和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第1677話 】
2018年 03月 22日 談

雲 板 / 大安禅寺 庫裡玄関にて

 

冷たい雨が降りしきる一日となりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 最近はスギ花粉が飛び散り花粉症に悩まされている方も多く見受けられるようで、そこにpm2.5の大気汚染予報と相まって外の空気を吸うのもままならないご時世となっています。まもなく黄砂飛来が加われば更なる健康被害が心配されます。山中に有っては花粉症が一番問題視されますが、寺の廊下の縁などは杉の花粉で真っ黄色になるくらいで、参拝者もマスクを使用しなければならず大変!大変! ですが今のところ和尚自身には影響無いようです。

 

庫裡玄関から境内を臨む

 

昨日は彼岸会法要が厳修され、明けて本日は実に静かな禅寺の風情を醸し出しています。特に庫裡玄関はピーンと張り詰めた、まるで針が頬を刺すような鋭い空気感の漂う禅寺ならではの雰囲気でした。托鉢に使用する草鞋(わらじ)や、今では見かけなくなった下駄、そして網代笠に雨合羽などがそのような空気にさせているのかも知れません。

 

 

そもそも「玄関」とは禅の言葉で、語源としては中国「老子」の「玄のまた玄なる衆の妙なる門」から由来し、「玄」は悟りの境地、「関」は入り口の意味で、「玄妙なる道に入る関門」ということで、まさしく仏門への「関所」でも有りますから無理からぬ話ですね。

 

 

和尚なども修行中は裸足で月参りは下駄でしたから、玄関に下駄が置いてあると気持ちが引き締まる思いがするものです。禅寺の玄関!入る時は合掌してから入ると気分も一新するというものです。「頼みましょう~」「ど~れ~」恐ろしや恐ろしや・・ 友峰和尚より

 

 

友峰和尚のちょっといい話 【 第1676話 】
2018年 03月 21日 談

大安禅寺御詠歌婦人部による 奉詠 / 春季彼岸会 涅槃会 御像祭 にて 

関東は雪の朝を迎えたそうで、北陸地方も冷たい雨の降る一日となりました。「暑さ寒さも彼岸まで」と昔から言われるように、気象予報によりますと明日からは暖かくなるということで本当に心待ちしています。

午前10時半より「春季彼岸会、涅槃会、御像祭」の法要が厳修されましたが、この寒さの中を多くの檀信徒の方が参詣されました。一年の内に営まれる行事が多くある中で、今日の法要は御釈迦様の涅槃会とともに、卑山開基 第四代福井藩主・松平光通公の御供養そして檀信徒各家先祖代々の祖霊供養を一堂に介して厳修される初めての試みとなりました。行事終了後には、檀信徒皆様にこの度の豪雪被害の現場視察をして頂き、その後、書院にて今後の修復の進め方や来年度1月から本格的に始まる重要文化財建造物修復工事に関する説明をさせて頂きました。檀信徒皆様の御理解と助言を頂きながら一歩一歩少しずつ事業を推進して行きたく思います。

右より 越前松平家事務所 所長様始め事務局の皆様 と 大安禅寺責任役員総代 藤田様 蒔田様

次の行事は8月15日の盂蘭盆会となりますが、その間、6月には毎年恒例の「花菖蒲祭」が予定されており、4月を迎えて園内の整備が始まろうとしています。さて、午後からは檀信徒の小林良夫様ご夫妻が豪雪被害お見舞いに来て下さり久しく歓談しました。また、地元地区で育ち、幼い頃からずっとお寺に遊びに来ていた岩佐恵里さんと奥山紗帆さんが新命副住職を訪ね来てくれました。お二人とも今年21歳になったとか! あまりの立派に成長した美しい姿に2度びっくり、しばし懐かしく歓談しました。

小林良夫様ご夫妻とともに

奥山紗帆さん と 岩佐恵里さん とともに

子供達の成長ぶりに接するのは本当に嬉しいものです。お二人とも社会人として益々活躍されんことを願っています。今日は慌ただしい一日でしたが、充実した気持ちで過ごせたようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1675話 】
2018年 03月 20日 談

涅槃団子

「朝打三千 暮打八百(ちょうださんぜん ぼだはっぴゃく)とは、言い換えれば「鉄は熱いうちに打て、愚図愚図していては人生を無駄に過ごしてしまう」の意味です。とはいうものの、さすがに自分に鞭を打ちたくてもその打つ力すらままならない現在の和尚の状況です。仕方ありませんから、自分の年齢に合わせながら仕事を進める事にしましょう。

