2月, 2017年

第1290話

2017-02-28

寳勝寺ふれあいパーク「奥の院」へ進む 道 のかたちが見えてきました

「寳勝寺ふれあいパーク」霊苑改葬工事に伴う、檀信徒墳墓の新地移転が始まりました。四百年の歴史を有する武家寺寶勝寺の檀信徒先祖墳墓は、「奥の院」と称する区画に安置されます。奥の院正面には「三界萬霊塔(檀信徒皆様の永代慰霊塔)」と「歴世塔(歴代住職の慰霊墓)」並びに今回の改葬工事の縁起を記した「顕彰碑(寳勝寺を代々支えられて来た檀信徒武家方々の顕彰碑)」が建てられる予定となっており、3月12日に厳修される「春季彼岸会」までには大方の檀信徒墳墓 墓石移転を終えることが出来るかと思っています。

㈱河原市石材 河原市社長様との打ち合わせ中

「奥の院」は今回の改葬計画の中でも最も重要で慎重かつ丁寧に進めてきただけに本当に安堵しています。現在すさまじい勢いで「墓じまい」が全国的に発生しているそうですが、少子化が急激に進む社会の中で、先祖墳墓への思いも価値観も、何もかもが変化しているようです。当然の事ながらこれまで伝承されて来た先祖墳墓の有り方についても、変化が求められています。「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」はそのような墓地問題を解決していく為の未来型霊苑でも有ります。現在はまだ工事中ですが、ブログをご覧頂いている皆様には是非現地見学をして頂きたいと心より願っています。我々の現生活の安心は「祖先の霊」と共に有ることを改葬工事とともに知る毎日となっています。

さてテレポーテーション的行動の今日この頃ですが、本格的春の到来も間近のようです!和尚もなんとか健康に気を付けながら過ごしていますが、皆様に於かれましてはどうかお元気にお過ごしくださいますよう祈念申し上げております。また㈱豊蔵組江川部長様始め霊苑工事関係者皆様も十分にお気を付けて頑張ってくださいね!ピコ! 友峰和尚より

第1289話

2017-02-27

傳燈寺町会長の西川様、建設会社の宮本様とともに / 傳燈寺にて

新たな兼務住職地となった金沢市傳燈寺町の臨済宗妙心寺派「瑞応山 傳燈寺(でんどうじ)」に、本日は地元町会長・西川氏の御協力を頂き改めて今後の寺院復興について協議しました。昨年先代住職が遷化された後も、何度か訪ね視察を重ねて来ましたが、このたび正式な本山の辞令を受け先ずは寺内整備から着手していくことになりました。

本堂や庫裏の傷んでいるところを点検

境内地の境界を確認中

寺の裏手には洞窟が有り、その奥には霊験あらたかな弁財天様がお祀りされていると聞き、早速に洞窟の中に入ってお参りしてきました。先住職の並々ならぬ精進努力で一時期には多くの弁財天信仰者が全国からお参りされ大いに境内が賑わったそうです。現在はひっそりと静まり返った状況ですが、先住職の宮崎恭黄和尚の恩徳を感じながら少しづつ復興に尽力していきたいと念じています。

弁財天の御祀りされている洞窟へ

水辺の奥にある、岩山の洞窟

それにしましても町会長の西川様には本当にお世話になっております。傳燈寺のお檀家様は一軒も無く、現在は西川氏にお留守番をお願いしています。六百年の歴史を有する禅寺だけに、数々の仏様にまつわる不思議な縁起が伝えられてきていますが、その一つ一つの逸話を整理しながらもっと多くの方々にその事を知ってもらい、「有り難い御利益寺」としての布教活動を展開していきたいものです。

西川様から 傳燈寺町のお話しを伺う

境内に咲く蝋梅

さてさて、最近は大安禅寺も寳勝寺も傳燈寺も、ブログは寺院復興の話ばかりとなっています。とても「ちょっといい話」ではないのかも知れませんが、将来的にいい話となるよう努力あるのみです。頑張りましょうぞ!頑張りましょうぞ!なにくそ、負けてたまるか! 友峰和尚より

