4月, 2018年

第1706話

2018-04-20

掃除三昧

気温がぐんと上がり、身体を少し動かすだけで汗が滴り落ちていきます。この時期の外掃除ほど痛快なものは有りません。冬場の地面にこびりついた落ち葉を剥ぐように竹箒を使って掃くのですが、掃いた後から緑色の杉苔が顔を出す様には感動するものです。なにしろ広い広い境内ですから掃除も簡単ではないだけに作戦が必要で、掃除場所の順番がキーワードとなります。また、山のように積みあがった杉葉を一気に燃やすときに立ち上る煙は自己の煩悩を燃やし尽くすかのように爽快です。子供の頃は立ちのぼる煙と戯れながら兄弟で忍者遊びをしたものでした。次々に訪れる訪問客を横目に、煙の如くモクモクと外掃除三昧!

大安禅寺 世話方さん

開山堂渡り廊下 雪害修復工事のようす

午前中には卑山上田責任役員総代ご夫妻を訪ね、日頃のご無沙汰を謝し久しぶりに長時間歓談しましたが、いつもながらの深いご理解と温かいご厚情には感謝申し上げる次第です。寺に戻れば孫が嫁に連れられて駐車場に設置された水車のオブジェで遊んでおり実に長閑な風景でした。禅語に「一日清閑一日福(いちじつせいかん いちじつふく)」と有りますように、心の安らかなことほど有り難く感じるものは有りません。上田総代御夫妻との和やかな会話の時間が一日の幸せを覚えた自坊でのひと時となりました。友峰和尚より

第1705話

2018-04-19

大安禅寺 雪害修復工事が行われています

メンテナンスとは「保守・管理・整備・維持」で身体に於ける日々の補強が欠かせない今日この頃、一昨日は膝関節の痛みから歩行が困難になり急遽整形外科を訪ねたのですが、先生の治療が余程効いたのか、今ではすっかり正座も出来るほどに見事な回復を遂げました。

昔の自分では到底考えられないくらい、身体のあちこちに故障が生じて来るのは和尚だけの現象では有りません。言い換えれば、年齢的にも実にマニュアル通りだと思いますから、日頃からのきめ細やかなメンテナンスが必要だということです。レントゲン映像による先生の診察所見によれば「問題ない」との事でしたが、やはり運動不足から来る老化現象に違い有りませんね。

さて今日は自坊に戻って現在進行中の雪害復興修復工事の現場視察と工事打ち合わせをしました。こちらは建造物のメンテナンスです。この世の全てのものはメンテナンスなくして後世に伝えて行くことなど不可能な話です。そこで皆さん!身体のメンテナンスは「善は急げ」だと思います。愚図愚図していると手遅れ状態になってしまいますから、身体のどこかに違和感を覚えたらすぐに検診しましょう。「笑う門には福来る!痛む身体にホスピタル!」ですね。身体の不自由さを感じるにつれ、歩けること、物を持つことが出来ること、話せること等々、本当に有り難いことです。当たり前のように思っていた事が当たり前でなかったとつくづく反省する毎日です。友峰和尚より

第1704話

2018-04-18

暖かい朝を迎えましたが、皆様お元気にお過ごしでしょうか? 昨日は膝に激痛が走り、慌てて川北病院を訪ね治療して頂いたおかげで今日はすっかり痛みも取れ安心しました。もっと早く病院へ行けばよかったと反省です。身体のどこかに痛みがあると、心もどこか憂鬱になるものです。健康ほど大切なものは有りませんね。

さて、朝一番に、お抹茶の点前指導をしました。加藤さんから前々より依頼されていたお抹茶の点て方について、簡単な「盆略点前(ぼんりゃくてまえ)」を披露し説明しました。和尚が茶道の御点前を習ったのは遠い遠い昔の海清寺専門道場での修行時代で、最早ほとんど記憶から遠ざかっていましたが、今回はその当時を思い出しながらの指導でした。禅寺と茶道は切っても切れない関係に有りますから、お抹茶の点て方については熟知しておりますが、指導となると話は別です。

