和尚のちょっといい話
「東アジア文化都市2018金沢」展覧会 無事円成致しました
どんよりとした小雨模様の一日となりましたが、皆様にはお元気にお過ごしですか? 街なかは何となく気忙しいような気配を感じさせています。片町きらら広場では既に大きなクリスマスツリーが飾られ、多くの若者達が楽しんでいる姿が印象的です。本日は休寺日でしたが、午前中には先般開催された「東アジア文化都市2018金沢」展覧会の無事閉幕を受け、金沢21世紀美術館学芸員の黒澤さんとコーディネーターの沢井さんが御挨拶に来寺下さいました。野町・少林寺での展覧会は中々好評だったとの事でしたので、今後も寺院の活用方法として引き続きお願いしました。
少林寺檀信徒 宮崎様が御来寺下さいました
10時半からは、来年4月21日から28日までフランス・サンリス市で開催予定の「アートサクレ 墨蹟禅画展」と「文房流晴心会野口翠智社中茶会と生け花展」の日程打ち合わせをしました。今回は野口社中の10名様がご参加という事で、綿密な打ち合わせが行われているところです。その後は、野口先生のご子息が香林坊で経営されているフランス料理店「ル・マルス」で昼食を頂きながら引き続き懇親しましたが、出発まであと5カ月あまりになり、12月には作品の製作に掛かりたいと思っています。パリは3度目の渡航となり、海外での個展は2回目故に、創作への思いは膨らむ一方でいまだに思案が続いています。墨蹟パフォーマンスでは「禅」また「闘魂」の字を大書しようと考えています。書と禅は一体のもので、それを「書禅一如」と言いますが、後世に作品が残るだけに頑張ってチャレンジしたいと今から楽しみにしています。友峰和尚より
野口翠智先生、丸子様、北島様とともに 御来寺 誠にありがとうございました
ふれあいパーク霊苑「奥の院」の掃除をしました
先般、岐阜県郡上市「願蓮寺」の門前掲示板の標語が話題になりました。その標語とは、「おまえも死ぬぞ <釈尊>」というもので、朝日新聞をはじめとする多くメディアが取り上げていました。宗教の究極は「生と死」で、言い換えれば「無常」の実体を悟ることでも有ります。
近年「墓じまい」や「散骨」また「お骨の引き取り放棄」等々の現象が急速に広がりを見せていますが、よくよく考えてみれば、祖先への「報恩謝徳」の念が失われていく時、社会の秩序も崩壊する傾向に有るのではないかと懸念するものです。日本国の歴史は飢餓の歴史でも有りました。一日に一回の食事がやっとだった頃の祖先の辛苦の気持ちを想えば自然に、今あることの有り難さが自覚できるものです。
掃除後、奥の院にて廻り諷経
お檀家様の 御命日供養を修行しました
合祀墓 「宙」にて
祖先を奉じる心は自分を奉じる事でも有ると思います。「おまえも死ぬぞ」と御釈迦様が申されたかどうかは知りませんが、無常の世界に生きている事こそが「死の世界」と同一であることを知るべしなのです。「今と言う 今こそ今が 大事なり 大事の今が 生涯の今」だからこそ、祖先の恩と父母の恩に感謝していきたいと強く思うものです。友峰和尚より
寶勝寺 ニシキギの紅葉
11月11日は何の日?という事で、お隣の中国では「独身の日」として若者の間で広がりを見せているそうです。何故かと言えば、「1」という数字が4つ並ぶからだそうで、別名「ダブルイレブン」とも言うそうです。人間、本当に色々考えるものですね! 独身の若者達は、この日ばかりはと思いきってネットショッピングをし、僅か1日の間になんと! 3兆円もの取引が有ったとか! 中国と言えばネットショップ「アリババ」が超有名ですが、全くに今やネット通販の物凄さを感じます。中国の人口が約14億とも15億とも言われていますから、日本とは比較になりませんね。
「 遊 ゆう 」 渓仙 書
日本でも、若者を中心にインターネットで品物を購入するのが当たり前になって来ている今日ですから、近未来にはお札がこの世から消えるというのも現実味を帯びてきているようです。和尚などはまだまだレトロでアナログ世代ですから、とてもとてもネット通販では品物を買う気がしません。さて、そんな話とは別に、午前中には寶勝寺お檀家の上田様がお友達3名と寺カフェに来て下さいましたが、そのお友達の中に、いつも法務でお世話になっている高岡市の江雲庵様の奥様がおられ、誠に仏縁の不可思議さを感じたものでした。しばし応接間で歓談致しましたが、素晴らしい元気印のマドンナの皆様でした。出逢いの寺「寶勝寺」ですから当たり前と言えば当たり前なんですが、やはり嬉しい事でした。お寺は縁を結ぶ所、金沢に来て7年が過ぎようとしていますが、次第に法縁が広がりを見せ始めている昨今です。友峰和尚より
