和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第2663話 】
2020年 12月 01日 談

今日から12月師走月に入りました。日増しに寒さが増す今日この頃ですが、風邪を引かないようにと普段より十分気を付けながら部屋を暖かくして過ごしています。朝一番に少林寺お檀家様の月参りに出かけましたが、街なかは静まり返りとても師走を迎えたとは思えないほど寂しい風景でした。コロナウイルスの感染ニュースに一喜一憂する毎日故に仕方の無いことかも知れません。普段の話題は、地元感染者数が今日はどれだけだったかが挨拶代わりとなっているようです。

さて本日も干支色紙描きを続けましたが、今年は後ろ向きの「丑」の図に「歩々清風を起す」と画賛しました。何が故に後ろ向きなのかと質問されますが、コロナウイルス禍の中「親の背中を見て子は育つ」の意味を示しています。賛は「歩々清風を起こす」で、親の背中はどっしりとしていて頼もしくも有り、“親の後を歩めば実に安心で爽やかな風を感じるほどである”の意味です。また臥せっている丑の意味は「慌てない慌てない」ゆっくりせよ!の意味合いなのです。

コロナウイルス禍の中に有って焦りは禁物!どっしりと構えて慌てない事が肝要です。正岡子規の句に、「 其人(そのひと) の 足跡踏めば 風薫る」というのがありますが、「その人」とは俳人・松尾芭蕉を指しているそうで「歩々清風を起こす」の感が有ります。いつの世にあっても安心の心ほど有難いものは無いようです。友峰和尚より

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