和尚のちょっといい話
本堂外壁修復工事 いよいよ重機が登場しました
歌手 吉田拓郎さんの「旅の宿」の歌が何処からともなく聞こえて来そうな清々しい初秋の風情を醸し出している寳勝寺境内ですが、その静けさを打ち破るかのように本日より重機が入り、本堂後方の側壁修復工事が始まりました。
植えてあった白椿や金糸梅を移植し、土を平坦に均しているところ
吉田拓郎さんと言っても20代の方々には通じないこともありますから、最早知る人のみぞ知る世界なのかも知れません。和尚の学生時代はフォークソングが主流でしたから、「旅の宿」や「落陽」「流星」「人生を語らず」などは当時の自分を鼓舞する楽曲だったと懐かしく学生時代を思い出します。
寺内では大工さんが、縁の下の腐食状況を確認中
古い歴史的建造物の普請は何度挑戦してもワクワクするものです。「温故知新(おんこちしん)」の言葉が示すように、大安禅寺の修復もそうですが歴史ある建造物を修理保存することは自分の心身を見るようで、歴史を踏まえ多くの人生経験を積み重ねながら常に新しい未来に挑戦していくことの醍醐味でもあります。修理保存するには更なる新しい技術も必要ですからとても勉強になるものです。
縁側の軒先にあった手水鉢を 移動しているようす
和尚の希望する場所へ 設置してもらいました
さてずいぶん涼しくなり身体も楽になりました! 午前中に墓前諷経を修しましたが、正岡子規の詠んだ「その人の 足跡踏めば 風薫る」の一句その儘に言葉では表せない程の清々しい風が吹き抜けていきました。「心法無形にして十方に通貫す」の禅語の如くに祖霊供養の有難きを痛感する毎日です。
君偲ぶ 墓参に秋の 風親し 友峰