12月, 2017年

第1577話

2017-12-12

辺り一面、銀世界の朝を迎えました。今年初めてのまとまった積雪となり、早朝から通路融雪の為の作業をしたもののいきなり腰を痛めてしまう始末。大安禅寺の冬の厳しさを否応なく感じ取るものです。山門より境内に至るまでには急な車道を約300メートルほど登らねばならず、ひとたび雪となると道路の除雪を余儀なくされています。

午前9時半より、昨日に引き続き文建協技術主任・佐藤武王氏と今後の修復の進め方などについて綿密な打ち合わせをさせて頂きました。年明けには檀信徒総会が開かれ、諸堂復興工事計画についての調査報告が予定されている為、詳しく説明を受けました。深々と冷え込む堂内は約400年に渡って受け継がれて来た歴史の重みを感じさせてくれます。これまでもそうであったように、大安禅寺を守る為には寸暇を惜しんでメンテナンスの努力が求められて行きます。久しぶりに自坊に戻ってみれば諸堂のあちこちで雨漏りを見せており、宿主の不在を恨むかのように容赦なく建物が傷んで行くようです。してみればさしあたって住職は医者のような役目も有ると合点するものです。さっそくに上田工務店社長が直々に参上して下さり、傷の手当てならぬ雨漏り個所を視察し近々に補修工事に入るとか。お寺を守っていく為には多くの方々の助けが必要です。本日は片岡経営会計事務所職員による厳しい年末会計監査も有り、午後からは寸暇を惜しんで干支色紙のたとう紙書きに専念。嗚呼!めっちゃクルシミマス!されど冬景色の境内も和尚にとってはなかなか風流なものと筆を走らせながら悦に入っています。

さて文建協技術主任・佐藤武王氏は午後からも黙々と建物の調査を続行しておられましたが、厳冬の禅寺の冷え込みはさぞかし御身体に応えた事と思います。本当にご苦労様でした。今日は和尚の意見に耳を傾けて下さった事、心から感謝申し上げます。友峰和尚より

第1576話

2017-12-11

みぞれ混じりの冷たい雨と強風に見舞われた一日となりました。境内は辺り一面に杉葉が落ち、足の踏み場も無いほどでお掃除が思いやられます。金沢では外掃除を楽している分、自坊に有っては身体にどっしりと負担が強いられます。そんな愚痴を言っている場合では有りません。本日は午後1時より「重要文化財・大安禅寺諸堂保存修理事業」に関して文化庁調査官来場指導が行われ、文化庁より黒坂貴裕調査官出席のもと、文建協並びに福井県と福井市文化課職員、卑山より吉岡泰英顧問、責任役員総代2名が出席して今年最後の打ち合わせが行われました。

視察のようす 式台玄関から本堂を臨む

鐘楼にて

開山堂にて

これまでにも幾度も調査と会議を実施してきましたが、平成31年度から開始される予定の工事に対して更に一歩前進する丁寧な報告が文建協技術主任・佐藤武王氏によってなされました。

先般、栃木県日光市の日光東照宮を訪れた際、重要文化財・輪王寺修復現場を視察しましたが、和尚の心配も緊張感も増しています。ニュースではしきりに少子高齢化の加速に対する未来社会への不安を報じているだけに、慎重にも慎重に修復保存事業を進めて行きたいと思っています。

ひとたび市街に出ればジングルベルの響き! 会議の雰囲気とは雲泥の差が有ります。クリスマスももう間近なれど和尚の心中は「苦しみます」「クルシミマス」、サンタのおじさんが果たして和尚の切なる願いを叶えて下さるでしょうか? 真っ赤なお鼻のトナカイさんはいつも皆の笑い者・・・でもその赤いお鼻のおかげで暗い夜道が助かったとはサンタさんの言葉。世の中に無駄なものなど一つも無い! そう感じて頑張って参りましょう! サンタさんが言いました「ここまでさんざん苦労すた」と。うん? サンザンクロウス!って事! 友峰和尚より

