和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第763話 】
2015年 09月 20日 談
23日のお中日を前に、卑山・寳勝寺の彼岸会供養を厳修致しました。檀信徒皆様よりご依頼のあった先祖代々の御供養を午前8時半より修行しましたが、爽やかな秋風の吹きこむ堂内は極楽浄土そのものでした。
自坊の大安禅寺では23日に彼岸会、放生会が行われる予定となっています。昔から「坊主はお経!!」と言われますように、読経ほど有り難く感じるものは他に有りませんね。御釈迦様の時代以来2500年もの間、その教えを説かれた経典は幾代にも渡って脈々と読み続けられ継承されて来ました。読み込めば読み込むほどに味わい深くなっていく理由は、御釈迦様の教えが自分の中に溶け込んでいく感が有るからかもしれません。「読書百遍意おのずから通ず」なんて言葉が有りますが、「読経」に至っては百遍や千遍の比では有りませんね。「何者の おわしますかわ知らねども かたじけなさに涙こぼるる」、そんな心境になります。
御供養後の香の香りが漂う中、寺カフェ利用の観光客の方々が沢山お参りくださいました。流石に今日だけは本堂内に設けられた御利益・特別席が人気を博していたようです。寺離れの進む今日、彼岸会を目前にして旅先のお寺で仏様にそして御先祖様に手を合わせる姿に、和尚もしばし心の和んだ一時でした。「南無観世音」 友峰和尚より