和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2783話 】
2021年 03月 31日 談

大安禅寺 境内の新緑

今年は例年より1週間程度早い桜の開花となりましたが、木々の葉っぱも同じく新芽が一斉に吹き出し青葉若葉の美しい好時節を迎えています。心配された黄砂も今日は少なめで、大安禅寺から望む白山連峰が朝日に照らされ神々しく輝いて見えました。

明日から卯月(うづき)4月を迎えますが、まさに暦の名の如くに木の芽が吹き茂る勢いを感じます。午前中は新緑の大安禅寺の風景を楽しみ、午後からは金沢に入りました。野町・少林寺の梵鐘は金沢市指定文化財となっており、本日は金沢市が設置している少林寺梵鐘由来説明看板を新しいものと取り換える作業が行われました。

金沢市野町 少林寺境内にて

梵鐘は江戸初期、延宝5年(1677)に加賀藩御用釜師・初代宮崎寒雉師の作で当時京都から招かれた茶道奉行の千仙叟(せんのせんそう)指導のもと鋳造されたとあります。年中行事の際には法要の開始を知らせる合図として必ず鳴らしていますが、その美しい音色の響きには感動を覚えるほどです。皆様も是非いちど聴いて頂きたいものです。

従来の看板は 門前に移動し設置されました

戦時中に梵鐘の供出を免れた寺は全国的に少なく、大安禅寺の梵鐘も宝器として約300年の歴史的音色を今に伝えています。福井藩幕末の歌人・橘曙覽(たちばなのあけみ)が大安禅寺の梵鐘を詠まれた歌に「入相(いりあい)の 鐘の音響く 杉むらに 下道ふかく かおる秋の香」が有ります。いつの時代も梵鐘の音色は人々の心の癒しとして親しまれて来たようです。友峰和尚より

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