なんとか指導の方はクリアしたようで、加藤さんも今後はきっと美味しいお抹茶をお友達に提供できること間違いなしですね。めでたしめでたし。夕刻には、今月二十九日に兼務寺院・少林寺で行われる「茶道裏千家淡交会・石川県青年部教養委員会 坐禅茶道研修」の現場視察ということで、事務局の方々を少林寺へ案内しました。こちらは本物です。少しずつながら少林寺でもお寺を活用しています。

少林寺 奥様 と 事務局の方とともに

今日は本多町・瑞光寺も合わせて法務で出向きましたが、初夏を迎えて次第に活動も活発になって来たようです。友峰和尚より

第1703話

2018-04-17

火曜日は休寺日で寺カフェも休業、今年の冬は毎日除雪に追われ膝関節が炎症を起こし坐禅が出来なくなって来たため、いつもお世話になっている川北病院(整形外科)を訪ねました。おそらく皆様の中にも除雪で膝や肩を痛め、通院を余儀なくされている方も多い事と思います。今頃になって膝がズキズキ痛み、就寝中には激痛に襲われる始末!すわ一大事ということで、本日は川北先生に詳しく診察して頂きました。

とっても優しく物腰の柔らかな「ベン・ケーシー」を思わせるダンディな川北先生、対面すると痛みもどこかへ飛んで行きました! とは言え、寺へ帰れば元に戻ってしまうわけですから、しっかりとお薬を処方して頂き、万全を期しました。近くに整形外科病院が有る事を心から有り難く感じた次第です。

休寺日の寺内は全くに静まり返り、気分爽快で部屋の大掃除をしましたが、溜まり溜まった書類の整理には閉口してしまいました。そんな最中にも大安禅寺からは職員より色々な情報が刻々と伝えられて来ます。昨年のこの時期のブログを懐かしく振り返りながら、新たな境地を模索しています。自坊では6月2日より開催される「花菖蒲祭」の準備が着々と進められており、妻が手掛ける薔薇園の花のつぼみも日々すくすくと成長しているようです。金沢までお花の香りが漂ってくるような気がしてきた今日この頃です。友峰和尚より

第1702話

2018-04-16

あけびの新緑 / 寳勝寺にて

近年の若者達のファッション感覚には目を見張るものが有ります。和尚の青春時代などは「ファッション」とか「おしゃれ」という言葉も知らないほど関心が有りませんでした。と言うよりきっとお金が無かったからなのかも知れません。JR金沢駅構内のお店には所狭しと素敵な洋服が陳列されており、そのデザインや機能性には心を惹かれるものです。今少し若かったら、和尚も今時の若者みたいに目いっぱいおしゃれをして街に出掛けてみたいものですね。本当にうらやましい限りです。

 僧侶は衣姿(ころもすがた)が一番だと思いますが、近年の青年僧の方々は洋服の着こなしも上手で、法要などを終え普段着に着替えて帰寺する時の姿はまるで服飾雑誌から飛び出て来たかの如くおしゃれで、とってもダンディーな姿には圧倒されてしまいます。でもいいですね! 昔では考えられない事でした。和尚など道中着は衣か作務衣でしたが、最近では洋服も着るようにしています。普段は衣姿なので、道中で知人と出会ってもなかなか和尚とわかってもらえないことが多々あります。それくらい僧侶と黒衣は一体のものと捉えられているようです。

着物姿の若者達 / 寺カフェにて

時代と共に服装も価値観も変化して行きます。子供の頃は着物姿の方を多く見かけましたが、今日ではさすがに殆んどの方が洋服になっています。いま、金沢では若者達が着物姿で観光地巡りをしている姿を多く見かけますが実にホッコリするものです。いつの時代も、ファッションは若者達の一番の専権事項となっているようです。友峰和尚より

第1701話

2018-04-15

外国人観光客の 坐禅体験観光コース

青葉若葉の初々しさが目に染み入るような爽やかな朝を迎えました。雨上がりの境内の風景は格別です。本堂の本尊佛を始め歴代の祖師位牌並びに両親の位牌、檀信徒各各祖霊位牌にお香を供え、朝のご挨拶とともに心の安心に感謝申し上げる時間は、和尚にとって至福のひと時でも有ります。

