和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第728話 】
2015年 08月 16日 談
お盆を故郷で過ごされた方々のUターンラッシュが始まっています。毎年繰り返される光景ですが、故郷での休息のひとときは何よりのリラックスだったことと察します。お盆が明けたとは言え、朝方からお墓参りの車が後を絶たずに行き交う姿を見てほっといたしました。久しぶりの親族の帰京を待ち望んでいるのは家族のみならず、今は亡き祖父祖母の御霊も同じことだと思います。先祖のお墓にお参りすることは自分の心にお参りするに同じで、ご本人はきっと言葉に成らない程の安らぎを得ることと思います。
本日は、昨日修行された盂蘭盆会法要の後片付けに来られていた皆様とともに、書院にて慰労の茶礼を致しました。爽やかな風の吹き抜ける中、孫達も加わってのしばしの休息でしたが、法悦を感じ取るほどゆったり、のんびりとした時間が流れて行きました。「幸せ」とは、「心に何もない心境の事」だと実感します。孫達の無心にはしゃぐ声の中にも安らぎを覚えるものです。暦の上ではすでに立秋を越え、蝉たちの声に混ざって秋の虫が鳴き始めています。例年にない猛暑日の続いた毎日でしたが、大安禅寺境内一帯は時折、初秋を感じさせるような風が吹き抜けて行きます。「おのれ無き者に安らぎ有り」 安らかな時間がいつまでも流れていく一日となりました。友峰和尚より