4月, 2018年

第1716話

2018-04-30

 

四月も今日で終わり、明日から五月皐月(さつき)に入ります。大型連休中、多くの観光客で賑わいを見せている金沢市内。卑山にも旅疲れの休息を求めて午前中からカフェ利用者が次々に訪れていました。穏やかでほんのり暖かくしのぎやすい気候の本日は、お檀家様の中陰忌ご法要に出掛けました。法要を無事に済ませての帰り際にご当主に呼び止められ、「和尚さんにきっと喜んで頂けるものと思って取っておきました。」と、良寛和尚の肖像画に自作の漢詩が書かれた額を頂きました。今日もまた「有り難し」の始まりでした。

漢詩は良寛和尚の詩で「青山前与後(せいざんまえとうしろ)白雲西又東(はくうんにしまたひがしす)縦有経過客(たといけいかのきゃくありとも)消息応難通(しょうそくつうじがたかるべし)」と書かれています。その意味は、「私がいる所は前後に山が有り、白雲が西から東へ悠々と流れている。たとえ草庵に立ち寄る客が有っても、私のことなど知る由もないであろう」というもの。実に良寛和尚の「安閑無事」の心境を現わすもので、大変気に入っています。さっそく寺内に飾ってお披露目したいと思っています。ちなみに作者は「粛粲寳(しゅくさんほう)」の石版画です。この作品の他にも、「良寛さまの春夏秋冬」という石版画も頂きました。今日は和尚にとっての「たいへん嬉しい話」でした。

寺カフェスタッフ 作品鑑賞中のようす

明日から五月を迎えますが、暦の「皐月」名の如く旬の色鮮やかな作物が次々に登場し、食を預かる和尚にとって有り難い月に入ります、新鮮な食材を使って美味しいお料理を作ってみたいと思います。友峰和尚より

第1715話

2018-04-29

茶道裏千家 淡交会 石川青年部教養委員会 坐禅研修のようす / 少林寺にて

大型連休2日目、今日は「昭和の日」で、朝一番に国旗を掲揚し柏手を打って祝日を祝いました。連休とは言え法務は通常通り遂行され、午前中には少林寺お檀家様の月諷経、引き続き霊苑での法要、午後からは少林寺での坐禅修練指導と休息の間もなく一日を終了しました。有り難し!有り難し!「一期一会」の禅語の如く、一所懸命にひとつひとつの法務を丁寧に実行しましたが、多くの出会いがまた多くの法縁を結んでいくようです。有り難し!

 

初夏のふれあいパーク霊苑にて 御供養のようす

昨日は所用で外出しましたが、タクシーで寺に戻る車中、行き先の寳勝寺を告げると運転手さんが申すのに「寶勝寺には福井の大安禅寺から住職が来られているそうですね?。私は大安禅寺が好きで、和尚さんの法話を何度も聞きました。参拝記念に、和尚さんの達磨色紙も持っています!」との事。思わず「私がその大安禅寺の住職です。」と言ったところ、「声を聴いて、そうだと思いました。」 つくづく、縁の不可思議さを感じ取ったものでした。「今度は是非、寺カフェに休息に来て下さい。」「はい、有り難うございます!」・・・出会い ふれあい 和み合い ゆくゆくお互い 拝み合い の和尚の法話キャッチフレーズそのままに、所が変わっても人々との法縁は限りなく結ばれていくようです。さて、寳勝寺 寺カフェは終日お客様の笑顔で賑わいを見せましたが、大型連休はまだ始まったばかり。どうか皆様ごゆっくりと休息ください。友峰和尚より

第1714話

2018-04-28

四月度 木曜坐禅会にて / 寳勝寺 御内陣

寳勝寺で坐禅会を立ち上げて丸三年になり、毎月第三木曜日の夕刻六時半より始まり、九時に終わります。一昨日は八名が参加されましたが、この時期の坐禅は実に気持ちが良くゆったりした気分になるものです。なぜかと言えば、木々の若芽の成長に似て人間もどうやら同じリズムで気持ちをリフレッシュさせるような気がします。

 

