和尚のちょっといい話

iihanasi_top

友峰和尚のちょっといい話 【 第892話 】
2016年 01月 27日 談

2011/01/18 12:03

「最近の若いもんは辛抱が足らん!」とは長老の口からよく聞く苦言ながら、何を持って若い者に辛抱が足らんと言われているのかは、長老の意見をお伺いするしかないわけですが、兎に角、最近よく耳にします。長老にとってはどうにも腹の虫が治まらないような雰囲気ですが、この事を苦言で終わらせることが出来ないのも事実で、まもなく新入社員を迎える季節、せっかく入社してもすぐに辞めてしまう方が多いとか、会社の幹部の方もあの手この手で対応しているそうです。昔なら「石の上にも三年」で、まず入社して三年ぐらいはその会社に籍を置いたものでしたが、今では三カ月が持たないそうで、その原因が何なのか頭を痛めているそうです。和尚が思いますに、「辛抱する」というのは色々な経験を経て身体で覚えていく世界ゆえに、やはり幼少期よりの「経験不足」が辛抱につながらないのだと思います。では何を「経験不足」かと聞かれれば、それは「農作業経験」だと思います。色々な分野で機械化が進み、日本の農業もまた昔と比べればずいぶんと重労働から解放されています。今、長老と呼ばれている方々は戦前のお生まれで、当然のことながら労働力は人力が多く「辛抱」の世界に育った世代! 若年層世代に辛抱の世界を体験させたいのなら「農業の復活」が一番だと思います。全国の学校に田畑を提供して農作業を必須科目に導入すれば、きっと辛抱強い精神が培われていくと思います。農業からますます遠ざかっていく現代社会、「ノ(農)ータッチ」世代の増加と共に、「辛抱」の言葉も風化して行くようです。若き人々よ!刻苦光明必ず盛大なり!苦労は買ってでもせよ! 師匠の言葉が身に染みる昨今です。友峰和尚より

Copyright© 2014 臨済宗妙心寺派 太白山 寶勝寺 All Rights Reserved.

〒921-8033 石川県金沢市寺町5丁目5番地76号
電話:076-287-3870