3月, 2017年

第1312話

2017-03-22

傳燈寺 中庭 の しだれ白梅

なんとなくぼんやりと物がかすんで見え、すわ一大事! 愈々和尚の老化現象もここまで来たのかと思いきや、なんと眼鏡にホコリがびっしりこびりついていました。おまけに長いまつ毛の上にもしっかりとホコリが付いて、これではかすんで見えても仕方がないと思いました。今日は終日、兼務住職先である傳燈寺の大掃除だったわけですが、それはそれは徹底的に掃除しました。

いつも寺カフェのお仕事でお世話になっている高倉様ご夫婦と木曜坐禅会会員の須貝君そして地元町内会長の西川様も加わって、強力な助っ人の御協力を得ての大掃除でした。どの部屋も見違えるほど綺麗になりましたが、たった一日ではとてもとても全てをクリア出来ず、また日を改めて掃除する事にしました。不思議なもので帰り際にお寺を振り返って見たら、本当に輝いて見えたものです。法灯六百年の歴史を有する禅寺だけに、今後の整備が待たれます。

夕刻、檀信徒先祖代々ならびに先代住職の彼岸供養をしました

さて「一に掃除、二に笑顔・・」です。和尚の宗旨は「掃除宗」ですから頑張ってお掃除を続けていきたいものです。今日は終日暖かい良いお天気でした。お掃除には持って来いの日和でした。神様も仏様も御先祖様もみな応援してくれているように思った一日となりました。「南無観世音菩薩」 友峰和尚より

第1311話

2017-03-21

寳勝寺ふれあいパーク 奥の院の「しだれ梅」

この時期はめまぐるしく天候が変わっていきますが、確実に春本番に向かっているようです。朝方から雨となりましたが、雨の音にも微妙に春の訪れを感じるものです。ニュースでは全国トップを切って桜が開花したところもあるとか、本当に春の到来が待ち遠しいですね。今日は移動日となり寳勝寺に入りましたが、霊苑工事も次第に全体像を現わしつつあるようです。到着して早速に「奥の院檀信徒墓地」を視察しましたが、周りの景色に溶け込んで卑山約四百年の歴史の重みを感じさせてくれる、重厚な雰囲気を醸し出していました。新しく造成される「ふれあいパーク霊苑」の工事も順調に進められており、大変嬉しく思いました。

寺に着くや否や来客の応対となりましたが、六年前、和尚が兼務住職に就任した時とは違って最近は頻繁に人の出入りも増えている為、留守をすることが出来なくなっている状態です。全国的に無住寺院が増えつつある状況下の中、寺院の再建と後継者育成という難題に取り組んでいますが、先ずは人の集まる寺院を目指しています。その意味において、寳勝寺は次第に活気ある寺院へと復活しつつあります。昭和初期には世界的宗教哲学者・鈴木大拙氏や西田幾多郎氏が卑山へ坐禅に訪れていた事を聞き、尚更身の引き締まる思いがします。禅寺は「坐禅行」が最も大切で、坐禅行を一般に普及させる事を主眼に置いて今後も坐禅会の発展に力を注いでいきたいと念じています。寳勝寺の坐禅会は今月23日木曜日の午後6時からです。皆様の御参加をお待ちしています。坐禅に来たれ!

北條淳子様から頂いたハンドクリーム さっそくに使わせていただきます

第1310話

2017-03-20

涅槃図の真前で奉詠する御詠歌の皆さん

清々しい彼岸会の朝を迎えました。早朝の澄みきった空気感の中での外作務となり、まったくに意識を挟む余地のないほど気持ちの良いものでした。近年、涅槃会と彼岸会を合わせて修業するようになりましたが、本日は多くの参詣者のもと午前十時半より法要が営まれました。法要終了後には新命副住職による「涅槃図絵解き法話」並びに「花団子撒き」が世話方さんによって行われました。