第1288話

2017-02-26

大安禅寺の建造物の今後の修復工事方法を見極めるため、現在、公益財団法人・文化財建造物保存技術協会、通称「文建協」の関係者により二年に渡る調査工事が行われています。卑山の建物のほとんどが国指定重要文化財となっている為、平成三十年より向う十ヶ年計画で文化庁指導のもと、全面修復工事が始められる予定で、緊張感をもって対応しています。ブログをご覧いただいている皆様にも工事が始まりましたら是非見学に来て頂きたいと思っています。禅宗寺院独特の枯淡でシンプルな書院造の本堂を初めとして、開基・松平光通公を祀る絢爛豪華な霊屋、また山門や鐘楼など、当時の宮大工方の見事な建築技術と間近に接することが出来るかと思います。

大安禅寺 開基堂

開基堂 堂内

昨年末の調査の様子

今回の修復工事を通して新たな発見が出てくると思いますが、今から楽しみにしています。昭和二十三年六月に発生した福井大震災により半壊や全壊となった建物もあり、今日まで修復工事が繰り返されて来ましたが、今回は文化庁の指導により徹底的に復元されるとのことで本当に嬉しく思っています。しかしながら松平家の菩提所という事もあって檀家数も少なく、今後の修復工事卑山負担割当金については檀信徒と共に大変心配しています。国と郷土の文化遺産でもある重要文化財を後世に伝えて行くという見地から、和尚も先頭に立って多くの方々にご協力ご支援をお願いしていきたいと思っています。友峰和尚より

「福海寿山」 渓仙 書

 

第1287話

2017-02-25

今年は酉年ですが、先般、滋賀県草津市に嫁いでいる娘を訪ねたところ娘の趣味でも有るフェルトの「親子鶏」をもらい、本日寳勝寺志納所に飾りました。和尚の描いた鶏の絵色紙や職員の折り紙の鶏そしてパリで活躍中の荒木画伯の鳥図の作品と合わせて、志納所も「とりづくし」で賑わっています。寺カフェ利用のお客様も帰り際には志納所に立ち寄って下さり、可愛い鶏たちに声を掛けてくれているようでなんとも面白く微笑ましい光景です。各部屋から聞こえて来るお客様の声も小鳥のさえずりに似て、どことなく春めいた雰囲気を感じさせてくれたものでした。

土曜日の本日はカフェをオープンしていましたが、お寺でくつろぐ観光客の方々のファッションもすっかり春の色合いに趣きを替えているように思います。和尚はこの一週間の疲れがどっと押し寄せ、今日はさすがに休息日としましたが、早朝には妻から電話で地元新聞の一面に大安禅寺の記事が大きく掲載されているとの事! 突然掛かって来る電話は訃報が多い我々の職業の中に有って、本日の電話で報告を受けた記事内容も極めて緊張させられるものでした。まもなく始まろうとしている「平成の大事業10年計画、卑山諸堂全面修復復元工事」の前触れ記事でも有りました。新命副住職とのツーショットの写真が同じく掲載されたそうですから、気持ちを新たに副住職と共に不退転の気持ちで修復事業に臨みたいと思います。さてさて和尚の身体がこれから10年持つか持たないか? 檀信徒皆様が一番心配されているそうですが、文化財保護の為の修復工事と自分の身体のメンテナンスと、同じ立ち位置で頑張って参りたく思っています。南無観世音菩薩 友峰和尚より

第1286話

2017-02-24

植樹された しだれ梅 が咲き始めました

「春よ来い 早く来い 歩き始めたみいちゃんが 赤い鼻緒のじょじょ履いて おんもへ出たいと待っている」大正時代の日本の童謡「春よ来い」の歌詞ですが、38年と56年の北陸豪雪の時にはしみじみと春が待ち遠しいと思ったものでした。近年では昔ほども雪が降らなくなった北陸地方ですが、やはり春の到来を待ちわびる気持ちは昔とちっとも変わりませんね。今日などは寒の戻りのような冷たい北風が吹き抜けていましたが、その風の中にも春の匂いを感じさせてくれました。

昨日までのリズムとは一変して、今日は寶勝寺での会議となりました。「ふれあいパーク霊苑改葬工事」も順調に進んでいますが、6月の完成に向けて更に細かい打ち合わせ会議となっています。霊苑の全体像が見えて来るにつれ、㈱ココ・プランニング 宮崎デザイナーから関係業者の方により立体的な発想が伝達されていきます。また中本大資社長様との打ち合わせも更に綿密なものとなって来ています。