第1575話

2017-12-10

本日の「おとなびプレミアツアー 楽く楽く法話」

金沢市観光協会が企画した「おとなびプレミアツアー・金沢至福のグルメのたび」の初めてのグループが午後1時半に来寺され、「楽く楽く法話」が催行されました。サンダーバード号グリーン車に乗って金沢駅に降り、バスに乗り換え、法話の後には金沢にし料理茶屋でのグルメ体験をされて帰路に就く日帰りツアーということで、ちなみにサンダーバードとは雷鳥ですから日本語で言えば「雷鳥号の緑の車で行く金沢美味のたび」となりましょうか? 少人数でしたが、まずまず皆様にはお寺を喜んで頂けたようでした。

ご家族皆様が参列された 墓前での御法要

さて、今日は好いお天気に恵まれた一日となりました。午前中にはふれあいパーク霊苑での開眼供養並びに納骨の儀が厳粛に執り行われ、諷経終了後は寺カフェにて懇談しながら御家族のことや金沢での御縁などお聞きしましたが、どの御家族も和尚にとっては初対面となり、新鮮な感覚の中での応対となっています。

明後日からは、新命副住職が暫らく留守にするため大安禅寺に戻ることになっています。師走に入っても相変わらず金沢ー福井間を往復する日々が続いています。どこかで一服できる日を念じながら法務活動に集中して参りたいものです。ピコ!ピコ! 友峰和尚より

泉小学校2年生から 御礼状を頂きました!

2017-12-10

今秋、泉小学校2年生の4名の生徒さんが2日間に渡り「寺カフェ取材」に来られましたが、先日、可愛らしい御礼状を持参され再び寳勝寺に来て下さいました!

10月の取材では、質問コーナーやお抹茶体験などをしました

寺カフェスタッフともすっかり打ち解け、リラックスタイム・・・

素直でのびのびとした子供達に、スタッフも元気をもらいました

A3サイズの画用紙をしっかりラミネート加工された大きな御礼状には、丁寧な文字で「ありがとうございました」「がんばってください」などと感謝の言葉が綴られており、感激です!

授業参観日に、寺カフェのことを発表したそうです

   

寺カフェの波ウサギマークも描いてくれていました!

授業参観に来られていた御家族や大人の皆様には、「へぇ~、こんなところだったんだ!」と言われたそうです…。楽しく発表できた様子が伝わってきて、本当に嬉しくなりました。寺カフェも応援に応えるべくますます頑張っていきたいと思います! 泉小学校2年1組の皆様、先生、御礼状を頂き誠にありがとうございました! 寺カフェスタッフより 

第1574話

2017-12-09

「なんにも思わぬが仏の稽古也」江戸初期の禅僧・至道無難禅師の言葉なれど、なかなか実行となると難しい事です。和尚のブログの中で何度も登場する言葉ですが、一年を振り返ってみると「なんにも思わぬ自分」を只管心掛けている事には違い有りません。お間違えないように敢えて申せば、なんにも考えないのではありません、なんにも思わないのです。頭の中は四六時中思考を繰り返していますが、いらざることを思わないようにしているのです。要するに、対立する心を粉砕するのが日課となっています。

今日も終日、干支色紙描きに専念しました。なんにも思わずに頑張りました! 思わないから頑張れました! ここ20年来続けて来た干支の色紙描き。多くの方々とのご法縁を大切にしながら、そのご厚誼に感謝しつつ、御挨拶代わりにこれまで描いてきましたが、まさに[無心の心」の行となっています。すべて手描きですから一つとして同じものは出来ませんね。描きながらいつも思うのですが、絵に「動き」が出てくれば完成です。例えば犬の絵をじっと見つめて「ワン!」と鳴くか鳴かないかが肝心の所です。「ワン!」と鳴くためには「なんにも思わない心」で見つめなければなりません。「なんにも思わぬが仏の稽古也」とはそういうことです。そんなうちかなわんわ!なんてぼやかないように。