彼岸会法話

毎年この日のみ公開される「涅槃図」ですが、高さが約四~五メートル、幅が約三メートルほどある大きなものです。作者は福井藩のお抱え絵師「狩野元昭」の作品で筆止めの作とも言われているものです。全国的に多くの有名な絵師の作品が現存していますが、とりわけ大安禅寺の涅槃図は立派な大作です。新命副住職による「涅槃図絵解き」は二年ほど前から行われていますが、わかりやすい法話には定評が有り一年を通して色々な行事が開催されるなか、布教の一環としての「法話」は欠かせない重要なものです。禅寺に有っては「読経」「説法」「坐禅」が三位一体となって実践されています。

世話方さんによる花団子撒き

手作りのお寿司が配られました

さて本日は御先祖のお墓参りに多くの方々が出掛けられたことと思いますが、祖霊供養ほど心のやすらぎを感じるものは有りませんね。なぜなら祖霊がそのまま自分の心だからです。「自分の心を拝み、先祖の恩に感謝する日」一日を心安らかに過ごしたいものです。友峰和尚より

第1309話

2017-03-19

明日の午前十時半より「涅槃・彼岸会」法要が大安禅寺で営まれますが、今日はそのお供え物としての「涅槃団子切り」が檀信徒婦人の皆様で行われました。さて今年の団子新作の出来栄えは如何なものか? 写真の通り昨年より色を薄くして上品さを出し、色合いもカラフルなものに工夫してみましたが、まずまずの出来栄えです。

「五色」は仏旗にも使われているように、「宇宙の真理」を現わし、五つの智恵を現わす色として用いられています。色の組み合わせによってとてもモダンなお団子となりますが、この涅槃団子を別名「花団子」とも呼ばれるように、花柄をモチーフにしたものも作られています。お供え後の食べ方としては味噌汁に入れて食べるのが一番良いと思いますが、焼いて砂糖醤油か黄粉をまぶして食べるのもなかなか素朴な味わいがあるものです。どうぞお試しあれ! 三日間に渡る涅槃団子づくり、皆様はどのように感じられましたでしょうか? すべてが真心こもったお団子だと承知頂けましたでしょうか! お手伝い頂いた皆さんの、その真心を御釈迦様にお供えするのです。なにもかもがインスタント化していく現代社会ですから、せめてものお寺の行事ぐらいは手間ひまかけて、檀信徒の皆様との和合を大切に行事を進めていきたいものです。

さて和尚は明日の彼岸会を前に、寸暇を惜しんで日頃の溜まった宿題をしました。流石に大安禅寺はスケールが大きいため、やらねばならないことが無尽蔵にあります。今日のように天気が良いと心は外掃除に向かいます。あれもやりたい!これもやりたい!嗚呼時間が無い!嗚呼身体が動かない! 愚痴を言っている場合ではないですね。宿題をしている途中に藤田通麿総代様が来て下さり、よもやま話で一足早く花を咲かせた次第です。明日は涅槃会彼岸会です。どうか皆様お誘いあわせの上是非お参りください。心よりお待ち申し上げております。友峰和尚より

藤田総代様とともに  /   大安禅寺 アトリエにて 

第1308話

2017-03-18

昨日に引き続き涅槃団子(ねはんだんご)作りが檀信徒総代始め世話方、職員によって早朝より行われましたが、和尚と新命副住職は専ら新作団子づくりに集中しました。写真の如くに色々な模様を出すにはそれなりの技術を要しますが、一番大変なのは団子の色合わせの際、相当な力を必要とします。蒸し上がったお米の搗き方も重要で、硬くても柔らかくてもいけません。丁度良い「搗き加減」が求められていますから、熟練した技が必要です。そこんとこは大丈夫で、「昔取った杵柄」では有りませんが我が村では未だに臼で餅を搗く家が残っている為、ベテラン組が担当しています。

また出来上がった団子を伸ばす作業にコツが要ります。全ての過程で和合専一に連動しながら見事な「涅槃団子」が出来上がるというわけです。このような伝統的団子づくりが今後どこまで続けられるかは最早風前の灯(ともしび)的状況ですが、これからもずっと続けて行って欲しいと思うものです。

さてこの涅槃団子の色ですが「青黄赤白黒(せいおうせきびゃくこく)」と言って宇宙そして大自然また仏法を表す五色として用いられ、ひいては御釈迦様の悟りを示すものとしてお供えされます。明日、出来上がった団子を切りわけますが、どんな模様の団子がお目見えするかは明日のお楽しみです。乞うご期待下さい!

