2月, 2021年

第2752話

2021-02-28

子安観音像 と 布袋尊厨子 / 大安禅寺境内 祈りの小道

とても気持ちの良い晴天の日曜日を迎え、朝一番に本堂前庭に祀られている布袋尊厨子と子安観音像の周辺掃除を徹底しました。今年は平成30年豪雪に続く大雪だったため大杉の枝や杉葉が幾重にも重なって足の踏み場もないほどでしたが、約3時間ほどですっかり綺麗になりました。

無心亭

鐘楼へ続く参道

掃除をすると不思議な気力が湧いてくるもので、引き続き無心亭に通じる階段はじめ周辺の境内も併せて掃除が終了出来大満足でした。体がスムーズに動く時はなにより健康の証拠です。寺に戻れば早速日曜日とあって孫が部屋へ遊びに来ており、お相手をしました。いつの間にかおしゃべりも上手になり、嬉しそうにはしゃぐ姿がいじらしく思わずシャッターを切りました。

普段は幼稚園に行って留守のため会うことも中々出来ず、孫との戯れの時間は実に楽しいものです。さて明日からは再び金沢での法務遂行に入りますが、弥生3月を迎え気持ちを新たに出発したいと念じています。友峰和尚より

第2751話

2021-02-27

快晴の爽やかな土曜日の朝を迎えました! 谷合から吹き抜ける冷たい風がとっても気持ちよく、思わずお化粧をするが如きに顔をこすりながら微笑みました。午前中は法務の遂行に当たりましたが、心と気候とは比例するようで身体も軽快に動きスムーズに修業出来たようです。午後には親戚でも有る正木様ご夫妻が名古屋より来寺下さり、妻を交えて愈好亭で久しく歓談の席となりました。

正木様ご夫妻とともに

この時期の木々は春を迎える準備が出来ているせいか、どこか温かみを感じさせてくれます。本堂では地元建築関係の方々が修理保存工事の現場視察に来られていましたが、まもなく一般見学希望者向けにも公開される予定となっているそうです。

さて自坊での休息を兼ねた法務遂行も今日までで明日からは金沢に入りますが、故郷で過ごす短い時間は本当に心が休まりました。もうすぐ3月に入りますと法務が急増し、学生さん達にとっても受験に卒業式に就職と多忙な月となりそうですが頑張って頂きたいと思います。お互いに切磋琢磨しながら前進して参りましょう!友峰和尚より

第2750話

2021-02-26

大安禅寺 梵鐘

大安禅寺諸堂修理保存工事の一環としてまもなく鐘楼の工事が始まるとのことで、午前中に新命副住職により工事安全のご祈祷が修業されました。また既に工事が進んでいる山門では、来月初旬から組み立てが始まり再びその荘厳な雄姿を現すことを期待しています。

鐘楼の修理保存工事が始まりました

松浦建設㈱ 現場監督 の 東野氏

現在は本堂建造物の工事が行われていますが、こちらも当初の計画通り順調に進んでいるようで本日久しぶりに現場の視察をしました。創建当初の骨組みが次第に露わになり、当時使われた材木がはっきりと確認できるようになっています。なかには樹齢約500年を越えると思われる欅(けやき)ならびに草槙(くさまき)などの素晴らしい床板を見る事が出来ました。これまでは畳の下になっていたため床板を見る事が出来なかったのですが、この度の全面工事で畳がすべて取り払われ、その姿を見る事が出来た次第です。

解体工事が進んでいる 本堂

樹齢約500年を越える欅や草槙の素晴らしい床板

大工棟梁 の 前田氏

第一期工事の本堂修理保存工事完成は約5年後となっており、今から完成を心待ちしています。今後も一般の方を対象とした修理保存工事説明会が開催される予定となっていますので、是非皆様には見学して頂きたいと願っています。友峰和尚より

第2749話

2021-02-25

床の間に妻が生けた桃の花の香りが薄っすらと室内に漂う気がする穏やかな日和となりましたが、皆様に於かれましてはお元気にて恙なくお過ごしの事と御慶び申し上げます。

久しぶりの自坊での休息時間ですが、本日は妻のお友達をお招きして和合の茶話会の席となり、ゆっくりと流れる時間を贅沢に過ごす事が出来ました。暫らく留守をしていた愈好亭の部屋も今日だけは歓談する楽しい声の中に有って面目躍如の居間となったようです。

