和尚のちょっといい話
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まるで時間が止まっているような朝を迎えました。ここ2週間ばかり周囲の風景に目を奪われることも無く催事開催に集中していたせいか本日は境内の景色が余りに美しく感じたものです。人間はひとつの事に集中すると周りのことがよく見えなくなるのはこの事だと自覚したものです。



久しぶりの休息に戸惑う自分が愛おしくさえ感じましたが、山門に掲げられた寳勝寺のシンボル旗もそのままで片付けられる事もなく、またふれあいパーク霊苑に掲げられた五色の吹き流しも秋風に身を委ねながら悠然とたなびく姿にはとても癒されました。


寳勝寺住職としてに正式に辞令を本山より4月に拝命し早や6カ月が過ぎ去ろうとしています。仏縁に身を委ねながらの日々の法務を粛々と遂行しながら不可思議な因縁を感じ取る今日この頃となっています。時間のゆとりが出来るともういちど原点に返り仏教書や禅の公案(問答集)を吟味する自分がいますが、齢78歳を過ぎてもなお仏教書だけは手放せません。

「 無 一 物 」 前住妙心七十六老衲
師匠の言葉が一つ一つ懐かしく想い出される今日ですが、寳勝寺床の間に掛けられている「無一物」と応接間の入口に掲げられている「白雲幽石を抱く」の額の字は先代實道和尚(父)の墨蹟で書かれた時の歳が76歳とあり愕然とします。今こそ父や母に会ってゆっくり会話を交わしたいと心の底から願うものです。

「 白雲抱幽石 」 大安七十六老衲
行基菩薩が詠まれた「ほろほろと 啼く山鳥の 声聞かば 父かとぞ想う 母かとぞ想う」の和歌が和尚の心に響きます。「世の中に 一億人の 母あれど 吾が母にして 勝る母なし」の一句も身に染みるものです。父母の恩と祖先の恩に報いんが為にも人生最後まで頑張って参りたいものですね。皆様には今日も一日お健やかにお過ごしください。心よりご祈念申し上げます。友峰和尚より



