和尚のちょっといい話
白山連峰に朝日が昇る様は絶妙で、思わず合掌してしまいます。寶勝寺の山号を「太白山」と付けた理由もここにあったかと思います。理屈抜きに敬虔な気持ちに誘われるものですね。思うに、もし太陽が昇って来なかったら人生一巻の終わりですからなんて。歳を経ても山登りをされる「山岳愛好家」が多く見受けられるのもきっと、一度味わった神聖な感覚が自分の心を常に呼び覚ますからであろうと想像します。ところで、真に残念なことに、和尚は日本百名山をこれまで一度も登ったことが有りません。とは申しましても一度だけ、新穂高岳のロープウェイで山頂近くに降り立ったことはありますが、お話になりませんね。
大安禅寺の鐘楼から白山連峰に朝日が昇る様も見事です。日本人の心は常に太陽と共にあることは、日常会話がお天気の具合から始まることからして歴然です。そんな素晴らしい夜明けを体験した本日、空気も澄んで、春の匂いが犀川に沿って漂ってきました。雪解けの春水の匂い、桜木の匂い、人々の春を待つ匂い・・・。自ら心の安らぎを求めるまでも無く、自然はあちこちから安らぎを運んでくれています。妻との電話の会話も俄然、花が話題の中心となって行きます。東京から薔薇の苗木が送られて来て、今、植樹に精を出しているとか。和尚も大安禅寺の花菖蒲が気がかりですよ。
そんなことを思っていたら、文房流晴心会の野口美智子様から、福井市浜町・香櫨園で4月に開催される「ニューヨーク個展回顧華展」についてのお電話を頂きました。どの話題も「華」でした。はなはだ恐縮ながら長々と書いてしまいました。このところ、和尚のブログは気合に欠けておりますことお許しください。皆々様にはどうかくれぐれも、お元気にお過ごしいただきたいと切に念じております。友峰和尚より