5月, 2018年

第1747話

2018-05-31

 ホタルブクロ / 寳勝寺境内にて

目まぐるしく移動日が続き、今日は金沢に入りました。午前中に地元ウォーキング会の皆様が寺カフェを利用したいという事でそのお手伝いに戻ったわけですが、最近では観光客のみならず地元の方々が寺カフェを利用される機会が増えているように思います。勿論!和尚の望む所で、帰り際には「ふれあいパーク霊苑」も見学されています。タクシーの運転手さんの間でも寺カフェが知られるようになりましたが、今日もふれあいパーク霊苑を日本庭園と勘違いされている様子でした。いづれにせよ実に有り難い事です。

午後からは依頼されている色紙書きをしましたが、時折、大きな雷が地響きを立てながら轟いていました。明日はお天気も回復して過ごし易い一日になるとか、兎に角も気になるのは自坊の花菖蒲の事ばかりで、夢の中にさえ出てくるほどです。携帯電話を駆使して担当者に園内整備の指示を出すのですが、思うようにならずジレンマが襲って来ます。思えば35年もの間「花菖蒲祭」を続けて来られたことを不思議に思うと同時に、自分の健康体にも感謝するものです。

園内の整備には強靭な身体が不可欠ですが、流石に70歳の身体では最早限界を感じ、足も腰も膝関節も指関節も痛みが走ります。今年で最後!今年で最後!と言い続けながらの可愛い可愛い花菖蒲達の成長を願って頑張っています。来園者の笑顔の花が咲くかぎり頑張りましょう。頑張りましょう。 友峰和尚より

「 喝(達磨図) 喝一喝 」 渓仙 書

第1746話

2018-05-30

携帯電話を自坊に忘れて来てしまい、ここ数日間は不便を強いられるかと思いきや誰からも何の通信も無いのは実に自由で爽快な気分でした。しかし本日、急用のためJRで帰山する途中、芦原温泉駅の手前で突然電車が急停車! 福井駅へ迎えに来ている妻に連絡しようにも通信手段が無く困惑する始末! 嗚呼!なんてこった! 幸いに20分遅れで福井駅に到着。寺に戻って携帯電話の通信記録を確認したところ、色々な方からのメッセージが届けられており、文明社会ではやはり文明品は絶対不可欠の必需品なのかも知れないと感じたものでした。されど、たった二日間でしたが携帯電話を持たない時間の過ごし方が実に懐かしい体験だったと思います。皆様も一度体験されると良いと思いますよ。自坊に戻ってさっそく花菖蒲の苗の植え替えを開始、先日に引き続き春陽堂店主・斎藤公一さんが駆けつけてくれたお蔭で短時間で終了することが出来ました。お花も咲き始めており、良いタイミングでの植え替えとなったようです。

斉藤公一氏とともに 植え替え中のようす

小森庭園主 末政幸憲氏です

 

 

本日夕刻の 花菖蒲園

今年は北陸もまもなく梅雨入り宣言が出される雰囲気で、花菖蒲の苗も例年より成長が良いように思います。妻が担当している薔薇の花は次々に大きな花を咲かせていました。もう少しで開幕です。どうぞお楽しみに! 友峰和尚より

第1745話

2018-05-29

まもなく6月、水無月(みなづき)を迎え「第35回・花菖蒲祭」が始まろうとしています。開園して35年も経つというのに、いまだに緊張感に襲われます。と言うのも期間中、事故や諸問題が発生しないよう色々な方面に気を遣う事が増えていくからで、万全を期して望まなければなりません。事故は予期せぬところで起きることが多くありますから、約1カ月に及ぶ長丁場の間も徹底した園内整備が肝心です。幸いにこの35年間は無事にお祭りを円成出来てきましたが、それも多くのスタッフ皆さんの気配りのお蔭でした。今年も多くの方々に御来園頂き、花菖蒲、薔薇、紫陽花を愛でて頂きたいものです。

