5月, 2015年
第634話
寶勝寺の六道地蔵さんは以前、御堂が台風で吹き飛ばされ、それ以後は本堂入口のところに安置されていました。先般の本堂修復工事の折、御堂の建っていた元の位置に戻しましたが、現在は仮屋根のため日差しが直接お地蔵さんに当たり、あまりにも暑そうだから今日はすだれを掛けてあげました。
地蔵さんはサンスクリット語で「クシティガルバ」と言い、クシティは大地を指し、ガルバとは胎内を意味するところから「地蔵菩薩」と訳され、特に六道地蔵が有名ですね。我々にもっとも近いところで人々を救済される菩薩として親しまれて来ました。寶勝寺の地蔵さんは皆お顔が違って、とても穏やかな表情をされています。最近の急激な気温の上昇でさぞかしお暑いことと察し、今日はすだれを掛けてお守りすることにしました。
そうですね。他人は、「石で出来ているから、暑さなんて大丈夫ですよ?」と言うかもしれませんが、和尚にとっては自分のように感じますからね。地蔵さまたちが喜んでいるかどうかは、また別の問題です。そういうわけで、これで少しは和尚も六道輪廻(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上)から救われるかもしれません。暑い時にはすだれが一番です。すーだね、すーだね。オンカカカビサンマエソワカ 友峰和尚より
第633話
台風一過でホッとしたのもつかの間。今日はその吹き返しなのか台風よりも強い風が吹き荒れ、気温も一気に上昇して27度となりました。金沢市寺町は、海から吹き上げる風が野田山めがけて強く吹くために、寶勝寺の看板も吹き飛ばされる始末。なんとも良い事はいくつもありませんね。このような気象変化をフェーン現象と言うのでしょうか? 天気が良いのがせめてもの幸いでした。
さて、明日からは寳勝寺霊園のお掃除に入る予定ですが、この15日に開催される、第三回目となる金沢市役所当局との霊園改葬計画説明会議の為にさらなる調査を必要としています。最近、テレビのニュースなどでは盛んに近年の激変する墓地事情について報道がなされていますから、やはり理想的な未来墓地を目指したいものですね。和尚とてそう命は長く有りませんから、ボチボチやっていたのでは間に合いませんので、少しスピードアップして頑張って参りましょうか。
寶勝寺に着いた途端に、和尚のお客様が来られました。また新しい御方との出会いですが、それも墨蹟を通じてのご縁です。和尚お気に入りの一字「空」を依頼され、本日お渡しすることが出来ました。墨蹟がとりなすご縁ですから、和尚が死んでも後々まで書が代わりにメッセージを伝えて行くことでしょう。
世の中は一切空なり! いいですね!いいですね! 大空に舞い立つがごとくに、心は晴れ晴れとした日々を過ごして参りたいものです。友峰和尚より
第632話
台風6号の影響で昨晩から大風が吹き、朝、目覚めてみれば境内は落ち葉で荒れ放題の始末。掃除をしようにも吹き荒れる雨風には手の施しようがありません。こんな時は部屋に篭って黙々と宿題をこなすのみと、随分と前に依頼を受けていた「姫観音図」に挑みました。もう長らく描いていなかったため、観音様の描き方も忘れ悪戦苦闘の時間が過ぎて行きました。「姫観音図」は和尚のお得意の禅画なれど、やはりしばらく怠けていたためか良い御顔にならず何度も挑戦しました。
写真の如く、可愛いお顔になってきたのは夕刻を迎える頃で、本当に、観音様に成りきるまでに時間がかかりますね。「六十の手習い」なんて言葉が有りますが、何でもやってみてわかるものが有りますから、皆様も大いに色々な趣味や習い事にトライして欲しいものです。宿題制覇にはまだまだ時間がかかる気配ですが、何事もやり始めたら事はスムーズに動き出しますから、引き続き頑張ってやりましょう。それに致しましても、この時期の雨は和尚にとっては良い響きとなって聞こえて来ます。花菖蒲達が心待ちしていた雨なんです。このミネラルウオーターを受けて一気に株が成長していきます。雨に呼応してカエルさん達も一斉に鳴き声を上げていますよ!「カエルの親子 仲良し親子 ゲロ ゲロ・・・」カエルの子供たちが無事にかえる事を願っています。友峰和尚より
