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第2757話

依然としてコロナウイルス禍の中に有る現在、昨年はほとんどの年中行事や研修会が中止または縮小を余儀なくされて来ましたが、今年に入ってようやく感染防止対策を講じながら教区の行事や自坊の年中行事など再開しようとその準備を進めています。ZOOMを使ったリモートでの会議も増えつつありますが、重要な会議となるとなかなか相互間の意志疎通が難しく、ソーシャルディスタンスや消毒などを徹底すれば開催も可能だと思うものです。

姫水仙 テータテート<Tete a tete>
昨年6月に予定していた臨済宗妙心寺派の「滋賀北陸教区住職研修会」は開催中止となり、その代替措置としてレポートの提出をもって研修会終了証を発行しました。しかしながら研修会開催の重要な事は、教区内における日頃の法務遂行に関する情報交換の席でもありますから、今年はなんとか開催にこぎつけたいと教区教化主事・無量寺住職と電話で話し合い、6月開催を決定させて頂きました。

きんぎょそう
自粛生活や緊急事態宣言が長引けば長引くほどあらゆる年中行事が中止され、超高齢者の皆様はますます世の中から隔離されていくように思います。その孤立した日々の生活環境の中にあって、各寺院の年中行事に参詣することが唯一安心につながるものと思いますから、感染防止の工夫をしながら少しずつ行事の復活を願いたいものです。

さて厳しい寒さが続いていますが、皆様には健康に十分にお気をつけてお過ごしくださいますよう念じています。和尚も毎日約5000歩のウオーキングを実行して健康維持に努めています。頑張って生きて参りましょう! 友峰和尚より

第2756話

月刊茶道誌 「淡交」 令和3年3月号

春麗かな弥生3月、和尚が住職している野町・少林寺の創建当初からのお檀家で現在責任役員総代でもある第14代宮﨑寒雉(かんち)釜師が昨年末に長男の匠(たくみ)氏と代替わりをし、匠氏は新たに第15代当主寒雉(彦九郎)を襲名されました。第14代寒雉氏は今後「幽斎」として後進の指導に当たるそうですが、初代宮﨑寒雉釜師は加賀藩前田家第5代綱紀公が仙叟宗室を茶道奉行に迎え、当時鋳造の仕事をしていた宮﨑家に茶釜を依頼し「寒雉」の号を与え、初代宮﨑寒雉釜師が誕生することとなったそうです。


以前にも紹介しましたが、少林寺鐘楼の釣り鐘は初代宮﨑彦九郎義一によって延宝5年(1677年)に制作され、現在は金沢市有形文化財・美術工芸品に指定されています。また本堂内には卑山総代でも有る第14代寒雉氏が自作の殿鐘を寄贈されています。



少林寺 梵鐘 / 初代宮﨑彦九郎義一 作 (1677年)

少林寺 殿鐘 / 第14代宮﨑寒雉 作 (2017年)


この度、茶道裏千家の情報誌「淡交」三月号が発刊され、「宮﨑寒雉家の釜」と題して特集されていますので是非皆様もご覧いただければ幸いです。今後は少林寺や寳勝寺でお茶会を開催したいと願っていますが、その時には梵鐘と殿鐘を開始の合図に撞き鳴らして、その荘厳な美しい音色をお聴き頂きたいと思います。

淡交3月号「宮﨑寒雉家の釜」 約30頁に渡り 特集されています
さて桃の節句も過ぎたというのに今朝方は厳しい冷え込みとなりました。寒さが堪える時には一服の温かいお抹茶が一番のようです!友峰和尚より
第2755話

今日は桃の節句。おひな祭りは五節句の二番目で上巳(じょうし)とも言い、古来より女子のお祭りとされています。五節句は1月7日の人日(じんじつ)、5月5日の端午(たんご)、7月7日の七夕(しちせき)、9月9日の重陽(ちょうよう)を言いますが、いずれも中国から伝わった行事であると記されています。

金沢市本多町 瑞光寺へ行きました

寒い日となり 池の中でじっと動かない鯉

ひな祭りを別名「桃の節句」と呼ぶのはちょうど桃の花が咲く時期だからだそうで、桃の木は病魔や厄災を払う不老長寿の縁起の木とされています。和尚の子供の頃は母親が必ず雛あられを作ってくれたのを思い出します。終戦後の食べ物の無かった時期でしたが、幸いに父である先代住職がお寺の田んぼで餅米を作っていたため、かき餅やあられは当時貴重なおやつでした。

あられを炒る匂いが境内いっぱいに漂い、今でもはっきりとその香ばしい匂いの感覚を思い出すことが出来ます。さて孫達も今日は母親が用意した雛あられやお菓子を堪能していることと思います。子供の頃には当たり前に思っていた母親手作りの雛あられも、今では母の慈愛をつくづく想う今日この頃です。友峰和尚より