さて火曜日の今日は休寺日でしたが、和尚は法務に全力集中した一日となりました。午後には久しぶりに㈱豊蔵組の江川様と香林様が卑山を訪ねて下さり、しばし楽しく歓談しました。相次いで福邦銀行金沢支店の行員の方も来られ、最近では多くの方々が訪れて下さる寺となり、心から有り難く嬉しく感じています。7年前、兼務住職として就任した頃は全くに人の気配も無いと言っていいほど静かなお寺でした。今では絶えず毎日のように来客があり、伝統的仏教寺院としての面目躍如と言ったところでしょうか。

「来る人も又来る人も福の神」ですね。自坊からは、植施〈うせ〉用の花菖蒲の苗が届いたとか。さっそく明日は戻って苗を植えたいと思っています。花菖蒲達もきっと和尚の帰りを心待ちしている事と思います。友峰和尚より

第1744話

2018-05-28

京鹿の子 の つぼみ / 寳勝寺式台玄関にて

「庵中 閑(しずか)に打坐(たざ)すれば、白雲 峰頂(ほうちょう)に起こる」という禅語が有ります。山中閑居(さんちゅうかんきょ)の様子で、「世事一切を放下(ほうげ)して悠々として大自然の中に身をゆだねる心境」と禅語の解説に有るように、これだけ喧騒の世の中に有れば思い切っていちど日頃のリズムを変えて「忘我」の心境を味わいたいと願うものです。

「 放下着 (ほうげぢゃく) 」 大安渓仙 書

一昨日は京都、昨日は福井、そして今日は金沢と実にゆっくり居を構える間もなく移動の毎日となっています。そんな中、ニュース速報で九十歳の女性の運転する乗用車が通行者をはね、そのうち一人の方が亡くなったとの内容でした。確かに最近は九十歳の年齢と言えども大変元気な高齢者を多く見受けますが、元気と安全は全く別の世界で、車ほど危険な乗り物は有りませんね。まして高齢者の運転となれば尚更の事です。近年、自動運転システムや安全ブレーキシステムなどが急速に開発されつつありますが、運転者の健康や心理状態を推し量るAI機能搭載自動車の登場はまだまだ先の話です。自分は大丈夫だ、という慢心には和尚自身も反省しきりです。安全にも安全を心得て運転したいと念じています。さて、今日は急遽金沢での法務遂行となっています。一日を健康で無事に過ごせるのがどんなに難しく又どんなに幸せな事か、本当にしみじみと感じるこの頃です。頑張って参りましょう!! 友峰和尚より

寳勝寺玄関にて しもつけ 都忘れなど

第1743話

2018-05-27

 

大本山妙心寺 法堂 / 妙心寺公式ホームページより

 

妙心寺管長晋山式の朝は素晴らしいお天気となりました。流石に管長様の御高徳を表すかの如く時折涼しい風が法堂(はっとう)内に吹き込み、真夏日の予報が出ていたにもかかわらず気温は二十八℃と過ごしやすく感じました。

 

 

 

花園会館での朝食

昨晩は花園会館に宿泊、朝食を頂いた後、妙心寺大方丈に向かいました。全国から関係者約二百名近い尊宿を始め一般縁者も多数出席され、法堂に於いて厳粛な雰囲気の中、晋山の偈(げ)を新管長・小倉宗俊老大師が唱えられました。和尚が管長晋山式に出席したのはこれで二度目になりますが、その御法縁に感謝しております。式終了後は大方丈での祝賀会となり、妙心寺名物「阿じろ」の精進料理を頂きながらしばし同僚たちと歓談し、自坊に戻りました。

 

祝賀会 / 大方丈にて

 

 

 

京都府知事 西脇隆俊様の御挨拶

 

 

京都市長 門川大作様の御挨拶

 

晋山式は二時間に及ぶものでしたが、法堂内は静まり返り、偈を次々に披露する新管長の聲だけが響き渡る様はまるで六百年前にタイムスリップしたような感覚を受けたものでした。伝統仏教の真髄に触れる思いのした新管長晋山式に出席出来たことを有り難く感じた一日となったようです。友峰和尚より

 