第631話
福井市役所おもてなし観光推進室の方々による視察 / 大安禅寺「千畳敷」へ続く参道にて
7年後には北陸新幹線が福井駅開業となるとかならないとか、いずれにせよ来ることには違いないようですから、今から観光面で色々準備をしていきたいと強く思っています。和尚自身、現在金沢での法務が主になっている関係で、今回の北陸新幹線・東京ー金沢間開業に立ち合うことが出来たことには大きな意味が有りました。新幹線効果は目を見張るものが有り、これからの7年間は観光面でのコンセプトやビジョンを練る上で極めて重要な期間となりそうです。大安禅寺の魅力は旧福井藩の歴史と共に有りますので、福井市が推し進めている「歴史のみえる街づくり」に協賛して、更に努力を続けて行きたいと思います。
福井市役所おもてなし観光推進室の方々による視察 / 駐車場のお手洗い所にて
そんななか、今日は福井市役所・おもてなし観光推進室の皆様が、卑山の観光施設の視察に来て下さいました。行政サイドの指導を仰ぎながら、一層の観光施設の充実を図りたいものです。さて、毎日が多忙になってきました。昨日に引き続き、依頼を受けました禅画や墨蹟を完成させ、落款を捺しました。
いくつになっても宿題は辛いものですね。達磨図の賛は、「一華五葉を開く」と書きました。
是はなんでしょう
皆様の日々の努力が大きく花開くことを願ってやみません。友峰和尚より
第630話
連休中の、寺カフェお客さまへのご案内。
「心静かにして茶味香ばし」
大型連休後の最初の土曜日ですが、今日はお客様の年齢層がやや高めのようで(?)、にぎわいつつも大変静かなる寺カフェとなりました。
連休中には多くの皆様にお立ち寄り頂き、お茶を楽しみ又お参りして頂くことができました。普段、お堂の中は清浄な空気に包まれていますが、連休、多くの人が滞在されている際には、利用者の方々それぞれの「くつろぎオーラ」のような空気も加わり、お寺の癒し効果が何倍にもなっていたように感じました。お越しくださいました皆様に、厚く御礼を申し上げます。
さて、連休中に「宝勝寺・寺カフェ」をご利用くださった皆様へのご連絡ですが、色々な”お忘れ物”をお預かりしております。お心当たりのある方は、どうぞお気軽に事務局までお問い合わせくださいませ。
第629話
自坊での法務開始ですが、今日は福井市内の瑞源寺様で「花園役員会」が開かれ、早速に出席しました。大安禅寺からは、会長の藤田通麿総代様、女性部会会長の藤田清子様、副会長の上屋敷都喜子様が出席。寶勝寺からは、会長の北條直敬様が出席され、色々な懸案についての討議がなされました。
どの会議に於いても、話題になるのは今や少子高齢化社会における問題です。何をやるにしても人集めが困難な状況ですから、催し物を企画することの難しさでもありますね。それでもこの教区は、色々なイベント企画に対して協力的ですから助かっています。大安禅寺では布教活動の一環として、一年を通して多くの行事を遂行しており、近年全国的な広がりを見せている「寺離れ」とか「墓じまい」などの現象は今のところ起きていません。むしろお寺に来られる人が増えている状態なので、今後も「寺活」には力を入れて行きたいものです。さて、会議の後、藤田・北條両会長様が卑山に寄って下さり、再び会話が盛り上がりました。
「三人寄れば文殊の知恵」では有りませんが、熟年世代?いやいやジュクジュク世代3名による未来構想への思いは尽きることが有りません。「骨董品類世代と超新人類世代」とのギャップを否応なく感じる現代社会!こんな時は先人の知恵をお借りして、レトロ調のイベントが若者には受け入れられるとの事で、今年も「地蔵盆そうめん流しと子供地蔵尊像作り」が一番いいとの結論を見ました所で解散となりました。