本日も早朝から御婦人方々による「涅槃団子切り」が開始され、次々と色あざやかな可愛い模様のお団子が現れ、なんとも春を感じさせてくれました。今年からは副住職が考案した新作模様でもあり、見事な出来栄えに感心した次第です。

本日は久しぶりにアトリエでのんびりとした時間を過ごしましたが、部屋から見下ろす本堂屋根の至る所が欠損していて、瓦の至急の復旧工事が必要ながら瓦屋さんはあちこちに引っ張りだこでなかなか来てもらえず、ジレンマに陥ってしまいます。身体はのんびりでも心は穏やかでは有りません。新芽が吹けば吹くほど焦りを感じる始末、明日は「春季彼岸・涅槃・御像祭」の法要が営まれる予定ですが、しっかり厳修して力強く前進して行きたいと念じています。


最近は、時間があれば仏教書始め禅の語録を読み返しています。昔とは随分と違った心境で読み取れる自分を不思議に感じています。幾度となく唱えてきたお経の意味も再びその神髄に触れるため、本山妙心寺発行の解読書を読み下しています。特に陀羅尼(真言)に深く興味を持ち始めています。理屈抜きの陀羅尼の呪文こそ無心の境地への近道と思います。歳を重ねて行く事は陀羅尼の繰り返しなのかも知れませんね。無・無・無・無・無・・・・・皆様、明日10時半からの彼岸会に是非ご参詣下さい。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1674話 】
2018年 03月 19日 談

涅槃団子作り / 大安禅寺 庫裡にて

昔ながらの かまど に薪をくべ お米を蒸しているところ

昨日に引き続き涅槃団子(花団子)作りが早朝より開始され、正午までに無事終了しました。これまでは和尚が団子の色合わせをしていましたが、今年からは副住職と交代し、先代住職より引き継いできた花団子作りも愈々三代目への世代交代継承となったわけです。この「涅槃団子作り」がいつ頃始まったのか定かで有りませんが、最近ではあまり見かけなくなっている貴重な伝統行事ですから今後も受け継いで行って欲しいと願っています。

彩々に色づけされた団子の生地を混ぜ合わせ 延ばしているところ 

新命副住職主導のもと 花団子作りが進みました

実に素朴な手作りの「花団子」、お供えした後は「お釈迦様の恩徳を頂く」意味で参詣者に配られるわけですが、先日副住職と総代様が寒中托鉢によって地元村々の家から頂いた「托鉢米」で作った団子だけに、いっそう有り難く感じるものです。思い起こすに和尚も中学生の頃から先代住職(父親)に連れられて幾村を托鉢し、寺で使用する約一年分程の托鉢米を頂いたものでした。明日は御婦人方によって団子切りが行われます。色々な模様のお団子を見るのが本当に楽しみですね。

明日、「団子切り」が行われます

大涅槃図が掛けられました / 大安禅寺 本堂 御成りの間にて

午後からは、卑山に保存されている狩野元昭(かのうげんしょう 江戸時代の旧福井藩お抱え絵師)が描いた「大涅槃図」が掛けられ、涅槃会の準備が進められました。卑山開基・松平光通公の霊供養「御像祭」も彼岸会に合わせて厳修されるだけに、霊前のお飾りにも余念が無いようでした。毎年繰り返される年中行事ですが、時代が移り変われども昔の姿そのままに法要を営むことの意義を、「報恩謝徳」の言葉の中に見出す事が出来るようです。友峰和尚より

瓦の軒先が崩落した 御像堂

雪害箇所の確認打ち合わせが行われました / 福井市文化課の方と修復担当業者の方とともに 

長らくお世話になりました NTTの梅田氏とともに

友峰和尚のちょっといい話 【 第1673話 】
2018年 03月 18日 談

涅槃団子作りが始まりました / 大安禅寺にて

この3月21日(春分の日)に修行される春季彼岸会・涅槃会・御像祭に向けて、お供え物「涅槃団子」の下ごしらえのため早朝より檀信徒総代始め世話方、職員総出で団子こね作業に入っていました。明日は引き続き五色のお団子作りをしますが、これがなかなかの重労働で色粉を組み合わせながら色々な模様のお団子を作っていきます。