大本山妙心寺 大方丈 / 妙心寺公式ホームページより

第1742話

2018-05-26

少林寺にて 御檀家様の五十回忌法要が厳修されました

気温が一気に上昇する中、午前10時より野町・少林寺でお檀家様の年忌法要を営みました。50回忌の御供養でしたが、最近では50回忌法要を修業されるお家も少なくなって来ています。というより両親の年忌法要も営まない近年の状況です。法要終了後には御家の代々墓にお参りするため金沢市の野田山墓地に向かいましたが、ここでも今後の墓地後継者問題の話しになりました。

法要終了後 寳勝寺にて懇談のひととき

すべての法要を終えた後、皆様で宝勝寺に来て頂き、茶礼後にはふれあいパーク霊苑を見学されていました。現代社会は本当に、少子高齢化問題が身近なところにまで及んでいるようです。さて無事に法要を済ませ、一路京都妙心寺に向かいました。明日は新妙心寺管長の晋山式に出席致すこととなっています。新管長様は愛知県犬山市・瑞泉寺のご住職で、金沢宝勝寺の開山・千岳宗仭禅師が修行されたお寺です。しみじみとご法縁の不可思議を感じとったものです。どうやら京都の明日の気温は30℃を超える真夏日となりそうです。友峰和尚より

第1741話

2018-05-25

今年ふたつめの 睡蓮が咲きました

昨日に引き続き今日も爽やかな一日と成りましたが、和尚は外へ出る事も出来ず自坊から依頼のあった色紙書きに専念しました。明日は野町・少林寺に於いて年忌法要が営まれる予定となっており、施主の方に差し上げる姫観音図も合わせて描きました。姫観音図を描くのは本当に久しぶりで、筆を持つ手の感覚も忘れ、どうなることかと思いましたが次第に思い出し一枚の図を仕上げました。明日は真前にお供えしてからお渡ししようと思っています。

午前中から卑山ふれあいパーク霊苑の見学者の方が次々に来られており、風も温かくとても気持ちが良いため霊園に咲き乱れる薔薇の花を観賞しながらの見学となっていたようです。明後日は京都・大本山妙心寺での法務となっていますが、本日は精力的に依頼された作業を遂行したものの流石に疲労困憊して夕刻にはしきりに休息タイムを求める始末! 皆様!やはり休息はたいせつです! いま国会で論議されている「働き方改革法案」がどのような内容か知りませんがどうか休息時間だけは十分に取って頂きたいものです。

さて「苦あれば楽あり」の言葉を信じて再び頑張って参りましょう! それにしても大リーグ 大谷翔平選手の毎日の大活躍には目を見張るものが有ります。和尚も心から声援を送っているファンの一人です。和尚は「太田胃酸」が欠かせない日々が続いています。「太田胃酸(オオタニさ~ん)」 友峰和尚より

第1740話

2018-05-24

寳勝寺アトリエでの 色紙書き

暑くもなく寒くもなく大変気持ちの良いお天気となりました。少林寺の修復工事準備のため金沢に入ったものの宿題が山ほどあり、あれもこれもと先ずは出来るところから開始、まもなく開催される花菖蒲祭の志納所用色紙書きから始めました。本来なら屋外での仕事がしたいのですが、しばし辛抱して室内作業に集中です。

「一日清閑 一日福」 大安友峰 書

兼務寺院の少林寺は寳勝寺より徒歩で5分ほどのところに有る禅寺です。寳勝寺開山・千岳宗仭禅師が同じ開山和尚となっておりますが、寳勝寺に住職したのち、いったん京都大本山妙心寺の住職をされ、その後再び金沢に戻り加賀藩主第三代・前田利常公の庇護を受けて少林寺に住職されました。寺院の規模は寳勝寺と全くに同じで、寺内の構造も大変よく似ています。この度、寳勝寺全体の普請が殆んど終了した事を受けて来年度よりは少林寺に入っての寺院復興を予定しています。

少林寺 本堂にて 2017年7月 撮影

薫風のふれあいパーク霊苑 「奥の院」にて

スタッフによる清掃やお手入れ 美しく管理されています

兼務寺院の住職としての課題は山積みで、お堂の復興に合わせて後継者探しも重要な責務となって来ているようです。和尚に残された時間も限られてきているので、「善(禅)は急げ」の心境で頑張りましょう! ここに来て花菖蒲園整備からの関節の痛みが再び発生して悩んでいます。直接にも間接にも身体が一番大切に思う今日この頃ですね。どうか皆様、くれぐれも御身お大切にお過ごしください。南無観世音菩薩 オンマカキャロニカソワカ 友峰和尚より