ブログを見ていて下さる皆様からも、寺院でのイベント企画の良いアイデアが有りましたら、どしどし御意見下さいますようお願い申し上げます。友峰和尚より
第628話
連休中の交通利用状況が報道されていましたが、さすがに北陸新幹線の利用はすごかったようで、いっきに人の流れが増えたとの事。例年の約3倍だそうですから、交通インフラの整備がもたらす人口流動効果が実感されたというものです。勿論のこと、それに比例して経済効果もアップしますから「有りがたし」の一言に尽きますね。連休中、金沢市内のホテルや旅館はどこも満室で、予約が取れない状況が続いたとの報道がなされていましたから、今回の発表もうなずけます。次に交通混雑が予想されるのは夏休みだそうですが、地元の商業関係の皆様にとって「「嬉しい悲鳴」となるよう、より一層の経済効果を願ってやみません。北陸地方の長い長い経済不況からの脱却は、さらなる交通インフラの整備が突破口となるといいですね。福井までの北陸新幹線延長は7年後だそうですから、待ち遠しいかぎりです。7年後を目指して、大安禅寺もJR福井駅からの観光地巡回バスや独自での送迎バスの運行など、今から計画を練って行きたいと思っています。
新緑の美しい 大安禅寺 花菖蒲園にて
福井の新しい観光地として、観光客の皆様に何を提供できるかが今後の課題のようです。アイデアは尽きませんが何と言っても交通の利便性が要求されるだけに、観光地をつなぐ一日も早い交通インフラ整備を願いたいものです。大安禅寺のような環境は、都会に住まれている方々にとってはオアシスとも言える場所だけに、「歴史と幸せ感を満喫できる越前の古刹」として大いにアピールして参りたいと思っています。さて、現在順調に花菖蒲やアジサイ、そして薔薇の花が育っています。「花の寺・大安禅寺」の面目躍如の季節を迎えようとしています。皆様、どうぞご期待ください!! 友峰和尚より
立夏を過ぎ・・・
めまぐるしく忙しい連休を終え、今日はご法要の静かな一日となりました。ほんの数日のうちに、境内は緑がとても濃くなり、夏の景色へと移り変わっています。
ひめふうろ草
今年は、山門の前庭にあるハニーサックル(和名:突貫忍冬)が見事にたくさんの花を咲かせています。変わった形状の花で、ふわふわと風に揺れる姿は海の中のクラゲのようです。
本堂前のクレマチスと、二人静が咲き始めました。
式台玄関の前に、ひときわ可憐に咲いているピンク色のオダマキ。寺カフェのお客様にもとても人気です。
もうすぐ野菖蒲が開花します!
第627話
初夏の風薫る爽やかな連休明けの木曜日となりました。本日は十七回忌のご法要のため「寺カフェ」は終日お休みで、穏やかな時間が流れて行くなか午後1時半より、寶勝寺檀家様のご法要が厳粛に行われました。「法要日和」とは真にこのような日を言うのだと思うほどの、暑くも無く寒くも無しの日和でした。
寶勝寺のお檀家さんは関東にお住まいの方が多く、今日も東京から北陸新幹線を利用されての御来寺でした。聞くところによりますと新幹線は連休中とは真反対に快適に乗車することが出来たそうで、法要を連休明けにされたのもそのことを考えての計画だったことと察しました。
5月はこれからも法要の予定が入っていますが、この時期は一年で最も過ごしやすい気候ゆえに気持ちも穏やかになれるものですね。お檀家皆様とゆっくりお話が出来るのも、御法事が一番です。
現在、金沢市内の三か寺の法務を担当していますが、今日は午前中に野町の少林寺、午後3時過ぎからは本多町の瑞光寺にお参りに行きました。連休明けの疲れもありましたが、読経は本当に気持ちの良いものです。どうやら「坊主はお経!!」と本日は自分でも納得した、爽快な一日となったようです。友峰和尚より
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