現在は毎月一回のペースで開催されていますが、和尚自身はほとんど毎日坐るよう心がけています。「ヨガ」がブームのようですが、ヨガはいわゆる坐禅の前のストレッチ的役目を持っているように思います。ひとたび坐を組めば動くことは許されず、不動心、不退転の心境で黙々と坐禅三昧の禅定の境地を目指します。

作法などを 指導しているところ

坐禅後の茶礼にて /  曹洞宗寺院でも参禅されている方から お話を伺っているようす

古来より「何にも思わぬは仏の稽古なり」と言い伝えられるが如く、坐禅は「無心無我」の境地を体得するところにその目的を有します。ひとたび無心の境地を体得すれば、それで無事円成となります。どっこい、そう簡単には手に入れることが難しい境地だからこその日々の坐禅修練が必須となりますね。

本日午後 中本社長様 大竹社長様とともに

さて、「無心」の境地をいったい何に使うのか? 言わずと知れた日々の仕事の中に活かされてこその坐禅です。「いらっしやいませ!」「有り難うございました!」「お気を付けて!」 寺カフェスタッフの丁寧で元気な声が飛び交う清々しい一日となったようです。友峰和尚より

 

第1713話

2018-04-27

今日もお客様から言われてしまいました。石川県の谷本知事さんに和尚がよく似ているのだそうで、これまでにも何度も何度も地元の方から言われましたから最近では「知事とは親戚です。」と言っています。以前、谷本知事にお会いしてお話させて頂いたことがありますが、この世には自分のそっくりさんが三人いるそうですから大変親しみを感じたものでした。

霊苑の緑

さて、明日からは大型連休に入りますが、嵐の前の静けさとは今日のような状況を言うのであろうと感じました。忙しいでも暇でもない、実に中途半端な人の流れでした。明日からはきっと人の波がどっと押し寄せて来るに違いありません。油断は禁物です!早朝より台所や執務室の整理整頓に取り掛かりましたが、午前中にはふれあいパーク霊苑での法要も予定されていたため結局午後にずれ込み、おまけに重い荷物ばかり持ったためいっぺんに腰を痛めてダウン! これでは明日からの台所加担もままならない様相になってしまいました。腰の養生をするやら来客者に対応するやらで一日があっという間に過ぎてしまいました。

本日の御供養のようす

たくさんの薔薇のつぼみ

 

夕刻には石川県観光戦略推進部の方々が寺カフェの視察に来寺され、石川県の県外観光客誘致「やる気度」を感じ取ったものでした。公共機関をはじめ多くの各種観光関係団体の支援には本当に感謝しています。少しでもお手伝いできれば幸いです。さあ、明日からは元気いっぱい頑張って働きたいと気を引き締めています。皆様も是非ご来寺ください! 友峰和尚より

第1712話

2018-04-26

やまつつじ / ふれあいパーク霊苑にて 

28日より始まる大型連休を目前にして、本日は連休中のカフェ用必需品の買い出しに行きました。和尚にとって買い物は大の苦手で、出来ることならインターネットで注文したい気持ちに駆られるものです。残念ながら、今時の若者のようにネット通販を自由自在にこなすことが出来ませんから、最早あきらめの境地で出発しました。

ふたりしずか / 寳勝寺 山門

とにかく物が増えていきますから整理棚の設置が重要で、台所の徹底した整理整頓が連休中の慌ただしさから解放される唯一の方策です。大安禅寺の台所と違って寳勝寺の台所は実に狭く、ひと工夫もふた工夫もしなければ寺カフェの混雑時には職員がお互いにガチンコしそうなほどです。金沢市内の観光名所は依然として国内外からの観光客で賑わっており一向に減少するような気配が無いだけに、しっかりとした前準備が連休中をスムーズに運営するキーワードとなっています。和尚も裏方でお手伝いに入る予定をしていますが、最近は訪問客も多い為どこまでお手伝いできるか心配です。

傳燈寺 山の筍

さて、本日は傳燈寺に出向き、寺内のお掃除をしました。帰り際に西川町会長様の御宅へ御挨拶に寄ったところ、さっそく立派な筍を掘って来て下さり、故郷を一辺に感じさせてくれました。明日の夕飯には筍の煮物を作ってみたいと思います。傳燈寺の筍の味は如何! 友峰和尚より

