和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第4136話 】
2024年 12月 13日 談

掃除の行き届いた 応接間

 

年末の大掃除が日々進められていますが、掃除と整理整頓の重要性をしみじみと感じ取っています。和尚のメインテーマは「掃除」で、皆様にお馴染みの「一に掃除 二に笑顔 三四元気に おかげさま」の法話フレーズは今でも歴然として通用するものです。そもそも「掃除」は「総持」と同じ意味合いを持ち、「総持」とは真言陀羅尼(しんごんだらに)の呪文であるがゆえに「掃除」の意味も「のぞきはらう」ことから「心の中に一物も無きよう精進する」の意味でも有ります。

 

茶室 床の間の風情

 

大掃除を済ませた後の部屋の景色は一変し、日本古来からの文化「侘び寂び」の趣を醸しだしています。障子戸、出書院、床の間、香炉、掛け軸、炉、畳、生け花、火鉢、座布団そして線香の香りと共に、静寂の中に生き生きとした悠久の歴史を感じ取ることが出来ます。

 

 

近年になって日本家屋建造物も洋式化傾向が進み、今では床の間がクローゼットにかわり畳にあってはフローリングに取って代わられ伝統的日本家屋の構造も変化の一途をたどっています。使い勝手は別として、寺院においては古来よりの伝統的和の様式を受け継いでいきたいと思うものです。

 

 

インバウンドの影響を受けて海外からの観光客が急増していますが、宝勝寺カフェに於いても外国人観光客にとって畳敷きの茶室の間が一番人気があります。座布団にわざわざ坐る外国人観光客そして椅子席を望む日本人観光客の姿は実に面白い光景です。時代の変遷は文化面に於いても価値観や様式も激しく移り変わっていく今日この頃となっているようです。友峰和尚より

 

冬の庭

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