そもそも、団子として使われたお米は先般、新命和尚が総代様を伴って村々を托鉢して頂いた浄米である事を知るべしです。多くの方々の「慈悲心」と「愛山護法」の気持ちがひとつとなって「涅槃団子」が真前にお供えされ「涅槃・彼岸会」法要が営まれます事は感謝の念に堪えません。どうか御釈迦様の慈恩、御先祖の恩、父母の恩、宇宙の恩に感謝しつつ「涅槃・彼岸会」を迎えたいと思います。さあ和尚はお掃除です!!お掃除こそ御釈迦様の御悟りです!頑張ってやります!友峰和尚より

第1307話

2017-03-17

早朝より檀信徒総代始め世話方の皆さんとともに、この20日に厳修される「涅槃・彼岸会法要」にお供えされる涅槃団子作りが始まりました。昔ながらの製法を継承しているところも少なくなっている中、大安禅寺では頑なに伝統を守って手間ひまをかけた団子作りが行われています。和尚も小さい頃から手伝って来た為、今も現役で頑張っています。今日は下準備作業でしたが、明日が「団子こね」で和尚の出番となります。

一見簡単に作れるように思われがちですが、なかなか力のいる仕事で、特に色を重ね合わせながら美しい模様の団子を作るには技術が要ります。一般的には金太郎飴の作り方に似ていますが、米粉の団子となると手水の具合では中に空気が入ったり、くっつきが悪くなったりで、素早い色合わせが求められて行きます。明日のブログでは和尚の団子作りの技をお見せできると思います。とっても素朴な「涅槃団子」だけに、思い入れも強くなるというものです。「伝統」とは何ぞや? 日本古来の伝統行事や慣習が減少していく現代社会ですが、一度消滅したものを復帰させるのは至難の事です。後世に何を伝えて行くかはそれぞれに事情が有り選択が難しい問題でもありますが、残せるものはたとえ一年でも継承して欲しいものです。


さて「涅槃団子」も有れば「彼岸団子」も有ります。どちらも「仏法」そのものを意味するお供え物です。お寺の年中行事には大いに参詣願いたいと思います。「日々これ新たなり」の禅語の如く、一回参詣するごとに新しい発見があるのがお寺の「不思議発見!」です。思い切ってお寺の行事に参加してみて下さい!お寺は本当に摩訶不思議な所なのです。何故なら「真理を行ずるところ」だからです。お参りして、本当の自分に出会えることほど素晴らしい体験は他にないと思います。友峰和尚より

3月16日 霊苑改葬工事のようす

2017-03-16

あたたかな陽気の一日となりました。春季彼岸会も無事に終了し、引き続き着々と霊苑改葬工事が進んでいます。写真の如く、式台玄関から庫裏玄関にかけてのアスファルトがことごとく撤去され、地面がむきだしの状態になっています。また霊苑では、檀信徒墓域「奥の院」の通路に石畳が敷かれ、石塔のモニュメントが設置されました。

奥の院 最奥の通路敷石です

 

第1306話

2017-03-16

臨済宗妙心寺派 全国宗務所長会議最終日

昨日とは打って変わって穏やかなお天気となりました。三日間に渡った会議も午前中に無事終了し、京都を後に一路自坊に戻りました。宗務所長を拝命して5年目を迎え、法務の実施にも力が入るというものです。教区の発展は延いては我が宗派の発展にも繋がる為、たゆまぬ努力が求められているようです。