御来寺下さり 誠にありがとうございました
日が暮れるのがいつの間にか随分と早くなったものです。たそがれ時のふれあいパーク霊苑は、いつもとは違った雰囲気を醸し出しています。夕日が沈むさまは浄土を感じさせるほどで、思わず合掌して感謝の心を表しています。
昨日は自坊での記者会見に臨み、今日は兼務寺院・瑞光寺での法務遂行のため午前中はお檀家様の月諷経に出掛けましたが、毎日の居場所が目まぐるしく変わるのも一年の終わりの月を迎えているという実感が有ります。また年々法務の仕事が増えていくということは、それだけ自分が必要とされている事なのでしょう。
夕刻には(株)みなと石材の社長さんが来寺され、瑞光寺裏山の樹木枝伐採に関する金沢市の許可申請書類を持参されました。先般の台風で大木の枝が折れ、近隣民家に被害を及ぼした為ですが、何事も和尚一人の力では限界があり、多くの援護者のお蔭で無事に済んでいくことを本当に有難く思っています。高齢者の孤立化が問題視される現代に有って、家族の絆がより一層大切である事をしみじみ思う今日この頃です。友峰和尚より
車窓からの青空 九頭竜川 と 大安禅寺を包む山々
昨日から一変して、金沢は冷たい雨模様となりました。午前中の法務を済ませ、午後2時からの記者会見に合わせ一路電車で福井に向かいましたが、その車中から大安禅寺方向をふと望むと、雲間にポッカリと穴が開いたように青空が広がっていました。
吉岡泰英先生 (中央) と 責任役員総代 (右側から)藤田様、蒔田様
今日の記者会見は、卑山重要文化財 諸堂修理事業の今年度着工決定を受け、その発表の席となりました。先代実道和尚からの悲願でもありました卑山の全面復興修復工事の決定だけに、和尚としても大変嬉しく思っています。
午後二時から記者会見が行われ、新命副住職の司会進行のもと無事に発表を終了する事が出来ました。福井に向かう車窓から大安禅寺の天空に青空が広がっている情景を見て、先代実道和尚が見守ってくれていると実感したものです。本日は多くの地元報道関係者がご来寺下さり、御取材賜りました事に厚く御礼申し上げます。歴史的建造物の保存修復継承は、住職としての使命でもありますから、副住職と檀信徒と共に精進努力して参りたく思います。
記者の方々へ 修復について説明される吉岡泰英先生
これまで絶大なる御支援とご協力を頂いて参りました 吉岡泰英先生 にも記者会見に同席頂きましたが、今後とも引き続きご指導を賜りますよう切にお願い申し上げる次第です。また、この度の約十二年間に渡る大事業に際し、福井県生涯学習 文化財課 並びに 福井市観光文化局 観光振興課様には何卒宜しくご指導を賜りますよう心よりお願い申し上げ、御礼の言葉といたします。高橋友峰
清々しい風が境内を吹き抜ける一日となりました。今日のような穏やかで気持ちよい気温は、今後望みようも無いと思ったくらいです。寺カフェ利用の観光客の方々も屋外でのカフェタイムを希望するぐらいで、毛氈が敷かれた床几台で長時間休息されていました。この時期の気候は一日で一変するだけに、終日十分に満喫できた日和でした。
ゆったりと休憩される 寺カフェ利用者の皆様
和尚は今日明日と法務遂行の準備のため金沢に留まっていますが、明日の午後2時からは重要文化財・大安禅寺諸堂修理事業の来年度着工決定を受けての記者会見が大安禅寺本堂を会場に予定されている為、午前中の法務遂行後は自坊に戻らねばなりません。「予定は未定」との言葉も有るようですが、確かに予定が入っていても次々に法務が増えていく昨今の状況にはギブアップ気味なれど、これまでに培った「禅定力」を頼りに頑張っているところです。
「 道 どう 」 渓仙 書
「苦あれば楽あり」の言葉は全くにその通りで、苦しみが大きければ大きい程、そのあとの楽しみも大いなるものが有ることは幾度も経験して来た事です。皆様!! 定年制が今後は七十歳になるそうですから、大いに人生悔いのないように頑張って参りましょうぞ!! 友峰和尚より
今日は立冬です。寺町周辺の木々は鮮やかに紅葉し、すっかり枯れ葉を落とした樹木も多く見受けられます。確かに「立冬」の気配は十分に感じられますから、気持ち的にも愈々本格的な冬シーズンに入るのだなとの実感が湧いてきます。
「水を掬すれば 月 手に在り」 渓仙 書