第2754話

金沢は寒い一日となりましたが、雪模様となったところも有るようでどうも気候が定まりません。このところの自粛生活で寺内にいる時間が多くなり運動不足が気になっていましたが、やはり足も筋肉が衰え細くなったような気がします。じっとしていても何ら問題解決にならないので、最近は時間を決めてウオーキングに出かけるようにしています。1日に約1万歩ほど歩くのが健康に良いそうですが、1万歩というと時間的には1時間ぐらい歩かなければ達成できません。

北陸鉄道 野町駅前にて
寺町5丁目から兼六園までを往復するとちょうど1万歩くらいになると思いますが和尚には少々ハードなので、寳勝寺より西茶屋街を通り北陸鉄道石川線の始発駅でもある野町駅前を通り少林寺の辺りを一周すると約5千歩くらいになるので、ほどよいコースとなります。

本日はそのコースを歩いてみましたが、野町駅は写真の通りローカル線ですが撮り鉄愛好者にとっては絶好の場所だと思いながら何枚か撮ってみました。西茶屋街は現在コロナウイルス禍の中に有って観光客もまばらでしたが、ウオーキングコースとしては魅力のある場所です。


それにしても野町駅はどこかノスタルジックな雰囲気が漂う駅で、なんだか遠い昔、親戚の家を訪ねた時のことを思い出していました。街なかコースのウオーキングは新鮮そのもので今後は毎日約5千歩を目標に実行して参りましょう。さて明日は桃の節句ですが、孫達の成長を祈願したいと念じています。友峰和尚より

春の訪れ

令和3年も3月となり、ようやく春の訪れを実感できる毎日です。「こんなに暖かいのに、また雪が降るのかな?」と不思議に思っていた来週の天気予報の雪マークも外れ、軒下に隠しておいた植木鉢を少しずつ太陽の下へ引き出しているところです。

寳勝寺の境内に生えている アケビ です。本堂修復以前の平成25年頃までは庫裡玄関の前で育っていましたが、霊苑改葬と境内整備の際、この場所(本堂うしろ側)に移植されました。木塀に添って大きく育っています。

この時季は毎年、梅や桜の枝ばかり見ているのですが、ぐるぐる縄のようなツルからある日突然、新芽と花房がいっせいに伸びているのを発見し、「あ!」とアケビの素敵さを思い出します。


ふれあいパーク霊苑でも今、植物が次々と新芽を伸ばし、春独特の石畳の乾いた風が爽快です。ながらく修復工事をされていた承証寺様の本堂も完成し、整然と並ぶ本堂屋根瓦は一段と格調高く光っています。


沈丁花

雪の下から成長してきた スミレやスノーポール

バラの新芽が吹き始めました
依然としてコロナ禍の生活が続いていますが、植物の新芽を見ていると本当に活力が湧いてきます。3月からは寺カフェも徐々に再開することとなっていますので、新しいスタイルに合わせて工夫を凝らしながら、一歩ずつ前進していきたいと思っております。

寳勝寺中庭のヒョウタンボク
第2753話

今日から弥生3月に入りました。3日は桃の節句でスーパーやデパートの売り場では色とりどりの雛祭り菓子が並べられており春爛漫の風情を見せています。ひな人形も従来の豪勢な段飾りと違ってコンパクトな親王飾りや三段飾りが人気のようで、華やいだ雰囲気を醸し出しています。

寺町一丁目 桂岩寺様から頂いた 涅槃団子

午前中にはお檀家様の月参り諷経に出向きましたが、街なかは依然として自粛ムードのせいか3月に入ったとは思えないほど静かな佇まいでした。桜の開花情報が少しずつ伝えられていますが、昨年の今頃はコロナウイルス感染予防対策で外出自粛願いが出ていた為、金沢市内の有名な桜の名所も閑散たる有様でした。今年こそはと期待したのですが、ウイルス感染禍が続いている現在においては残念ながら花見は期待薄のようです。

桂岩寺様とともに


㈱ココ・プランニング 中本大資社長とともに

さて今日も穏やかな暖かい一日となり、ご来寺下さったお客様ともゆっくり歓談することが出来ました。最近は寺内で一日を過ごす時間が多くなって来ていますが、スローライフのリズムにも慣れつつある今日この頃、コロナ感染の収束を願う日々が続いています。友峰和尚より

寳勝寺 中庭にて
第2752話

子安観音像 と 布袋尊厨子 / 大安禅寺境内 祈りの小道
とても気持ちの良い晴天の日曜日を迎え、朝一番に本堂前庭に祀られている布袋尊厨子と子安観音像の周辺掃除を徹底しました。今年は平成30年豪雪に続く大雪だったため大杉の枝や杉葉が幾重にも重なって足の踏み場もないほどでしたが、約3時間ほどですっかり綺麗になりました。




