和尚のちょっといい話
鶯の鳴き声を聞きながらの朝を迎えました。本当に穏やかな春の風情漂う境内はゆったりとした感じがしました。この時期は拝観者もまばらで、そのことが一層枯淡な禅寺の雰囲気を醸し出しているようです。
午前午後に渡って色紙書きに没頭しましたが、毎年この時期恒例の作業ながら流石に歳を感じ始めています。先日、副住職から朱円相の「一に掃除・・・」の言葉を書いた色紙依頼を受けて初めて書いてみましたが、なかなかどうして佳い雰囲気の仕上がりとなり、今後は縁起物の一つとして志納所に置いておこうと思います。
「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」 大安友峰 書
古来より朱色は魔除けや生命の躍動を表す色として仏教寺院の仁王門や神社の鳥居、または落款の肉などに使われています。我々の宗派では管長様の袈裟の色も朱色と決まっています。朱色で囲まれた「一に掃除」の文言にさらなる法力が加わるという事でしょうか? 毎日のように信じがたいような事件、事故、災害が発生していますことから、「魔除け」の色紙がきっと災難消除の効果を上げてくれることを願っています。
和尚の日曜日の過ごし方は様々ですが、最近では副住職が法務を担当してくれているため本当に助かっています。これまではアトリエから臨む木々の枝を眺める余裕なども無かっただけに、最近は日曜日らしい日曜日を堪能しながら四季の移り変わりの情景を楽しむことが出来ています。今まで気づかなかった事の一つ一つを身に染みて感じ取るようになっています。そこで誰かさんが言いました。「和尚も先が見えて来たね!」とか。そうかも知れませんが、なんとなく自分ひとりでにこにこ楽しんでいる時間が増えて来ているのは確かなようです。友峰和尚より