺くださいました皆様に 心より厚く御礼申し上げます

 

本日 京都駅にて

今日は早朝より、妻と職員と京都に向かいました。雑華院老大師に御見舞いを申し上げると共に法務ご報告の為お伺いしたのですが、老大師より温かいお言葉を賜り再び新たな精進を誓いました。帰りには微妙殿にて檀信徒祖霊供養諷経を行じ、引き続き大本山妙心寺大方丈で本尊諷経回向を唱え帰路につきました。車中、琵琶湖の景色を望み、大安禅寺諸堂修理工事の無事遂行を祈りながら、感謝しました。千里の道も一歩からを座右の銘に、今後も努力を続けて参りたいと念じます。頑張りましょう!頑張りましょう! 友峰和尚より

 

第2044話

2019-03-24

早朝の大安禅寺 隠寮より

起きてびっくり玉手箱!ならぬ春雪が境内を清めてくれました。今日は午前10時よりの墨蹟大書が予定されていた為、きっと山川草木いや森羅万象ことごとくお祝いの風情を現出くださったと感謝致しました。それにしても一面の雪には驚きました! 境内の何処を切り取っても清々しい光景でした。

南の庭

  禅の墨書並びにオブジェを朝一番に再点検し、更なる吟味を考えていました。人生にも墨蹟にも「これで良し」などという世界は無いと思いますが、禅のこころをお伝えする方法として、一所懸命の魂は伝わったような気がします。「一挙手一投足」とか「一即一切」とか「全身全霊」とか「一球入魂」とか、どの言葉も身に染みる思いがします。  

早朝より 事前発表会の準備 / 野口翠智先生と社中の皆様

地元新聞社、テレビ局からのインタビューを受けました

   

サンリス市「第1回アート・サクレ芸術祭」事前発表会にて

報道関係者への記者会見と、「第1回アート・サクレ芸術祭」開催内容を説明した後、初めに野口翠智先生が社中皆様と生け花を開始し、枯木堂正面の両側に春の到来を感じさせる見事な花の生け込みを披露されました。それに引き続き和尚の墨蹟大書を実行しましたが、今回は円相の中に「魂」という字を大書しました。    

生け花デモンストレーション の ようす

     

一円相

   

  一円相」 渓仙

   

新命副住職による説明とご挨拶

    本日は地元のお檀家様始め本当に多くの方々にお集まり頂き、心から厚く御礼申し上げます。また野口翠智先生始めご社中の皆様には、本日は本当に有り難うございました。友峰和尚より

第2043話

2019-03-23

明日の事前発表会に向けて

近年、ニュースの話題の中心となっている外国人観光客の増加ですが、今日は卑山でも午後2時半から坐禅体験ツアーが実施されました。年々増加傾向にあり、特に禅寺での坐禅体験が人気が有るようです。本日のお客様はイギリス、オーストラリア、カナダからの観光客ツアーで、小人数でしたがガイドさんの話ではなかなか人気が有るとの事でした。

文房流晴心会 野口翠智先生

夕方まで新命副住職不在のため和尚が坐禅指導にあたり、流暢な日本語?で説明させて頂きました。目まぐるしく変化する日常の法務遂行ですが、午後からは、フランス・サンリス市「アートサクレ芸術祭」事前発表展示に入り、副住職のサポートを得て無事展示する事が出来ました。

また同時に文房流晴心会・野口翠智先生と社中の方々も生花の準備に来られ、明日は和尚の「墨蹟大書」と「生花デモンストレーション」が午前10時より記者会見の後、披露する事になっています。越前和紙のオブジェもようやく夕刻に完成し、明日発表します。皆様にはお時間ありましたら是非、ご来寺頂ければ幸いです。心からお待ち申し上げております。友峰和尚より

野口先生 と お弟子の 黒川さん 浅野さんとともに

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