和尚のアトリエもリフォームされ、やがて住居として使用する予定のため、使いやすいように部屋の模様替えをしています。と言うのも、最近は自坊に戻る時間が急減しており5年後には庫裡修復工事が始まるのに合わせて部屋の設え替えを急いでいます。和尚の人生の最後の締めくくりでも有る「重文諸堂修理保存工事」をなんとしても成就させたいと願いつつ努力を続けていますが、新型コロナウイルスの発症もあってこの難局を乗り越える為に日々の精進が更に強く求められています。そのような緊張感の中での僅かの休息時間は値千金で、本当に有り難く心より癒されるものです。

「窮して変じ変じて通ず」の禅語の如くに、世界規模でのコロナウイルス感染の問題もどうやら人間が本来有する「般若の智慧」を以って収束に向かいつつある今日。いま暫らくお互いに協力して感染拡大防止に尽力して参りましょう!「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」上杉鷹山 友峰和尚より

第2748話

2021-02-24

大安禅寺 アトリエからの風景

急用で自坊に戻りましたが、境内一帯はすっかり春めいており早春の草花の匂いが妙に懐かしく仄々とした気持ちにさせてくれました。久しぶりにアトリエの自室に入れば、畳替えの新しいイグサの匂いがこれまた部屋いっぱいに充満しており新鮮な感覚に襲われました。さっそくに法務の仕事に取り掛かりましたが、窓を少し開け春の匂いを味わいながらの作業となりました。

愈好亭にて

自坊に帰ると寺内を一周したくなるもので、故郷を肌で実感する時は実に気持ちの良いものです。人影のない各部屋をしみじみと眺め、床の間の掛け軸や飾り物にも目配りをして一人楽しんでいます。隠寮の衝立には、妙心寺塔頭寺院 東海庵住職の岫雲軒老大師から頂いた色々な色紙が表具されておりそのユニークな墨蹟禅画には心が癒されるものです。

妙心寺塔頭寺院 東海庵住職 岫雲軒老大師から頂いた色紙の 貼交屏風

禅寺の風景は枯淡で、悠久の歴史と共に祖師の禅風を感じさせてくれます。仏法とは何ぞや?とよく問われますが、禅寺の佇まいそのものが真理の現れで、これと示すものが無いのが仏法そのものなのかも知れません。コロナウイルス禍の中いちど禅寺を訪ねてみては如何でしょうか!「いつ来ても 世離れ果てし この寺は 門入(い)るからに 心地異(け)にする」 幕末の福井の歌人・橘曙覧が大安禅寺で詠んだ歌です。いいですね。南無観世音菩薩 友峰和尚より

第2747話

2021-02-23

今日は天皇陛下のお誕生日、早朝に山門前に国旗を掲揚し心より慶賀の意を表しました。またふれあいパーク霊苑には仏旗も併せて掲揚し祖霊の追善供養を営みましたが、本日は大安禅寺先代住職實道和尚の月命日忌でもあり、報恩謝徳の諷経を本堂で修しました。

コロナウイルス禍の中、金沢市片町には夜間の営業時間短縮が発令されていますが、好天気だった日曜日には日中多くの老若男女の方たちが街を闊歩して賑わいを見せていました。大都市圏では緊急事態宣言解除が期待されますが、ワクチンの接種も始まり少しずつながら明るい兆しが見えてきた気がします。

以前のブログなど振り返って見ることが有りますが、多くの観光客で賑わっていた寺カフェの風景が再び戻ってくることを願うばかりです。コロナウイルス感染が減少すれば3月から寺カフェを再開したいと現在その準備をしており、最近では感染防止の為の消毒液グッズもかなり増え、あらゆる対策を講じてお客様をお迎えしたいと思っています。「心の触れ合う寺!心の和む寺!心の安らぎを感ずる寺!」寳勝寺寺カフェで 皆様にはひとときの安息を得て頂ければ幸いです。友峰和尚より

第2746話

2021-02-22

スノードロップ

今日22日は亡き母の月命日忌で追善供養を修しましたが、来る4月22日が祥月命日忌で間もなく9年になります。明日23日が父の月命日で、両親の不思議な仏縁を感じるものです。加齢と共に次第に父親の遷化の歳に近づき、それに呼応するかのように両親が偲ばれてなりません。人生は誰もが苦労を伴いますが、自分とは比べものにならないほどの父や母の並々ならぬ努力と苦労をしみじみ感じる今日この頃です。