「寳勝寺ふれあいパーク霊苑」のコンセプトは「家族の絆」に有ります。核家族化が問題視されている現代社会に於いて家族の絆を思う時、ひいては祖先との絆も同時に思うものです。「報恩謝徳」の気持ちを素直に表わす事の出来るような「霊苑」を目指しています。霊苑改葬工事に携わりながら、祖先の恩、父母の恩に深く感謝する毎日となっています。友峰和尚より

第1285話

2017-02-23

新命玄峰副住職の修行仲間で組織する「岫雲会(しゅううんかい)」の北陸大会が午後一時半より卑山で開催されました。京都・大本山妙心寺専門道場
より新命和尚の師匠、岫雲軒老大師はじめ四十数名の会下僧侶の出席のもと法要が厳修され、記念撮影後はバスにて懇親会会場へ向かわれました。

妙心寺専門道場は昔から天下一の鬼叢林として知られていますが、現在でも枯淡で厳しい修行が続けられています。二年に一度、修行を了え各地の寺院の住職や副住職に就任している仲間たちが、お世話になった師匠を招いての懇親の場でも有ります。和尚は西宮市の海清寺専門道場で修行を致しましたが、こちらも毎年、会下会を開催しています。専門道場を出て、数年の月日が過ぎ行くほどに修行時代のいろいろな思い出が懐かしくまた、師匠の深い慈悲と恩を思うものです。和尚の師匠は既に他界されていますが、本日は本当に久しぶりに師匠にお会いしたような、感動を受けたものです。

僧侶にとっては、修行時代に師匠と過ごした日々は終生忘れ難いものです。「有難や 師の恩思う 如意の跡」という世語が有りますが、厳しくも慈悲に溢れた老大師の言葉が有り難く思うこの頃です。若き僧侶達の今後の活躍を心から祈念したいと思います。本日は全国から卑山にようこそご来寺頂き厚く御礼申し上げます。友峰和尚より

第1284話

2017-02-22

新命和尚の修行道場・京都妙心寺専門道場の会下で組織する「岫雲会(しゅううんかい)」の北陸大会が明日卑山を会場に開催されるということで、修行仲間達がその準備のために来寺されました。総勢約四十名が参加されるそうですが、岫雲会というのは新命和尚の師匠のお名前を頂いて付けられたそうです。明日は岫雲軒老大師も出席されるとの事で、和尚も久しぶりにお会いできるのを楽しみにしています。

一日を通して色々な方が用事で来られますが、午前中には地元・中日新聞記者の取材を受け、その後は大安禅寺のパソコンシステムを管理して下さっている増田先生にパソコンの不具合を直してもらいました。和尚にとってギリギリのところでパソコンや電子メールを操作していますが、一度不具合が生じるとまったくにお手上げ状態で説明を受けてもチンプンカンプンといったところでしょうか。されど「パソコン!!」 今の時代に有ってはコンピュータ無くして前には進めませんから、必死に食らいついて頑張っているのが現状です。このブログとて皆様にお届けできるのもパソコンのお蔭です。「来る人も 又来る人も 福の神」なんですね。

午前中に取材を受けた中日新聞の記者の方との出会いも、インターネット上でのホームページがご縁ですから、電子社会万歳!ですね。さて皆様、お元気にお過ごしでしょうか? 和尚の「ちょっといい話」も1284話となりました。数字の語呂合わせで「胃には良い」回です。いつも思いますが、いい話とは「何にもなかった平穏無事の一日」なんですね。どうやら今日も無事に過ごせたようです。友峰和尚より

第1283話

2017-02-21

春一番が吹いて、一度は境内の掃き掃除が終了しているものの雪解けの庭の手入れが欠かせない毎日です。寺の住職の日々の仕事の大半が掃除に集中しますが、外掃除のみならず堂内掃除や庭木の手入れのほか「山作務(やまざむ)」と言って、大安禅寺などは広大な面積を有しているため境内よりさらに約三百メートルほど登った場所に有る松平家の廟所「千畳敷」に至るまでの杉木立の間伐や参道の掃除など、まさに掃除三昧の人生とも言えます。

現在は副住職がその任に当たっていますが、和尚も金沢から戻った時には努めて外掃除に専念しています。「禅寺の面目は掃除に有り!」これが和尚の悟りでも有ります。綺麗に掃き清められた境内の空気感こそ「浄土国」そのものなのです。

