和尚のちょっといい話
晩秋の空 / 寳勝寺山門にて
晩秋の澄み切った青空が金沢の空に広がっています。この時期、北陸特有の筋状の雲が白山山系にもかかり、なんとも言葉では言い尽くしがたい風情を見せています。国外に出ますと一番に感じるのは空の色と雲の出具合で、アメリカなどはさすがに大陸を感じさせるに相応しい、際立った大雲が延々と高く広く連なっていますし、パリで見た雲はどことなく転々として、同じ大陸ながらその形は随分と違うものですね。またそれぞれに国の匂いも異なり、今回のアメリカ訪問では特にスーパーマーケットなどに行きますとその違いは歴然です。物の大きさもまた異なり、ジュースや牛乳などの入れ物に到っては驚くほどビックで、そこにも国の大きさの違いを感じ取ったものです。大体、町から一歩外に出ればハイウェイが連なり、日本での日々の生活がいかにスローライフであるかしみじみ感じ取った毎日でした。さて話しの続きですが、グリフィス教授がサプライズを用意していてくれたのが、サラ・ローレンス大学学長招待の夕食会でした。
夕食会にて、大学長様とともに ( 撮影:斉藤公一氏 )
会場エントランスにある一室
今回の「禅文化墨蹟禅画展と茶華道展」の開催は大学とグリフィス教授からのオファーで実現したものですが、夕食会場となった建物は大学内にある学長様の住居で、1921年に建造されたヨーロッパ中世頃の様式を思わせる実にクラシックな建物。写真にある通りの室内もおしゃれなインテリアで素晴らしい雰囲気でした。夕食会開催に当たり、和尚も事前にメアリーさんから教わった英語でのスピーチで感謝の意を伝え、その後は和やかな交流のひと時を過ごしました。野口社中の皆様は全員で童謡の合唱と民謡「丸岡音頭」の踊りを披露され、大学側の招待客を巻き込んでの大変な盛り上がりを見せたものでした。
スピーチのようす ( 撮影:斉藤公一氏 )
さきほどの緊張した御茶会とは打って変わってのはしゃぎぶりでしたよ! このような体験ができたことは参加者にとって生涯忘れる事の出来ない思い出となったようです。一歩一歩また一歩、順調に滑り出していく感じが伝わった楽しい夕食会でした。つづく