「無事是貴人(ぶじこれきにん)」 この禅語に於ける「貴人」を「無事是無事の人」と言い換えたほうが、自分に合っているかも知れません。「無事」であることがどれほど有り難い事か、心の底から感謝するものです。されど、この「無事」さえも刹那のものですね。油断は大敵ですし、「好事も無きに如かず」だと思います。

午前中はお檀家様の年忌法要を営み、午後からは家族動物霊堂での慰霊祭と外国人観光客の坐禅体験観光コースの指導をしました。副住職が春季巡教で長野県木曽郡に出帳中の為、現在は大安禅寺にて法務を遂行しています。ここ数年、副住職に自坊の法務をほとんど任せている為か、久しぶりの自坊での法務には大変神経を使うものです。

平安時代塑造 文殊菩薩坐像 の 説明 / 坐禅修練道場 枯木堂にて

殿鐘の音色 を 披露しているところ

本堂御成の間にて 殿様 お姫様体験

午後より 大安寺家族動物霊堂 慰霊祭での法話

多くの皆様がお参りに来られます

廣岡さまとともに

後継者不足が問題視されている今日ですが、成る程、後継者がいる事をしみじみと有り難く思います。うっかりすると人間は自分が歳を取っていくことを自覚せず日々を過ごしかねません。「いつまでも 有ると思うな 親と金」若き頃、親から聞いた言葉でしたが、古稀を越えて心から納得です。一日一日、元気に法務を遂行して参りたいと願うものです。友峰和尚より

第1700話

2018-04-14

イタリアからのお客様と思っていましたら、スイスからお見えでした。一泊二日の禅寺坐禅修行体験コースの、観光も兼ねたツアーの老若男女の方々でしたが、無事に終了することが出来ました。参加された皆様にとっては、何もかもが初めて触れる禅文化体験の世界だったことと察します。夕食は心づくしの精進料理で、朝食は禅寺お決まりメニューのお粥でしたから御口に合うかちょっと心配でしたがどうしてどうして、なかなか評判が良かったようでした。本日の写経体験も難なくこなされ、漢字のお経を筆でなぞらえて立派に仕上がったようです。兎に角、一泊二日の禅寺体験を無事に終了でき、安堵しました。

昨晩の薬石(夕食)にて 心づくしの精進料理 / 大安禅寺 書院

 

朝課 (朝のお勤め)

法鼓 を 披露しているところ

 

写経体験のようす

相変わらず法務内容が毎日変化していきます。午後からは新命副住職に代わり「生き生き法話」をしました。不思議なことに、参詣下さったお客様の中には十年ぶりにお会いしたご家族、そして金沢から寳勝寺にご縁を頂いている長川さんがお母様と参詣、また金沢兼務寺院・瑞光寺総代様ご夫妻も参加されるという、「御法縁づくし」の一日となりました。

 

本日の生き生き法話にて

野間さま 御一行様とともに

長川さん と お母様とともに

それにしましても今やWi-Fiは絶対必需装備となって来ているようです。卑山では早くからWi-Fiを設置していますが、外国人の方々は大変喜ばれていました。研修中にアイフォンの「ポン!ポン!」という特有の着信音がとっても不思議な感覚でした。グローバル社会!万歳! 世界中が狭く感じた一瞬でした。友峰和尚より

宿泊坐禅研修参加者の皆様とともに

第1699話

2018-04-13

境内の草むしり / 大安禅寺本堂前庭にて

アメリカ大リーグ、エンジェルス・大谷翔平選手のショータイムが今日も続いています。走者一掃の三塁打! 彼の勢いをもう誰も止める事は出来ないようです。それにしましても大谷翔平選手の大活躍は日本国民にとっても一種のストレス解消に役立っているように思います。毎日のニュースは「モヤモヤ病」だらけですから、はっきり・すっきり・思いっきりの大谷選手のプレーには心から拍手を送りたいと思います。