さて今日も午前中には年忌法要の為お檀家様にお伺いし、午後からは東京より㈱ココ・プランニングの中本隆久会長が来寺され楽しく懇談しました。またお檀家の大草様夫妻が豪雪被害のお見舞いに来て下さり、こちらも御礼と共に久しくお話させて頂きました。

㈱ココ・プランニング 中本隆久会長が来寺されました

本日の 生き生き法話 のようす

雪害のお見舞いに来てくださった 檀信徒の大草様ご夫妻とともに

昨日は金沢での法務に専心し、今日は自坊での法務就業と精力的に動いていますが、なんといっても大安禅寺境内を包みこむ清浄無垢の空気には圧倒されます。普段は気にも留めませんが、身体の隅々にまで浸透して行くような清涼感と同時に深い温もりさえ感じさせてくれるものです。美味しい空気とは「慈悲深い法悦を感じる」空気のことを指すのであろうと思います。皆様!卑山彼岸・涅槃・御像祭には是非御来山下さり、先祖の恩、父母の恩に感謝しつつ祖霊供養に御参詣されるとともに卑山の霊気を感じ取って頂きたく、心よりお待ち申し上げております。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1672話 】
2018年 03月 17日 談

宝勝寺のおかめ桜 いまだつぼみです

桜の開花宣言が数日内に成されるとのことですが、今日は爽やかな快晴となったものの気温はぐんと低く再び暖房器具がフル回転の一日となりました。午前中には久しぶりに「楽く楽く法話」を致しました。お客様は、和服がよくお似合いの地元「鹿西茶道教室」マドンナの皆様で楽しくお話を聞いて下さり、その後は皆様で寺カフェをご利用頂きました。法話には卑山霊苑に御縁を頂いた田中様もお母様と御一緒に参加くださり、和尚もお茶を共にしながらご挨拶させて頂きました。

本日の楽く楽く法話のようす

鹿西茶道教室の皆様 素敵な御着物姿で御参席下さいました

雪解けとともに霊苑での法要も始まり本日も午前・午後と御供養を致しましたが、法要後は寺内でお茶を頂きながらの歓談となり、次第に施主皆様との親交も深まってきたように思います。寺離れの進む今日、住職と縁者との繋がりも新しい形が求められており、古来よりの檀家制度も大切ながら今後は宗旨宗派を超えて「仏教」の本質に立ち戻り、多くの方々との自由な出会いの場を提供することが大切ですね。勿論!卑山檀信徒の方々も、以前よりずっと来寺される回数が増えて来ている事を大変嬉しく感じています。

向春の晴天のもと 御供養が行われました / 宝勝寺ふれあいパーク霊苑にて

霊苑奥の院では いよいよ 枝垂れ梅 が咲き始めました

合祀墓「宙~そら~」での御供養 春の花に囲まれて

うぐいす神楽の開花

本日は茶道教室御婦人方々の御来寺でしたので、いつの日かお茶会を催して頂くようお願いしました。先日は華道の先生、今日は茶道の先生と寳勝寺も次第に日本の伝統文化の風が吹き始めたようです。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1671話 】
2018年 03月 16日 談

ふれあいパーク霊苑 奥の院にて

ピョンチャンパラリンピックでの日本人選手の活躍ぶりが報道されるたびに、自分の不甲斐なさを感じます。親から授かった健康体を今日まで十分に活かし使って来たかと反省するばかりです。加齢とともに否応なく身体の衰えを痛感するものですが、もはや日々のストレッチが不可欠の状況にあってはいかんともしがたいジレンマが自分を襲うものです。「若い時は二度無い」、どうか青年の皆様! 大いに身体を鍛え、その身体能力を世のため人のために存分に活かし使って欲しいと願うばかりです。

佐藤様とともに

昨日から、地元金沢のテレビ局を通して「ふれあいパーク霊苑スポットCM」が流れ始めましたが、今日は㈱ココ・プランニングの中本大資社長始め霊苑関係者の方も来寺され、今後の広報スケジュールなどを聞かせてもらいました。

中本社長様と  石原さん、お母様とともに

午後からは、以前、寺カフェでお手伝いをして頂いた名古屋市在住の石原さんがお母様と来寺下さり、久しく歓談しました。お寺に御縁を頂くすべての方々との交流ほど楽しいもの有りません。皆様がそれぞれに活躍している姿を和尚は一番嬉しく思います。どうか健康に気をつけて、元気に頑張ってくださいね。またお会いしましょう! 友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1670話 】
2018年 03月 15日 談

