2月, 2019年

第2020話

2019-02-28

小雨模様の中、お檀家様の月参りに出掛けましたが、街中はすっかり春の様相でした。午後からは昨日に引き続き墨蹟制作に入り、主に色紙に書く文言を選出してその下書きや練習に時間を費やしました。その日によって調子も異なる為、墨蹟をするときは十分に体調を整えてから書くようにしていますが、今日で3日目を迎え集中力を保つことの難しさを感じます。

 

「 心 無事是貴人 」 渓仙 書

スポーツのアスリート達もそうですが、良い結果を出すには自己管理に十分気を遣わねばならない事がよくわかります。墨蹟をする時も筆の先端に精神が集中するため体調には最も気を遣うものです。「字は体を現す」と言いますが、まったくその通りだと思います。書いた字を見ている人に元気が伝わらなければ、決して良い書とは言えませんね。さて今日も遠方よりお客様が訪ねて来てくださいました。墨蹟制作の合間の楽しい時間となったようです。友峰和尚より

酒井様と ご友人とともに

第2019話

2019-02-27

「 禅 ○△□ 」

2019年の第2019話になった今日の「ちょっといい話」、偶然か必然かは知らねども「アートサクレ展覧会」の特別個展メイン墨蹟が仕上がりました。聖ピエール教会正面ステージに展示する禅の書で、写真の如く「禅  一円相、三角、四角図」です。一円相は宇宙の無限を現し、三角は坐禅瞑想を現し、四角は俗世間を現すものですが、如何でしょうか? 早速に表具をしてフランスに送りたいと思っています。そのほかにも数点書きましたが良い墨蹟が書けたと思います。

「 空  行雲流水 」 渓仙 書

 

「 武 一即一切 」  渓仙 書

 

「 道 吾道一以貫之 」

今日は寳勝寺で書きましたが、次回は大安禅寺のアトリエで更にステージアップさせたものを制作したいと願っています。またオブジェも考案しており、現在、越前和紙作家・長田和也氏に漉いてもらっています。

 

利休梅 の 芽吹き  / 寳勝寺境内にて

さて、午前中にはふれあいパーク霊苑での墳墓開眼供養が行われましたが、3月の御彼岸会を目前にして墓参の方も増えて参りました。家族お揃いでの墓参の姿に安堵する今日この頃です。我々は神仏と共に生かされていることに感謝しつつ、御彼岸会を迎えたいと思います。友峰和尚より

第2018話

2019-02-26

戦闘開始!! フランス・サンリス市「アートサクレ展覧会」特別個展に向け、本格的に墨跡制作に入りました。まだまだ助走の段階ですが少しずつペースを整え「なり切る、捨てきる、思い切る」の「三位一体」の心境に近づけていきたいと念じています。3月24日(日)には大安禅寺での事前発表会を予定をしていますが、それまでに何点か公開したいと思っています。

今日はイメージトレーニングを兼ねて大書を試みましたが、まずまずの感覚を得ました。筆と、紙と、墨と、自己と、一体になるまで「なり切る」練習が大切です。本堂内に擦りたての墨の匂いが漂うと同時に、越前和紙のみつまた・雁皮・楮(こうぞ)の匂いが入り交じって否が応でもやる気が出ました。明日も引き続き終日墨蹟制作に全力を投じたいと願っています。どうか皆様の応援宜しくお願いします!頑張るぞ!! 友峰和尚より

第2017話

2019-02-25

寳勝寺の本尊仏にお供えされた金魚草が生き生きとして花びらを広げていました。まるで色とりどりの可愛い金魚が沢山泳いでいるかのようです。金魚草の花言葉が「おしゃべり」ですから祖霊の方々とお話しされているに違いありません! 今日は暖かい日和となったのできっと春の訪れを話題にしているのでしょうね。

この金魚草は、東京都在住のお檀家・額様が御彼岸会ということでお届けくださり本当にありがとうございました。寳勝寺に兼務住職して八年目を迎えていますが、多くの方々のご法縁を得て堂内はいつも賑わっています。

 

「一期一会」 渓仙 書

「道 一以貫之」 渓仙 書

さてフランスでの個展も迫って来ました! 現場より墨蹟を送付して欲しいとの要請に応じて毎日制作に取り組んでいます。昨日も越前和紙作家・長田和也氏にオブジェ用の和紙を漉いて頂くようお願いしました。

 

