和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1362話 】
2017年 05月 11日 談

朝からいっきに気温が上がって蒸し暑い気候の中、大本山妙心寺法堂にて午前十一時より「白隠禅師二五〇年遠諱法要」が妙心寺管長様はじめ約三百名の僧侶そして約二百名の一般参詣者の見守る中、厳粛に執り行われました。法要後には微妙殿にて精進料理が振舞われましたが、白隠禅師二五〇年遠諱法要に出席できた法縁を嬉しく感じたものでした。

白隠禅師は江戸初期に出られた臨済宗の禅僧ですが、雛僧の育成に尽力された方で、特に「隻手無聲」の問答が有名です。「隻手」とは片手のことで、「無聲」とは音が鳴らないの意味ですが、その「片手の音を聴いて来い!」という禅問答なれど、常識ではなかなか難しい問題です。「両手打って音有りと、片手に何の音ありや!」ということが問題提起されています。臨済宗の僧侶になるため修行道場に入門しますと、しばらくして師匠からこの問答をもらい、答えが出るまで日夜この問題に取り組まなければならないわけですが、皆様はなんと答えますでしょうか? 本当に面白い問題だと思います。片手の音が聞こえたら、皆さん和尚にそっと教えて下さいね。

さて、その片手の主こそ自分自身に他なりません。明日から再び法務に集中して頑張って参りましょう。隻手!隻手! なにくそ!隻手! 友峰和尚より

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