開山堂通路屋根の解体修復工事

昨日に引き続き今日も全山が雪害復旧整備作業となりました。クレーン車を導入しての庭師による立ち木剪定伐採に始まり、豪雪で倒壊した開山堂通路屋根復旧工事、本堂屋根瓦並びに庫裡屋根瓦工事、愈好亭(隠寮)庭整備、境内大掃除、枯木堂竹藪整備などなどですが、本当に今回の北陸豪雪は昭和56年豪雪より更に多くの諸堂被害が見受けられ、完全な復旧には時間がかかりそうです。多くの方々からの温かいお見舞いの言葉と復興支援金を賜り、現在は懸命に復旧作業が進められています。

樹木の剪定

大安禅寺御用達 小森庭園主 末政幸憲氏です

末政氏御手製 愈好亭 庭の懸け樋

復旧状況はブログで公開していますが、この事も寺の記録として後世に残しておきたいと思うからです。来年度からは重要文化財・大安禅寺諸堂全面修復工事が開始される予定となっていますが、境内の掃除をしながらしみじみと建造物を眺めている毎日です。いつの日か完成成った諸堂の姿を瞼の奥に思い浮かべながら、精進の一歩一歩を歩んで行きたいと念じています。友峰和尚より

春の訪れです

2018-04-12

今朝の寳勝寺 式台玄関にて

穏やかな春風の吹く今朝の寳勝寺玄関前です。植物がいっせいに育ち、花々が開き、一日一日の変化に心躍るような季節がやって参りました。この時期の寺カフェには、多くの外国人旅行者の方がお見えになります。(四月中、金沢港には欧米からのたくさんのクルーズ船が寄港しているそうです。)時には外国の方で席がいっぱいになるほどですが、皆様には本当に「お寺のカフェ」を喜んで下さっている様子で、スタッフもわずかの基礎英語と笑顔で張り切って応対しています。

 

まもなく スズラン が咲き始めます

野菖蒲が成長しています

 

 

エアコンの上に、季節を告げるお客様が・・・

そして今日は、寺カフェのオープンと同時に季節を告げるお客様が舞い込んで来ました。「つばめ」であります。本堂じゅうをバタバタと往来し大騒ぎでしたが、なぜか吉兆を運んで来てくれたような、嬉しい出来事でした。

じっとこちらを見ています・・・

このあと、本堂正面の大扉から飛び去って行きました

 

 

そして最後にやはり、嬉しい出来事がありました。寺カフェのお客様からのありがたいメッセージです! 本当に嬉しいお言葉でした。長い冬が明けてまた本格的な観光シーズンがやって来ますが、今年も一年、頑張って務めて参りたいと思います。

 

中庭にひっそりと イカリソウが咲いています

第1698話

2018-04-12

庫裡屋根の雪害復旧工事のようす

お天気が良いと本当に気持ちが良いものです! 暑くも無し寒くも無し、ちょうど良い気候とは今日のような日和の事を云うのであろうと思いました。午前中から豪雪被害を受けた各屋根の修復工事が開始されホッとしています。あわせて、雪の重みでヒビが入った宝蔵館展示室の板ガラス取換工事も行われました。

宝蔵館 展示室ガラスの雪害復旧作業のようす

坐禅修練道場「枯木堂」の裏山では、豪雪とイノシシ被害で散乱した樹木や竹林の整備作業も行われ、鎮守堂周りの掃除と共に何処も彼処も懸命に雪害復旧作業が展開された一日となりました。北陸三十三ヶ所観音霊場巡礼の為、九品院(くほういん)様が岡崎市より団体で来寺されましたが、これから夏に掛けて巡礼者の参拝も増えて来ることと思われます。終日落ち葉を燃やす煙が境内に立ち込めて、初夏の到来を思わせるような雰囲気でした。

九品院(くほういん)様です

書院にて

松井建設㈱ 北陸支店 田中氏と社員の方とともに

一日一日、境内周辺の整備が進むにつれ安堵感を覚えます。越前の歴史ある古刹を維持管理し、後世に伝えていく事の厳しさと困難さをひしひしと肌で感じる中での安堵感です。明日の夕刻からは、国内観光を兼ね遥々イタリアより来福される外国人旅行者の禅寺一泊坐禅修行体験が予定されています。大安禅寺もいよいよ国際色豊かになって来たようですね! 友峰和尚より

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