やぶでまり / 傳燈寺にて

第1711話

2018-04-25

定家かずら の つぼみ / 寳勝寺 式台玄関にて

四月も矢の如く過ぎて行き、まもなく五月「皐月」を迎えます。「光陰矢の如し 時人を待たず」で、加齢と共に月日の過ぎゆく速さも加速しているかのように錯覚するものです。尚更の事、一日一日を大切に無駄なく過ごさねばなりません。今日は来客応対に終始した一日となりましたが、不思議なもので人とのご縁とはどうやら集中してくるようです。どのお客様も長年ご厚誼を頂いている方ばかりで、金沢に居を変えても法縁はずっと繋がっているようです。

福井窯業株式会社 近藤社長様とともに

午前中のお客様は福井窯業㈱の近藤社長様で、この度新しく「㈱ふくいブルー」という会社を設立されたとのことで御挨拶に来られました。この会社は福井の名石「笏谷石(しゃくだにいし)」を装飾品として開発した会社だそうで、和尚もこれまでにその作品を頂きました。笏谷石独特の淡いブルーの色合いが特徴で大変気に入っています。作品は大安禅寺に有る為、またの機会に紹介したいと思います。午後からもお客様が続き、まさに「広長舌(こうちょうぜつ)」の一日でした。

寳勝寺檀信徒の北條様と 杉本様とともに

楽しい事、悲しい事、嬉しい事、辛い事、歓談の話題は様々でしたが、皆様が元気にお過ごしである事が共通点だったように思います。元気でいれば、なんでもできる! 猪木さんの言葉ながら全くその通りで、皆様それぞれの元気なお姿を拝見して和尚も元気づけられました。お互いに日々元気に頑張りましょうの言葉を交わしお開きとなりました。ブログをお読み頂いている皆様! 元気にお過ごしくださいね。友峰和尚より

ふくいブルー 笏谷石(しゃくだにいし)の水盤 茶器

画像は福井窯業㈱様のホームページからお借りしました

第1710話

2018-04-24

 

寺カフェの模様替え

自分の人生を振り返ってみると、ずいぶんと美術部門に関わって来たような気がします。小さい時より絵を描くのが好きで、最初は水彩絵の具を使っていましたが、高校の時は美術部に属し油絵なども描いていました。今は専ら墨が中心で、禅画や墨蹟に力を入れています。また造詣デザインやインテリアのコーディネートなども好きですから、寺内、特に寺カフェの設えにはかなりこだわりを持って、家具の調度品の色合いから配置に至るまで色々吟味しています。時折お客様から室内の雰囲気などを褒められると、大村崑さんでは有りませんが俄然メガネが下がる思いです。

昨日は終日会議だったため、本日は疲れた脳を休息させるためにも寺内の飾り替えをしてみました。まもなく五月端午の節句を迎えるので、子供の成長を願う縁起物の兜や鯉のぼりを飾ってみました。また先日には、茶室の座布団カバーを夏用にと高倉さんが作ってくれ、部屋がとっても涼しげな雰囲気となりました。ちょっとした模様替えでずいぶんと室内の雰囲気が変わるものです。勿論の事、一番変わるのは自分の気持ちですから、実に楽しい気分になるものです。

「風光日々新たなり」 「薫風南より来る」

玄関や居間に活けられた生け花も重要な役割を担っています。日本文化のデリケートな精神面がお客様に理解された時ほど嬉しい瞬間はありませんね。初夏を迎えて、心も思いっきりリフレッシユしていきたいものです。友峰和尚より

第1709話

2018-04-23

臨済宗妙心寺派 滋賀北陸教区公職者会議 監査のようす / 大安禅寺 応接室にて

全国的に気温も上昇し、暖かく穏やかな一日となりました。本日は午後1時より、卑山にて「滋賀北陸教区公職者会議」が開催され、本年度の行事予定などを協議しました。それにしてもこの時期の黄砂や花粉には本当に悩まされます。ニュースではPM2.5公害も深刻な状況だとか。これだけ空気が汚染されては、外に出るのも億劫になってしまいそうです。新緑の美しい時期だけに残念ですね。

