和尚のちょっといい話
悲しい事件の報道がなされました。年の瀬の地元で発生した老老介護の末の悲劇事件となったようです。日本社会では現在65歳以上の高齢者が約3000万人を越えるそうで、4人の働き手が1人の老人を見ている時代だそうですから、もはや老老介護の問題は他人事では済まされない、身につまされる報道でした。これまでにも幾たびか老老介護の疲れに因る夫婦間の事件が報道されてきました。独居老人宅に於ける孤独死の問題や認知症問題等、超高齢化社会を迎えようとしている今、大切なことは近所間での日頃の交流と対策だと思います。和尚が申すまでもなく、既に各町内では老人宅対策が始まっているとの事ですが、ならば先ずは家族内の絆が重要で、近年言われ続けている核家族化にも問題がありそうです。和尚は父を80歳で、一昨年は母を92歳で無事に黄泉の国へ旅立たせる事が出来ました。此れも偏に妻の献身的な介護、そして病院のディサービスはたまた先生の懇切丁寧なアドバイスがあればこそ、療養介護期間を全う出来たと感謝しています。特に妻の存在感は絶大でした。毎日の病院通いの中で、母との会話が母にとって一番幸せを感じ取った時間であったようでした。父も母も、亡くなる前には合掌しながら「ありがとう、ありがとう。」と何度も何度もお辞儀をされました。今後どのご家庭でも起こりうる老人介護の問題には、やはり家族夫婦間や子供達の協力が大切であると体験から感じ取る次第です。
大変だった療養介護期間も今では遠い過去の話となっていきます。母がお世話になっていたリハビリ病院を車で通り過ぎるたびに、今もなお多くの方々が療養介護を受けられている事実に対して、介護されておられる方また介護を受けられている方々の気持ちを重く受け止めています。世界一の長寿国日本。老老介護の問題解決対策は、もはや後回しには出来ない早急な取り組みが求められているようです。友峰和尚より