和尚のちょっといい話

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友峰和尚のちょっといい話 【 第344話 】
2014年 07月 30日 談

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サルスベリの開花/寳勝寺・本堂前庭にて

今日の朝日新聞のトップページに、大見出しで「無縁、墓の墓場」と題して人里を遠く離れた山中に不法投棄された一万基にも及ぶ先祖代々の墳墓の写真が掲載されていました。この事象は現在全国で見受けられ、社会の大きな問題となりつつあります。「墓じまい」の風潮の中にあって、ついに墓事情もここまで来ているのかと驚くばかりです。なるほど、今後の日本社会における少子高齢化の加速をかんがみれば理解出来ないわけでもありませんが、今後ますます核家族化が進み、先祖も未来もはたまた今すらも家族はバラバラに離散する運命にあるのでしょうか。

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秋海棠 / 寳勝寺・庫裏玄関

今、国全体に何が起きようとしているのか、和尚自身も個人なりに日々考察を繰り返しています。人々の価値観が時代と共に常に変化して行くことは承知のことながら、今日の社会的価値観のかくも急激な変化の原因はどこに潜んでいるのか、宗教者としても深く思うところです。皆様はこのような事象をどのように捉えておられますでしょうか?これらの「さまよう墓事情」の中、寳勝寺では取り組みが始まろうとしています。卑山の霊園には、400年前からの檀信徒の墳墓がお参りする人なく朽ち果てた姿をそのままにひっそりと立ち並んでいます。今、これらの墳墓の調査を開始し、判明した墳墓を移転改葬してさらにそれら故人の霊を称える顕彰碑を建立し、永久に保存しようとの試みが成されようとしています。また新たに、未来を見据えた墳墓の在り方を踏まえての墓も考察されています。人間の心は常に形に寄り添って生きていくものだと和尚は思っています。何もかもが「空」だとして、一切の形を否定したときの自分の心は虚しいものだと思いますね。人間の身体と同じくして先祖への感謝の気持ちを表すと共に、常にお参りできるようなお墓を目指していきたいと思います。今日、日本全国で発生している先祖墳墓の存続の問題は明らかに和尚自身に問いかけられている問題でもあると強く思った今朝の新聞の記事でした。「人類の未来は過去における故人の徳の顕彰によって開かれるものである」と、しみじみ思う今日この頃です。

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さて、また暦が一日進みました。今日は、稲場美和子さまが金沢・東茶屋街で店を構える「桃組」へ視察に行ってきました。大変おしゃれな店構えで「加賀野菜ジュース」をお店の看板メニューとされていました。和尚は黒蜜黄粉かき氷を頂きましたよ。あまーいひと時を過ごすことが出来ました。友峰和尚より

__ 3黒蜜きなこかき氷

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ひがし茶屋街を散策されるマーク・イゴネ氏と荒木画伯、そして稲場美和子様

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 SONY DSC 今日のお客様です。北島聖子様と、ご友人の新宅仁美様が個展にご来場くださいました。

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 御来山、誠にありがとうございました。

 

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