久しぶりの自坊での滞在、掃除後は新命和尚の長男・永峰(えいほう)の孫守をしましたが、あっという間に大きくなっていて驚きました。既に赤子の雰囲気は無く、すやすやと腕の中で眠る健やかな童子の顔には未来の僧侶の風格を感じたものでした。

そのうちに和尚も「じじバカ日誌」を綴ってみたいと思います。一日を通して、皆様も色々な経験をすると思いますが、住職とは「十の職」(じゅうのしょく)を持つ人という意味だろうと思っています。所謂「なんでも屋さん」こそ住職冥利に尽きるものです。友峰和尚より

第1282話

2017-02-20

昨日は一気に花菖蒲園の整備をしたためか、流石に今日は身体のあちこちが筋肉痛に襲われ、情けないやら悔しいやら! やはり毎日のストレッチが大切であることをしみじみ思いました。朝から小雨模様となりましたが、イノシシ被害にあった菖蒲の株も元通りに植え直したため、なんとも心地よい春雨の音に感じたものでした。何事もそうですが、直ぐに実行することが、手遅れを防ぐ最大の防御となるものです。その後に、自分の周囲に起きる全ての事象とも実に「波長」の合うものとなって行くようです。「人生は歯車の如し」で、いちど歯車が緩んでしまうとすべてがガタガタになって行くようなものです。如何に波長を整えていくかは「一期一会」の真理を徹底して実践する事だと改めて自覚するものです。

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新命副住職による 南庭のお掃除

愛知県一宮市にお住まいの奥村様がわざわざ手作りのお野菜を沢山寳勝寺に持って来て下さいました。奥村様とは長いご縁を頂いていますが、これまでにも幾度となく御主人が手塩にかけて作られたお野菜を頂いてきました。思いやりのこもったお野菜とはこういう物を言うのであろうといつも料理をしながら思っています。深みのあるお野菜の甘味や、とろけるような千切り大根の風味は絶妙です。本当に有り難うございました。

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奥村様と 2015年6月 大安禅寺にて

ブログで紹介していない多くの方々からも色々なお品を頂いていますが、いつも感謝いたしております。本日は金曜坐禅会会員でも有ります大工師・小林永尚師に、和尚の墨蹟額「勝」を贈呈させて頂きましたが、これまでに手作りの仏具などを寄贈してくださいました。新命和尚とのご縁が良い広がりを見せている大安禅寺の昨今の様です。友峰和尚より

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第1281話

2017-02-19

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今年の花菖蒲の成長は如何! 実にむごい話ですが、和尚の留守中にイノシシ避けの柵が打ち破られ、無残にも菖蒲の苗はことごとく掘り起こされ、荒れ放題の状態。憎っくきイノシシめ!!と叫びたいところですが、うり坊を引き連れての餌探し、和尚にも可愛い孫が5人います。イノシシさんとて可愛い子供の餌探しですから、ここんところは「忍の一字」で、本日はひっくり返された菖蒲の株をひたすら頑張って元の位置に植え直す作業に専念しました。もはや和尚の体力にも限界が来ているのですが、他人に作業を頼んでいる場合ではないのです。この寒さでは根が一辺に傷んでしまい、一刻を争う状況の為、自分でやるしか有りませんね。

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和尚が手掛けた「花菖蒲園」も約30年以上の歳月が流れました。気付いてみれば、これまで辛い作業を手伝って来てくれた作業員の皆様も80歳前後の方ばかりになりました。今や若者達の農業離れも大変心配です。昨日より1泊2日で地元の医大生諸君が卑山で研修をされていましたが、医学生も若き僧侶も「農業体験」を是非してほしいものだと和尚はつくづく思います。近年多発する若者の不祥事事件を見聞きしていますと、物を育てる真心や思いやりの欠如を感じます。僧侶も医師にも共通する事は、病気を治す事も大切ですが、病気にかからないようにするための予防手段とは何かを実地体験する方が重要に思います。老骨に鞭を打ってでも和尚自身が菖蒲の整備に入るのは、今日までの長い間、花菖蒲を育てて来た愛情に他ならないのです。子育ても花を育てるのも作物を実らせることも、心は同じことだと思います。

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さて厳しい作業でしたが、ラジオから流れる山下達郎さんの素敵な音楽に助けられて無事に終了することが出来ました!めでたし!めでたし!今年もきっと素晴らしい花菖蒲を咲かせてくれることと思います。皆さん、6月をお楽しみに! 友峰和尚より

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