 

第1739話

2018-05-23

禅語に「閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)」というのが有ります。意味は全くにそのままで、しずかに坐って松風の音を聴くという事ですが、一体どんなふうに松風の音を聴いたかが問題です。

松浦建設㈱ 吉田専務様 と 社員の方とともに

禅語は自分の心との対話ですからそれぞれにその心境は異なると思います。ならば和尚はどのように聴いたか? 禅語の字を確認すると「閑」と有ります。同じ「しずか」でも、静とは意味が違います。「閑(かん)なのです。そう言えば芭蕉の「閑かさや 岩にしみ入る 蝉の声」の有名な一句を思い出します。「閑坐して松風を聴く」とは、松風の音と自分の心が一体と成った忘我の状況を現わしています。

大安禅寺のアトリエにて

「閑坐して松風を聴く」 大安友峰 書

本日は梅雨入りを思わせるように朝からシトシト小雨模様となりました。そんななか、午後からはアトリエに引きこもって色紙書きをしました。何処からともなく風が吹き込んで来て、まもなくヒュルヒュルと松風の音が聞こえてきました。何処までも閑です。音が聞こえて来るのに心は穏やかで閑です。思わず揮毫しました「閑坐聴松風」と。なんにも思わぬが仏の稽古也とはそのような心境なのかも知れません。一気に数十枚の色紙を書き上げましたと言うより勝手に手が動いていきました。久しぶりに書いた禅語の色紙、とっても気分よく清々しい気持ちで書けました。

モリアオガエルの卵 / 大安禅寺 心字池にて 2015年撮影

松風だけでなく雨音もモリアオガエルの鳴き声も同化して自分と一体でした。そうそう、今日の福井新聞に、卑山西庭の心字池でモリアオガエルが沢山の卵を産んだ記事が写真と共に掲載されていました。不思議ですね~、なにもかもが有るがままです! さて、お車を運転の皆様、「無事カエル」よう安全運転を念じています。けえろ!けえろ!ケロケロケロケログワッグワッワ。友峰和尚より

         

第1738話

2018-05-22

快晴の中、早朝より花菖蒲園の整備に入りました。今日で2日目ながら、卑山世話方衆が早めの整備を進めてくれていたため仕事も順調に捗(はかど)りました。今日は、昨年に引き続き強力な助っ人・卑山御用達「春陽堂」店主、斎藤公一さんが加担してくださったお蔭で、花菖蒲の苗の植え替えも加藤職員と共にスムーズに進み、一日で多く整備をこなす事が出来たようです。

斉藤公一氏です

園内の作業はその殆んどが庭師職人の仕事なれど、長年培ってきた技術で庭木剪定から草刈りそして苗の移植までを担当しての大仕事でした。和尚自身が手掛けた事業ゆえに、花菖蒲園が存続するかぎり頑張って今後も整備をしていきたいと願っています。新命副住職も将来的には禅寺に相応しい庭造りをしたいという事なので、未来構想を念頭に於いてもっともっと美しい花菖蒲を開花させていきたいものです。

さて、昨日の夕刻には「重要文化財諸堂修復工事」に関わる会議が開かれました。会議には、文建協より佐藤武王調査技官と、福井県生涯学習課並びに福井市文化振興課の要職者そして卑山からは責任役員総代はじめ吉岡泰英氏、片岡正明氏参席のもと「大安寺修理委員会」が結成されました。

 

今後は、檀信徒皆様に対しての工事施工に関する丁寧な説明と、これまでに行われた事前調査工事の結果報告会が成された後、来年度より正式な修復工事が着手される予定となっています。先日も多くの檀信徒皆様が総出で卑山護持の「家並(境内掃除)」に参加くださいました。これからも寺院の護持に深い御理解とご指導を頂きながら前に進めて行きたいと思っています。友峰和尚より

 

 

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