和尚のちょっといい話
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個展最終日を迎えた朝は、何とも言い尽くしがたい感傷的気分となったものです。それと同時に、一週間続いた緊張からか体が重く、最後の墨蹟デモンストレーションの際には意識もおぼつかず最初に坐禅を試みて集中力を高めながら、気力を尽くして挑みました。「虎」の字の大書に際しては、声を振り絞ってのパフォーマンスでしたが、書き終わった瞬間は流石に心地よさに酔いしれる感が有りました。
「喝」の字を大書した越前和紙に、多くの方々より寄せ書きをしていただきましたが、和尚にとっては何物にも代えがたい宝物となりました。近々表具をして皆様に公開したいと思っています。
パフォーマンス作品が乾ききらないまま、個展会場の撤収に入りました。撤収しながら、今年3月に開催された金沢・しいのき迎賓館での個展終了後の後片付けのことを思い出していました。あの時、次はニューヨークでやるぞ!と心に思いながらの撤収作業でした。あれから7か月、今度はニューヨーク個展会場での撤収作業でした。
黙々と進む、後片付け ( 撮影:Gene Foulk 氏)
日本へ返送する備品を、頑丈に梱包中 ( 撮影:Gene Foulk 氏)
不思議な気分が入り混じっての後片付け。野口先生そして社中の皆様、加賀さん、好さん、斎藤さんには最後の最後まで本当にお世話になりました。そして今回は仁さんという強力なスタッフが最後の掛け軸の梱包にお手伝いくださいました。空っぽになった会場を後にし、レストランで最後の夕食をしながら心ゆくまでいろいろな出来事を語り合い、笑い声の絶えない最高の一時を過ごしたのは言うまでもありません。本当にお疲れ様でした。つづく