臨済宗妙心寺派 滋賀北陸教区公職者会議 / 大安禅寺 書院にて

さて、会議の方は順調に進められましたが、少子高齢化社会に於ける人口減少によって寺院の運営にも大きな影響が出始めているようで、広範囲に渡って討議が行われました。臨済宗妙心寺派滋賀北陸教区は、滋賀県・福井県・石川県の三県で構成されており、1年に2回開催される役職者会は各部間の大切なコミュニケーションの場でもあります。和尚は教区宗務所長を拝命して5年目を迎え、本山での協議にも出席している関係で、教区役職者の皆様に綿密な情報を伝達することが重要な役割となっています。

雪害修復工事 の ようす / 大安禅寺 宝蔵館にて

開山堂 渡り廊下の修復工事

バラ園の整備

クレマチスのつぼみ

会議の間にも雪害復旧工事が進められ、また庭園の整備も同時に行われ、全山が復興の中にあり気の抜けない状況が続いていきます。「ちょっといい事、もっといい事、もっともっといい事」、一日を通しても沢山あります。じっとしている事が一番いけない事なのかも知れませんね。早朝に先代住職(父)並びに先代寺庭(母)の年忌、月命日法要を営みました。歳を経るごとに両親への報恩菩提の気持ちが深まる今日この頃です。南無観世音菩薩 友峰和尚より

 

第1708話

2018-04-22

紅椿 さつき 瓢箪木

 

一日を振り返ってみて必ず心に思う言葉は「ありがとう おかげさま」で、ほかに言葉は見当たりません。和尚の母がつねづね口にした言葉も、「有り難う」のひと言でした。「有り難う」とは「今ある事が難しい」という意味で、言い換えれば無事であることを喜ぶ言葉です。

 

春麗らかな ふれあいパーク霊苑の風景

咲き揃う アジュガの花々

 

今日は母の祥月命日で九十二歳の人生を全うしたわけですが、実に素晴らしい母であったと感謝の気持ちでいっぱいになります。現在は妻が暁鐘を撞いていますが、以前は母が担当しており、鐘を撞き終わると必ず卑山鎮守堂に向かって柏手を打ち深く合掌をしていた姿を思い出します。和尚も、母に習っていつの間にか暁鐘を撞いた後は同じく柏手を打ってお祈りしています。明日は父の月命日ですが、父と母の命日が一日違いということも不思議な気がします。

 

霊苑での ご供養が営まれました

 

さて、本日はふれあいパーク霊苑での法要が営まれました。先祖の恩、父母の恩を忘れないように、日々感謝の気持ちの中で供養できる事に深い仏縁を思うものです。友峰和尚より

京都香老舗 松栄堂さまとともに

第1707話

2018-04-21

青々と萌え始めた苔

長野県木曽郡 臨済宗妙心寺派各寺院への長い長い春季定期巡教を終え、本日夜半には新命副住職が帰寺予定ということで、午前中の「生き生き法話」には尚更集中して副住職の代役を果たしました。新命には本当にご苦労様でしたと労いの言葉を掛けたいと思います。近年の各寺院に於ける布教活動も、少子高齢化の影響からか大変難しくなっています。とは言え寺にじっとしていてはますます寺離れが加速する一方ですから、昔のスタイルに戻って積極的かつダイナミックに仏法の神髄を伝道して欲しいものです。

本日の生き生き法話にて

「辻説法」と言って、場所を問わずあらゆる街頭に立って説法した時代が有ります。全国に約7万4千もの寺院が有りますが、江戸時代に幕府より「檀家制度」を施行されてからは、次第にお寺の中での説法に変わっていったようです。近年、集会場を始めとする多くの葬祭場や会館が増えるにつれ極端な「寺離れ」が進んでおり、妙心寺としても高等布教師による全国巡教に特に力を入れています。さて、今日の「生き生き法話」のお客様は大阪からで、チョコレート菓子を製造する会社の社員の皆様でした。和尚もこのところはスポットでの法話となっていますが、お客様の笑顔が何より嬉しいですね。

平安時代作造と伝わる 大日如来座像を拝観される皆様

幕末の歌人 橘 曙覧(たちばなあけみ)の子孫の方々 子孫会の打ち合わせです

雪害修復工事が続いています

明日からは金沢寳勝寺、少林寺、傳燈寺での法務活動です。初夏の風を感じながらの法務遂行は実に軽快! ありがとう!おかげさま!の感謝の気持ちで頑張ります。友峰和尚より

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