和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第388話 】
2014年 09月 14日 談

いつの間にか寶勝寺墓地が草茫々となり、たまらず今日は除草剤を散布したわけですが、夏草の勢いには如何ともし難い物が有ります。もはや文明の力に頼るしかありませんが、しかし、これまた除草剤に負けじと更にしぶとい草が生えてきますから、イタチごっこの様相です。

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先日、地元読売新聞の取材を受けましたが、その節お世話になった記者の鷹尾洋樹様が卑山を尋ねられ、久しく歓談しました。今後しばらくは、能登輪島の方の取材に入られるとのことで話も弾みましたが、今日は午後より福井の鯖江市で家族動物の総供養が予定されていたため、別れを惜しみつつ福井に向かいました。近年の高齢化と比例するかのように動物たちの寿命もぐんぐん延びて、飼い主の御家族とともに過ごす時間も長くなり、亡くなった時の悲しみも家族同様のものが有ります。年々供養者のご家族も増えてきました。動物が人間とともに暮らす時間は50年前に比べると倍近くになります。また、家の中で生活を共にする人口の割合も昔とは比較にならないほど増えてきているそうです。最近は独居老人宅も増加し、家族動物が果たす役割も広がりつつあります。それだけに、動物たちへの感謝の心とともにご供養も極めて敬虔なものとなります。中には10年、20年と続けてご供養に来られる方も多く見受けられます。少子化の進む日本社会、これからも家族動物たちの果たす役割が増す一方のようです。供養を終えて大安禅寺に戻りますと、タイミングよく長田製紙所の長田和也様が自作手漉きの越前和紙を持参してくださいました。お礼の言葉もありません。本当に感謝でいっぱいになります。

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先日、長田様の和紙を使って試し書きをしたのですが、あまりの書き心地良さに感心したものです。素晴らしい手漉き和紙です。「弘法は筆を選ばず」とありますが、とてもとても和尚は、筆も、紙も、墨も選ばねば書けません。紙は神でもあります。貴重な紙ですので、大切に使って行きたいと強く念じました。午前中は鷹尾様、午後には長田様のご来寺、なんとも不可思議なご縁を感じた一日でした。友峰和尚より

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