師走月も矢の如く過ぎて行き、今年もあと20日ばかり。ブログをご覧いただいている皆様、この一年間は如何でしたでしようか? 無事にお過ごしになられたでしょうか? 和尚の日々のブログから「無事心」が皆様に届く事を願うばかりです。友峰和尚より

第1573話

2017-12-08

毎年恒例の干支色紙描き方教室。今年で2巡目ぐらいになるのでしょうか? いやもう3巡目に入ったのかも知れません。来年の干支は「戌(いぬ)」で、犬の種類も本当に沢山あるので今年は可愛いビーグル風にしてみました。如何でしょうか? 一番人気はトイプードルだそうですが、なにしろざっと100種類以上は有るそうですから選ぶのも大変です。

「犬」は我々禅僧にとって一番身近な動物で、専門道場で修行中に師匠から最初に与えられる「禅公案(禅の問答)」が、「狗子無仏性」という犬を引き合いに出した問題です。簡単に言えば、「犬にも尊い仏性が有るのか無いのか、即言ってみよ!」というものです。答えは「無心」に成り切って「無~!」と全身全霊で唱えるわけですが、今では懐かしく思います。

大安禅寺には家族動物納骨霊堂があり、特に犬と猫の遺骨が多く納められています。名前も人間と同じで「新太郎」とか「夢之助」などと名づけられており、実に親近感を覚えるものです。時々、和尚が買い物に出かけた折、納骨堂に御縁を頂いている方から「うちの新太郎がお世話になっています」と声を掛けられたりしますと誰のことかと戸惑う時があるくらいです。皆様のお家でも色々な動物を飼っておられると思いますが、少子化の進む近年、家族動物達の役割が重要視されて来ています。さて来年は「戌年」、犬の鳴き声にちなんでオンリーワンを目指したいものですね。友峰和尚より

「随処に主となる」 平成戊戌 大安友峰 書

第1572話

2017-12-07

金沢21世紀美術館学芸員の方とともに 少林寺の視察

お天気が良いと本当にホッとします。一日のうちでも目まぐるしく変化するこの時期の北陸地方特有の気候ゆえに、ついつい表に出たくなるものですね。朝一番に少林寺に出向き、金沢21世紀美術館の学芸員並びに関係者の方々へお寺の中を案内しました。文化庁事業の「2018年東アジア文化都市」開催都市として金沢が選定されたそうで、中国・韓国の現代美術アート作家が来年の9月から11月にかけて金沢市内の数ヶ所で作品展を開催予定で、その候補地のひとつとして少林寺の視察に来られました。

韓国から来日された プロモーターの方だそうです

国選定重要伝統的建造物群の寺町ですが、最近では観光客も増えつつあり、空洞化を防ぐためにも寺院の有効活用が求められています。また来年は寳勝寺庫裡修復工事も予定されており、その工事関係者に少林寺建造物を見て頂きました。どうやら金沢兼務寺院の普請事業は、まだまだ終わりそうにないようです。

少林寺本堂の状況を視察

少林寺 先々代住職の奥様

午後2時半には富山県魚津市より「平成会」の6名様が「楽く楽く法話」を聞きに来られましたが、そのグループの中に日頃からご厚誼を頂いている伊東紀一氏がおられ、法話後は皆様と一緒に歓談しました。伊東氏とは「魚津市法人会」特別法話にて大変お世話になり、それから長らく御縁を頂いている方です。

本日の楽く楽く法話にて

法話終了後、おもてなしの茶礼

伊東様とともに 御来寺賜り誠に有難うございました

一日の中でも多くの人との出会いが生じていきます。「人生とは出会いの旅である」とはよく言ったものです。明日もまたどんな出会いがあるのか楽しみです。友峰和尚より

第1571話

2017-12-06

早朝の京都駅

今朝方の京都の気温はマイナス2℃とずいぶん冷え込みました。快晴の京都を後に一路金沢に帰りましたが、これまでにも何度も経験していますがトンネルを越えて敦賀に入った途端、一面が雪景色になる光景は実に異次元で、関西から北陸観光に向かう観光客にとってはたまらない感覚に違いありません。師走月は忘年会と共に会社慰安旅行の月でもあるので、多くの団体客で電車は満席状態でした 。この時期の北陸地方の魅力はなんと言っても温泉と海の幸に人気が有り、京都駅のパンフレットコーナーもカニツアーのカラフルな紙面で溢れかえっていました。

