和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第454話 】
2014年 11月 19日 談
話を進めましょう。今回も越前和紙作家・長田和也氏に無理をお願いして個展会場と御茶席の間仕切用にタペストリーをお願いしたところ、初めて見る実に見事な和紙作品が届いていました。個展会場を設営するときはいつも思うことですが、会場に立体感を持たせるためには何か仕切りが必要で、予め寸法など知らせてはいたものの高さもぴったりで場内がいっぺんに引き締まりました。越前和紙の香りとデザインの美しさにしばしうっとりしたものです。
野口先生が、タペストリーのポールをセッティングされています
丁寧に包まれたロールを開いてみると、美しい和紙作品が登場しました
テグスを通しています
大学専属の大工さんにお願いし、天井から吊るしているところ
位置や 傾きを、慎重に調整中…
「オッケー! 素晴らしい!」
長田氏は以前、ニューヨークで越前和紙の展示会をされたと聞いていました。今回は仕事の関係で参加できませんでしたが、新しい作品を提供して下さり本当に有り難く感謝いたしました。越前和紙のタペストリーのおかげで立体感のある作品展示が出来たことは言うまでもありません。真っ白な網目模様の越前和紙の隙間から眺める会場の風景も格別なものでした。サラ・ローレンス大学長様はじめ副学長様からも賛辞を頂きました。野口先生はじめ社中の皆さんも次々と手際よくお花を活け、より一層華やいだ雰囲気を醸し出していきました。ここが日本から遠い遠い国アメリカ合衆国ニューヨークの一角での生け花であることを一瞬忘れてしまうほど、皆さん真剣な面持ちで丁寧に生け込みをされていました。以前パリ個展開催に同行された社中の方々は流石になれたものでした。
二日間に渡って会場の設営がなされたわけですが、全てが終了したのは二日目の夕刻すぎで、愈々明日開催を前にして誰もが成功を念じたものでした。つづく