「行雲流水」 渓仙 書

「道」 渓仙 書

納得のいく禅書が完成するのには、いま少し時間がいるようです。締め切りギリギリまで「孤軍奮闘努力せよ!」です。完成したら、ブログで縷々公開していきたいと思います。頑張りましょう!! 友峰和尚より

㈱ココ・プランニング 中本大資社長、㈱エムエムシー 大竹将人社長 と ともに

 

第2016話

2019-02-24

一体どうなってしまったのでしょうか? 昨年の北陸地方は豪雪で苦しめれた毎日でしたが、今年はポカポカ陽気でまるで春のようです。雪が無いのは助かりますが喜んでばかりはおれません! 花菖蒲園の雑草が早くも芽を出し、このままでは菖蒲の開花も相当早まるのではないかという心配があります。降雪の無い分、谷水の減少も花にとっては問題です。色々と心配の絶えない異常気象ですが、これからはズギ花粉や黄砂、そしてpm2.5も健康被害として問題になって来ます。

そんな心配をよそに、午前中には坐禅会員の小林さんが「命名書」を受け取りに来られました。住職の仕事は多義に渡りますが、新生児の名前を付けたり命名書を作成することも大切な法務の仕事です。今日は2番目のお孫さんの命名書をお渡ししました。生まれた子供にとって、「名前」の縁起と「命名書」が有る事はとても嬉しいことです。

今日は良いことが続きました。愛知県一宮市にお住まいの奥村様が、沢山の手作り野菜を届けてくださいました! 写真の如く、丸々と太った立派な大根や丁寧に加工された切り干し大根ほか沢山の野菜を頂きました。

本当に遠いところお届け頂き、感謝の言葉もありません。彼岸会にお供えしたいと思います。多くの方々とのご法縁をつくづく有り難く思う毎日です。本当にありがとうございました。友峰和尚より

 

第2015話

2019-02-23

藤田通麿総代様とともに

素晴らしいお天気となりました! 午前中に地元県議会議員の選挙事務所開きのため出席しましたが、深々と冷え込む中での神事でした。今年は「選挙の年」と言われるほど、4月を皮切りに知事・県議会議員・市長・市議会議員・参議院議員選挙が行われ、また衆議院解散総選挙も叫ばれる中での選挙戦が繰り広げられます。

和尚も挨拶に立ちましたが、その席上、今日は皇太子殿下のお誕生日ということで殿下が以前に詠まれた和歌を披露させて頂きました。その歌とは「大空に 舞い立つ鶴(たづ)の群(むれ)眺む 幼な日よりの 我が夢かなう」という和歌で、大変感動したものです。ちょうど御結婚される前の年だったと思います。人生には夢・希望・志が大切ですが、なかなか叶うものでは有りません。少なからず「志」はいつまでも保ち続けたいと思っています。事務所開きも無事終え、出席していた同級生の北 定(きたさだむ)さんが「いまから蕎麦を打つので是非来てください」との事で、藤田通麿氏とともに宮ノ下公民館を訪ねました。

宮ノ下公民館(福井市島山梨子町) 蕎麦打ち講習会のようす

 

北さんの蕎麦打ちを見学しました

北さんは長年に渡り公民館で蕎麦打ちの講習会を開いているとか。蕎麦打ちを見学させてもらった後、地元関係者の方々と御馳走になりました。実に見事な御蕎麦でした! 大変ご馳走になり有り難うございました。それにしても選挙事務所開きに蕎麦の御馳走とは、どうやら「しっかりこねて 細く長く 粘り強く戦え」との啓示だったのかもしれませんね。友峰和尚より

第2014話

2019-02-22

乙女椿 / 宝勝寺玄関にて

昨晩は今年最初の木曜坐禅会が開かれ5名が参加されました。1月には寳勝寺で坐禅会員主催の炉開きを兼ねたお茶会を開く予定でしたが和尚の急用で中止となったため、昨晩が今年初めての坐禅会となりました。

 

平成31年2月度 木曜坐禅会

昨年は大雪の中での坐禅会でしたが、今年は雪も無く比較的暖かい堂中での坐禅でした。初めて参加された地元大学生の前田君でしたが、なかなかどうして坐禅体験が初めてとは思えないほど堂々とした座りっぷりには感心しました。おまけに「結跏趺坐(けっかふざ)」で両足をしっかり組んでの坐相は立派なものでした。

 