会議はさて置き、全国から参加している所長同士の交流ほど意義を感じるものは有りません。教区が違うと本当に何もかもが違う為、懇親会を介しての会話は実に楽しく良い勉強になるものです。まもなく大安禅寺でのお彼岸会ですが、大本山妙心寺参拝の後は気持ちも特別に充実した中で迎えることが出来そうです。真にありがたし。ありがたし。そうそう、今回の会議の中では、花園流御詠歌の発展のため、奉詠の際に使用する鈴鉦を無くし「詠歌」だけにしたらどうかとの提案が有りました。なるほど高齢化の進む中では鈴や鐘を鳴らすのはなかなか難しいとの事で、口だけは達者になっていくなら得意分野を拡充するほうが発展に繋がるという発想でした。ガッテン?反対? いつの世にあっても進歩と調和が課題のようです。

平成28年度 大安禅寺 涅槃彼岸会法要より

来たる三月二十日の「涅槃彼岸会法要」には卑山御詠歌婦人部皆様の素晴らしい声が披露されますので、是非ご参拝ください。果たして鈴鉦があるほうが良いか、それとも無い方が良いのか、じっくりご拝聴ください。友峰和尚より

第1305話

2017-03-15

妙心寺開山堂拝塔

強風の吹き付ける寒い一日でした。終日、大本山妙心寺宗務本所での会議でしたが、終了後には流石に足腰が痛む始末、実に情けないの一言です。会議に参加している全国の宗務所長も随分と若返ったもので、和尚などはいつの間にか古参組で驚きます。

一年に何回か本山での会議に参加していますが、和尚にとって京都は特別な場所で、いつ来ても新鮮な気持ちになるものです。最近では妙心寺・山内寺院が外国人旅行者に大変人気で、今日も多くの観光客が訪れていました。妙心寺山内は約10万坪有るそうですから、外国人観光客にとっては魅力ある異次元空間を体験出来る場所だと思います。全国から集まっている各教区の宗務所長方々ですから会議の後の交流懇親会が盛り上がるのは言うまでも有りません。会議は明日も有りますが、頑張って参りましょう!


ガラリと話を変えて、WBC二次リーグで連日見事な戦いをみせている「侍ジャパン」ですが、小久保監督始め各選手達の素晴らしいチームプレーが勝利を導いているようです。[大和魂」という言葉がぴったりの「侍ジャパン」、勝っても負けても文句なしの選手たちのファイトです。全力投球!これこそ日本人の美しき姿だと日々声援を送っています。 頑張れ日本! 友峰和尚より

第1304話

2017-03-14

さぁ始まりました!「宝勝和尚の楽く楽く法話」です。桜の開花情報と相まって、春の旅行シーズンを迎えました。本日は岐阜県下呂市より元気に満ち溢れたアラシー世代の奥様の団体でしたが、最後まで楽しくお聞き頂けたようです。和尚にとっては久しぶりの楽く楽く法話でしたが、不思議なもので昨日までの疲れもどこへやら、アラシーパワーを頂いてパワー全開!!お話のボルテージも上がる一方でした。やはり和尚にとって「説法」は自分の人生そのものなのかも知れません。

このところずっと霊苑事業に集中していて、かなりの緊張感が続いていましたが、気持ちがいっぺんにリラックスした感じでした。「男は度胸!女は愛嬌!坊主は説教!」とは懐かしいフレーズです。さてリラックスもつかの間、法話後は一路京都に向かいました。今日からの三日間は妙心寺宗務本所での全国宗務所長会議です。参禅は須らく実践を要す!!の言葉の如く、何事もやってみて納得がいくものです。さりとて全てを体験することも不可能な話です。本山での研修は情報交換に意義を見出すものと感じています。「艱難汝を玉にす」で、どのような難しい問題に遭遇しても、縁にしたがって全力投球で頑張って行きたいと念じています。友峰和尚より

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