大安禅寺 境内の残雪

このところの暖かさにもかかわらず、大安禅寺には今だに多くの残雪があり美しいお庭も荒れ放題となっています。今月21日に厳修される「春季彼岸・涅槃・御像祭」を前に、卑山副住職をはじめ職員と世話方の宮田さんが毎日懸命に雪害各所の後片付けに当たっていますが、大きな被害を受けた渡り廊下や屋根は今も無残な姿をさらけ出しており、本当に心が痛みます。かろうじて難を逃れた庭木達は、春を待ちかねたように一斉に新芽を吹き、自然の神秘を感じさせてくれています。全山の木々の緑が濃くなって行くと同時に、気持ちも次第に安らいでいくのを覚えるものです。

荒れ放題のままの中庭

昨日までは京都・大本山妙心寺での会議出席でしたが、自坊に戻って一泊し、今日は金沢に入りました。京都、福井、金沢と目まぐるしく移動するごとに、その国々に住む人々の宿命の違いを感じ取り、住む場所によって人生そのものに大きな影響を受ける事を痛感します。

宝勝寺ふれあいパーク霊苑 管理事務所にて

さて、昨日はホワイトデーということで、先月のバレンタインデーで御心を頂いた御婦人皆様に早速「心ばかり」のお品をお届けしました。成る程!このような「あったか~い日」を作ってくださった誰かさんに心から感謝したいと思います。チョコレートを頂く事もまたお返しする事も大切な「お気持ち」を表す新たな日本の文化なのかも知れませんね。沢山の御心ありがとうございました。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1669話 】
2018年 03月 14日 談

宗務所長会 最終日

今日の日中気温が22℃と一気に上昇し、京都の観光客の中には半袖の方も見受けられるほど暖かい1日となりました。あまりの気温の変化にさすがに身体がついていけず、鼻はグスグスと体調不良での会議最終日でした。

定期宗務所長会議に毎回出席しておりますが、最近では親しい仲間も増え、大切な情報交換の場となっています。「餅屋は餅屋」という言葉があるように、諸問題の解決には同じ立場の仲間の助言が最も納得し合点がいくものです。4日間に渡った会議も午前中には無事終了し、帰路につきました。

車窓よりの琵琶湖には霞がかかり、初夏を思わせるような景色がなんとも会議後の疲れを癒してくれました。恐ろしく降り続いた2月初旬の北陸豪雪のことなど、遠い過去の出来事として過ぎ去って行くようです。会議出席の前には多くの所長様より豪雪見舞いの温かい言葉を頂きましたが、いまだに痛む除雪からの関節痛のみが当時の出来事を思い出させました。人間は忘れる動物ゆえに、次に前進出来るのだと思います。豪雪被害の爪痕が至るところに残ったままの大安禅寺ですが、何事も、思い出さずに忘れずに、一箇所づつ修復工事を進めて参りたいと思っています。さて頑張りましょう!頑張りましょう!仲間っていいですね! そうそう今日はホワイトデーでした。さっそくお気持ち返したいと思います。友峰和尚より

友峰和尚のちょっといい話 【 第1668話 】
2018年 03月 13日 談

本日の京都は好く晴れ渡った雲ひとつない気持ちの良いお天気の一日となりました。昨日に引き続き「定期宗務所長会議」が妙心寺宗務本所会議場で午前9時より開催され、会議前には開山微笑塔にお参りし、その後、微妙殿にて記念撮影が行われました。終日の会議でエコノミー症候群になるのを防ぐため、休憩時間を利用してストレッチをしながらの会議出席となったようです。

全国から多くの高校生が修学旅行で妙心寺観光に来ている為、宿泊所となっている花園会館では子供達に気を使いながらの行動でした。本来、修学旅行生は4月頃が一番多いのですが、交通混雑を避けて早めの計画だそうです。子供達の甲高い声が行き交う妙心寺山内は一辺に初夏が到来したような活気に満ちた様相をみせていました。勿論、子供達にとってお坊さんの黒ずくめで歩く衣姿は普段見たことのない不思議なシーンとして捉えられているようでした。京都と言えばお寺、お寺と言えばお坊さんですから、結構インスタ映えする面白い記念の写真が撮れたのではないでしょうか?

さて、会議も明日までです。今晩は全国宗務所長同士の懇親会の席が催されますが、和尚も積極的に仲間との交流をはかりたいと願っています。少々風邪気味のコンディション、もしかして花粉症なのかも? あと少し、頑張って論議しましょう!ハクション!友峰和尚より

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