近年、禅ブームとはいえ実際に坐禅を希望する若者は減少傾向にあり、誠に残念に思うものです。日本古来の伝統文化である茶道や華道に於いても若年層の入門が激減している原因が正座(せいざ)に有ると言いますから、坐禅ともなれば尚更の事です。もちろん椅子を使っての坐禅方法も有りますが、やはりしっかり座布団の上で坐相を整えて座る方がベストです。幸い「ヨガ」による健康法が若者に人気が有る為、今後はヨガと坐禅をコラボしながら参加者を増やしていくのも一つの手段かも知れません。

坐禅後の新年茶礼にて

坐禅終了後に全員で新年茶話会をしましたが、会員皆様の生き生きとした姿が印象に残った初坐禅会でした。人生道に楽の道などひとつも有りません! 忍の一字こそ一生安寧の道だと思います。皆様には是非坐禅にトライして欲しいと願っています。坐禅に来たれ!! 友峰和尚より

第2013話

2019-02-21

4月21日よりフランス・サンリス市で開催される「アートサクレ展覧会」に出展するアーティストの応募が200名を越え、作品数は500点に及んでいるとの連絡が入りますます緊張してきました。作品を応募された方の御国はフランスを始めアメリカ、インド、中国、韓国、日本ほか数ヶ国に上るそうですが、和尚は日本の禅僧として招待されており、禅書を公開する場所も聖ピエール教会の正面舞台上ということなので、今日は構想とともに実際に数点書いてみました。

 

国が違えば生活習慣や宗教に対しての受け取り方も異なるため、開催国と融合する作品の文言を選ぶことも重要かと思います。展覧会では墨蹟の大書も予定されており、近日リハーサルを兼ねて大書を試みたいと思っています。また同時に野口翠智先生も生け花パフォーマンスをされるため、その言葉に「無一物中無尽蔵 花有り月有り楼台有り」の禅語を選んでみました。いまや「禅(ぜん)」という言葉はヨーロッパ中に浸透しているだけに、書道を通して如何に禅の端的を現すことが出来るかが課題のようです。

 

「一樹春風有両般  南枝向暖北枝寒」

 

 

さて一服しているところに福邦銀行金沢支店行員の舟橋さんが来寺され、一緒に茶礼をしました。和尚のブログを読んでくださっているとの事で大変嬉しく思っています。なんでもない日常の生活を心の赴くがままに綴っているのですが、「喫茶喫飯是れ道」という禅語の如くあるがままの自然体で有りたいと常に願うとともに、和尚の「ちょっといい話」が皆様にとっても「いい話」で有る事を念じています。友峰和尚より

第2012話

2019-02-20

朝方から小雨模様となりましたが、この時期としては気温も高くもはや雪国の雰囲気など何処にも有りません。北陸地方は昨年の気候とは真反対の気象状況で、過ごしやすい毎日となっています。

 

「 無一物中無尽蔵 」

まもなく春季彼岸会を迎えようとしていますが、「墓じまい」が急速に進む今日の社会の中で如何に祖先の恩、父母の恩に対しての供養の大切さを説いていくかが課題となっています。春季彼岸会では祖霊供養を行じ法話を通して伝えていきたいと思っています。

 

「 明歴々 露堂々 」

さて、今日も達磨図や茶碗図をたくさん描きました。大安禅寺重文諸堂の修理工事が始まりますと同時に修復募財勧募も始まります。募財の御礼品として今後も色々な色紙を描いて差し上げたいと思っています。「俺がやらねば誰がやる、今やらねばいつ出来る」の気持ちでコツコツと頑張って描いて参りましょ! 友峰和尚より

第2011話

2019-02-19

境内を散策した後、堂内を一周すると南庭よりほのかに新芽をふく早春の匂いが漂って来ました!思わず「春だ!」「春が来た!」って胸を膨らませました。毎年経験する春の到来を感じる瞬間ですが、何度経験しても嬉しいものです。

金沢に移動するときは必ず寺を一周して安全を確かめるのですが、やはり五感が連動し、危険を感知します。谷川の水の音や風の音にも異変を感じる事が出来るのは、長年その場所で生活して来た者だけが体得する特別な能力なのかもしれません。

今日も谷川の水の流れの音から異変を察知し、さっそく世話方さんに修復をお願いしました。どのような難事も初期対応が事を速やかに解決に導いてくれるものです。「挙一明三(こいちみょうさん)」という禅語が有りますが、まさしく四角の一角を見るだけで後の三角を理解するようなもので、平易に言えば「一を聞いて十を知る」という事でしょうか。油断は禁物です。「平常心」とは常に自然と一体になっていることだと強く思うものです。友峰和尚より

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