無心亭

鐘楼へ続く参道
掃除をすると不思議な気力が湧いてくるもので、引き続き無心亭に通じる階段はじめ周辺の境内も併せて掃除が終了出来大満足でした。体がスムーズに動く時はなにより健康の証拠です。寺に戻れば早速日曜日とあって孫が部屋へ遊びに来ており、お相手をしました。いつの間にかおしゃべりも上手になり、嬉しそうにはしゃぐ姿がいじらしく思わずシャッターを切りました。

普段は幼稚園に行って留守のため会うことも中々出来ず、孫との戯れの時間は実に楽しいものです。さて明日からは再び金沢での法務遂行に入りますが、弥生3月を迎え気持ちを新たに出発したいと念じています。友峰和尚より

第2751話
快晴の爽やかな土曜日の朝を迎えました! 谷合から吹き抜ける冷たい風がとっても気持ちよく、思わずお化粧をするが如きに顔をこすりながら微笑みました。午前中は法務の遂行に当たりましたが、心と気候とは比例するようで身体も軽快に動きスムーズに修業出来たようです。午後には親戚でも有る正木様ご夫妻が名古屋より来寺下さり、妻を交えて愈好亭で久しく歓談の席となりました。

正木様ご夫妻とともに
この時期の木々は春を迎える準備が出来ているせいか、どこか温かみを感じさせてくれます。本堂では地元建築関係の方々が修理保存工事の現場視察に来られていましたが、まもなく一般見学希望者向けにも公開される予定となっているそうです。

さて自坊での休息を兼ねた法務遂行も今日までで明日からは金沢に入りますが、故郷で過ごす短い時間は本当に心が休まりました。もうすぐ3月に入りますと法務が急増し、学生さん達にとっても受験に卒業式に就職と多忙な月となりそうですが頑張って頂きたいと思います。お互いに切磋琢磨しながら前進して参りましょう!友峰和尚より

第2750話

大安禅寺 梵鐘
大安禅寺諸堂修理保存工事の一環としてまもなく鐘楼の工事が始まるとのことで、午前中に新命副住職により工事安全のご祈祷が修業されました。また既に工事が進んでいる山門では、来月初旬から組み立てが始まり再びその荘厳な雄姿を現すことを期待しています。

鐘楼の修理保存工事が始まりました


松浦建設㈱ 現場監督 の 東野氏

現在は本堂建造物の工事が行われていますが、こちらも当初の計画通り順調に進んでいるようで本日久しぶりに現場の視察をしました。創建当初の骨組みが次第に露わになり、当時使われた材木がはっきりと確認できるようになっています。なかには樹齢約500年を越えると思われる欅(けやき)ならびに草槙(くさまき)などの素晴らしい床板を見る事が出来ました。これまでは畳の下になっていたため床板を見る事が出来なかったのですが、この度の全面工事で畳がすべて取り払われ、その姿を見る事が出来た次第です。

解体工事が進んでいる 本堂

樹齢約500年を越える欅や草槙の素晴らしい床板





大工棟梁 の 前田氏





第一期工事の本堂修理保存工事完成は約5年後となっており、今から完成を心待ちしています。今後も一般の方を対象とした修理保存工事説明会が開催される予定となっていますので、是非皆様には見学して頂きたいと願っています。友峰和尚より
第2749話

床の間に妻が生けた桃の花の香りが薄っすらと室内に漂う気がする穏やかな日和となりましたが、皆様に於かれましてはお元気にて恙なくお過ごしの事と御慶び申し上げます。

久しぶりの自坊での休息時間ですが、本日は妻のお友達をお招きして和合の茶話会の席となり、ゆっくりと流れる時間を贅沢に過ごす事が出来ました。暫らく留守をしていた愈好亭の部屋も今日だけは歓談する楽しい声の中に有って面目躍如の居間となったようです。


和尚のアトリエもリフォームされ、やがて住居として使用する予定のため、使いやすいように部屋の模様替えをしています。と言うのも、最近は自坊に戻る時間が急減しており5年後には庫裡修復工事が始まるのに合わせて部屋の設え替えを急いでいます。和尚の人生の最後の締めくくりでも有る「重文諸堂修理保存工事」をなんとしても成就させたいと願いつつ努力を続けていますが、新型コロナウイルスの発症もあってこの難局を乗り越える為に日々の精進が更に強く求められています。そのような緊張感の中での僅かの休息時間は値千金で、本当に有り難く心より癒されるものです。

「窮して変じ変じて通ず」の禅語の如くに、世界規模でのコロナウイルス感染の問題もどうやら人間が本来有する「般若の智慧」を以って収束に向かいつつある今日。いま暫らくお互いに協力して感染拡大防止に尽力して参りましょう!「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」上杉鷹山 友峰和尚より