近所の猫たち 縁側でひなたぼっこ

「人間、歳を取らなきゃその苦労など分からないものだよ。」とは昔からよく言ったものですが誠にその通りで、歳を重ねるごとに両親の恩徳や慈愛を思う気持ちが強くなっていくのは和尚だけではないと思います。さて2月は「逃げる」とも言われますように、瞬く間に過ぎて行きます。明日は天皇陛下のお誕生日、心から天皇陛下のご健康と益々の弥栄を念じお祝い申し上げたいと思っております。友峰和尚より

第2745話

2021-02-21

しだれ白梅 / ふれあいパーク霊苑 奥の院

時折暖かくて強い南風が境内を吹き抜けていく一日となりました。昨日は春一番が吹き気持ちがいっぺんに解放されたような気がしましたが、本日は更に気温が上がり、つい先日の雪景色が噓のようです。寒暖を繰り返しながら少しずつ春に近づいていきますが、まだ今しばらくは我慢が必要のようです。

満中陰忌並びに納骨法要が修業されました

午前10時より本堂で満中陰忌法要が営まれ、法要終了後にはふれあいパーク霊苑墓前に於いて納骨諷経が修業されました。今がコロナウイルス禍の中に有ることを忘れてしまうくらい穏やかな雰囲気の中での読経となりました。

穏やかな青空の下

一年の四季を通して多くの霊前供養が修業されますが、その度に故人の御徳を感じる瞬間があります。それはその時の気候状況であったり参詣者の敬虔な祈りの姿であったり、鳥たちのさえずりの中にもふと実感するものです。人間の徳とはそういうもので有るのかも知れません。「風は息 虚空はこころ 日は眼(まなこ) 海山かけて わが身なりけり」読み人知らずの歌なれど、しみじみと陰徳を積むことの大切さを祖霊供養から自覚する毎日です。友峰和尚より

第2744話

2021-02-20

寳勝寺境内のしだれ紅梅

“淡き光り立つ俄雨(にわかあめ) いとし面影の沈丁花 溢るる涙の蕾から ひとつひとつ香り始める・・・” 松任谷由実さんの「春よ、来い」の歌詞ですが、本日金沢地方に春一番が吹きました! 暖かい南風を伴って風速16メートル程の強風となりましたが、実に心地よい風でした。

歓迎の茶礼にて

午前9時にはふれあいパーク霊苑宝勝寺事務所に新しく赴任される職員を川面専務より紹介され、歓迎茶礼の席となりました。3月から就任される予定との事、力強いスタッフが加わり有難く思っています。

春一番が吹く境内で 記念撮影をしました

キンギョソウをお供えしました

さて東京にお住まいの寳勝寺御檀家 額様が、季節のお花・キンギョソウをお届けくださいました。さっそくに真前にお供えしたところ堂内にも春を呼び込むことが出来ました。桜の開花予報も報道され、コロナウイルス禍の中であっても気持ちは次第に軽やかになっていくように感じます。

寳勝寺檀信徒 額様御夫妻 (2020年11月 撮影)

少林寺檀信徒 桑島様とともに

少林寺お檀家の桑島様と歓談しながら、心は満開の桜の花に包まれていくように楽しい時間が過ぎて行きました。春はもう直ぐそこまでやって来ているようです!ホーホケキョ! 友峰和尚より

第2743話

2021-02-19

「無一物中無尽蔵」 渓仙 書

禅宗に於いてはよく「茶礼」をします。その時その時で茶礼の意味も異なりますが総じて「和合」の意味が深く、また「慰労」ということでもよく行われます。修行時代などは作務が行われると一日に何度も茶礼をしましたが、単に休憩するだけでなくその休み時間中に結構アイデアが湧いて来たものです。おそらく一般社会の日常の仕事でも、「茶礼」の時間を作るときっと仕事の効率や職員間の和合にも役に立つと思うものです。コロナウイルス禍の中、最近はリモートでの仕事が急増しつつありますが、職員間のコミュニケーションを円滑にするためにもお互いに時間を決めて「リモート茶礼」を取り入れると良い効果が表れることと思います。

さて、午前中にふれあいパーク霊苑の職員の方と「茶礼」をしましたが、本日は「感謝」の茶礼となりました。禅語に「喫茶去(きっさこ)」の言葉が有りますが、これはなかなか油断がならない言葉でも有ります。「どうぞお茶を召し上がれ」の意味なのですが、お客様へお茶を入れる所作の中に既に相手に対しての問答は始まっているのです。差し出された一杯のお茶を頂くときの心境や如何! 日常の物事は常に心の余裕をもって望みたいものです。友峰和尚より

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