和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1335話 】
2017年 04月 14日 談

このところずいぶんと暖かくなってきました。例年ですと花菖蒲園の整備は5月に入ってから始めますが、今年は2月にイノシシが園内に侵入した為、その事後処理も含めて早めの整備となっています。今日も午前中は苗の補植作業に専念しましたが、日を追うごとに身体全体の動きが鈍くなって行くのを実感し、本当に悔しい!残念!の心境です。

和尚にとっての60年は土いじりの人生そのもので、稲作に端を発し野菜作りや果物作りなども手掛け、花菖蒲園や樹木の植栽など本当にこれまで実に楽しい時間を過ごして来たように思います。されど、それもこれも丈夫な健康体で有ったからこそで、母親には本当に感謝の言葉も有りません。人間本来の資本とはお金ではなく「両手、両足」の四本の事だと和尚は思います。この四本は、手に有っては「掴む、握る、持つ、ひねる、叩く」足に有っては「踏む、歩く、蹴る、坐る」など自由自在の機能を有し実に優れものです。それらを自由自在に使いこなすの命令系統は心でありますが、こちらは今もなお「夢、希望、志」に燃えて健在です。

昨日も園内の整備をしながら、妻との会話の中で「なにが故に一所懸命にお花の世話をするのか?」という素朴な質問に対し、その答えは「見事な花をつけた時に見る一瞬の輝きと心のやすらぎを同時に覚える瞬間である」と。生きがいとは一刹那に感じるのかも知れませんね。本当はもっともっと奥深いところに真実の答えが潜んでいるのかも知れませんが、今はひたすら花のお世話をしています。まだまだこれからも整備が続きますが、身体の動く限り頑張って行きたいものです。友峰和尚より

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