寳勝寺でも各部屋に石油ストーブや温風ヒーターが備えられ、いつの間にか扇風機が姿を消しています。テレビのニュースではアメリカ中間選挙の結果が大きく報道されていましたが、寺町の紅葉を眺めているとまるで別世界の心境です。人間の心ほど移ろい易いものはなく、枯れ葉が舞い散るように実に儚いものです。「勝った負けた」の一喜一憂の世界から脱却して見れば、いつもと変わらぬ自然の営みがそこには有ります。お釈迦様の悟りの教えは「中道」ゆえに、お互いに握手をして和合の道を歩んで行きたいものです。友峰和尚より
紅葉する 沙羅双樹の木 / 宝勝寺玄関にて
このところの寒さも和らぎ、今日は穏やかな一日となりました。寺カフェは火曜日でお休みという事で、寺内に篭ってしばしテレビの報道番組を見ていましたが、「裏アカウント」なるSNS即ちソーシャル・ネットワーク・サービス、「人と人とのつながりを促進する会員制のサービス」の裏アカウントについての特番でした。
青森県の市会議員の発信した裏アカウントの言葉が問題視されていましたが、近未来には、裏で自分の不満や意見をブッチャケなくても、普通に人と話していながら、自分の裏のこころが読み取れてしまうという末恐ろしいAI機能「裏こころ読み取り機」なるものが出現するとか? 口に出しては絶対いけない裏の言葉が総べてお見通しと言いますから「あな恐ろしや!」、禅語に「両鏡相照らして中心に影像なし」と有るように、「言葉と思いは一つ」でなければ信用を失います。情報過多社会の進む今日、便利電子機器の普及によって最早自分の心すらコントロールが出来なくなっていく傾向にあるようです。友峰和尚より
少林寺の南天
収穫の秋の作物を お供えしました
哲学の秋ということでしょうか?「住職とはいったい何ぞや?」との素朴な質問を自分に投げかけてみました。和尚の七十年の人生を振り返って、僧侶としての本分を全う出来ているかどうかを問うわけですが、昔と違って住職としての立ち位置はずいぶんと変化してきているように思います。一時期「葬式仏教」と揶揄された事も有りましたが、今では葬式どころか寺院そのものの存在が危ぶまれています。寺離れや直葬、墓じまい、挙句の果てに葬儀後の遺骨の引き取りを放棄するに至って、故人の年忌法要などは無縁のこととなり始めています。AI知能がもてはやされる現代社会にあっては、人間の心すらも次第にコンピュータ管理されつつあるようです。
㈱豊蔵組様が 自社栽培の立派なさつまいもをお届け下さいました
砂地で栽培された 丸々としたサツマイモです
豊蔵享一社長とともに
江川部長 と 池田主任補佐とともに
お昼頃 守山市の 北川 一 様と 御家族の皆様が来寺されました
和尚の法話を契機に 三十年近く御縁を頂いている 北川様ご夫妻
御来寺頂き 誠にありがとうございました
夕刻 方山さまとともに / サンリス アートサクレ展覧会の準備
仏教の教えはあくまでも「あるがままの、なにものにも捉われない心の実践」ですから、これまで通りに自然体で人々の心に寄り添っていくことが住職としての大切な道であろうと思います。本日も何組かのお客様と懇談しましたが、「一期一会」の禅語の如く、一秒一生の「禅心」の中に僧侶としての意義を見出すものです。平穏無事をひたすら祈りながらの法務遂行が続いています。友峰和尚より
大安禅寺のアトリエにて
穏やかな日曜日の一日となりましたが、皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 自坊での法務遂行はある意味リラックス出来るものです。住み慣れた環境は否応なく心が休まるもので、特に部屋の匂いや境内に漂う秋の樹々の匂いが心の奥底にまで浸透していくようで、心地よく感じます。数日間の滞在でしたがリフレッシユ出来ました。11月は観光シーズンということで職員より依頼されていた色紙書きに専念しましたが、アトリエから望む紅葉木が色づき始めており、時折手を休め紅葉を観賞しながらの作業は実に気持ちの良いものです。人間の心は常に自然の営みの中に安らぎを見出すことが出来るものですね。
ところで、11月も相変わらず法務予定が多く入っており、日々不規則な生活が強いられるだけに出来るだけ長く自坊に滞在できるよう法務予定を調整しています。加齢のせいでしょうか、無性に旅に出たくなる気分が襲って来ます。そうですね!この時期は温泉がいいですね!どこかでゆっくり湯治を兼ねて出掛けたいものです。いい湯だなハハ~んって、本当にのんびり出来るのはまだまだ先のようです。友峰和尚より