金沢駅にて

 

午後より 少林寺にて


今日は午後から野町・少林寺で法要が厳粛に営まれました。金沢は雪もなく無事に終える事が出来安堵したものです。気候の激しく変動する時期だけに、空模様を気にかけながらの法務遂行となっています。これからは金沢兼務寺院四ヶ寺の年末大掃除と新年を迎えるための準備が進められて行きます。寳勝寺の山門前に門松が登場するのも、もうまもなくです。さてジリジリと大晦日に近づいています。油断しないように一年の締めくくりとしての法務に邁進して参りたく念じています。友峰和尚より

 

第1570話

2017-12-05

会議のため京都に向かいましたが、ものすごい雷轟と大粒のアラレの降りしきるなかでの出発でした。京都は嘘のように晴れていて、狭い日本なれどこうも気候が違うものかと驚きます。さっそくに寳勝寺からは突風で何もかもが吹き飛んでしまいそうでどうしよう!どうしよう!との不穏な連絡。じたばたしても仕方がないから風に任せよ!と返事したものの、よほど大変だったらしくあらゆるものが吹き飛んで行ったとか? 親切にも近くの工事現場の方が回収して持って来てくれたそうですから、世の中まだまだ捨てたものでは有りません。

僧侶育成審議会 / 妙心寺派宗務本所会議室にて

午後一時半から始まった「僧侶育成審議会」、なんともといかめしい会議名ですが、なかなかどうして為になる会議内容でした。和尚も七十歳になり最早これまで! 僧侶を育成する為のエネルギーが次第に消滅の一途をたどっている中で、幸いに委員の中には若い若い僧侶もおられ、その意見をヒヤリングしているだけで頼もしく思えました。要するに、僧侶の未来育成を語る時には若い僧侶の意見が一番大切だという事でしょうか。住職としては一人の後継者を育成することが義務付けられているだけに、事は重大です。和尚も勉強のつもりで出来る限り頑張って会議に出席していきたいと思っています。


京都に来るのも今年はこれで最後ですから、明日は本山に参詣してこの一年の感謝を捧げたいと思います。南無観世音菩薩 友峰和尚より

第1569話

2017-12-04

冬の貴重な新鮮野菜

師走月は法要が多くなる月でも有りますが、今日は少林寺総代様の月参りに行き、一年間のご法縁に感謝を申し上げました。帰山すれば羽咋市の中越様ご夫妻が和尚を訪ねて下さっており、たくさんの手作り野菜をお届け下さいました。このところの気候不順で野菜が高騰していますが、頂いた野菜は大変立派なもので、やはり新鮮な野菜ほど有り難いものは無いです。

中越様御夫妻 と 歓談のひととき

最近は和尚も自炊することが多くなり、食材仕入れのためマーケットに行くも肝心の野菜の価格が高く、何度も思案しながらの買い物となっています。和尚の作るお味噌汁は僧堂風ちゃんこ味噌汁ですから、ふんだんに野菜を入れ煮汁が残ると次の日に野菜をつぎ足しながら食しています。何と言いましても野菜から出る自然な甘みほど美味しい物は有りませんね。

日曜明けの寺カフェは静かな時間が流れて行くと思いきや、相変わらず金沢観光人気でお客様が途切れず特に御朱印を求める方が増え、和尚の仕事はどうも減る気配も無いようです。ところで皆様はお元気にお過ごしでしょうか? 明日は京都・大本山妙心寺宗務本所での雛僧育成委員会定例会に出席予定ですが、しっかりヒヤリングしてきたいと楽しみにしていますよ。随所に主となる!の心境です。友峰和尚より

御来寺 誠にありがとうございました

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