和尚のちょっといい話
大安禅寺の庫裏玄関を入って天井を見上げると、グンニャリと曲がった材木で組まれた桔木が見受けられます。実に見事な組み合わせです。昔の民家にも、グネグネと曲がった太い材木を小屋ばりとして使った箇所が多く見受けられます。一見して材木の節約にも見えますが、どうしてどうしてこの曲がりくねった材木こそ、雪国の豪雪に十分に耐える構造になっているそうです。最近の建物はまっすぐの材木を主に使っている為、このような建築構造は今後、貴重な遺産として保存されていくことと思います。曲がりくねった材木がむき出しになっているのはデザインとしてもなかなか風格を現わすものでもありますね。
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新命和尚の新企画で、8月2日に大安禅寺に於いて開催される「鬼に訊け!宮大工西岡常一の遺言」(やまめの会主催)ですが、皆様もぜひ参加を頂きたいと思います。西岡常一氏と言えば奈良の法隆寺や薬師寺を復興された方で、有名な言葉に「木の癖組は人組、人組は人の癖組なり」というのがあります。大工さんにとって曲がった木や堅い木は敬遠されがちですが、西岡氏は木にも人間と同じように個性があり、それぞれの木の個性を活かしてこそ本当の宮大工であると言い切ります。また大工さんにもそれぞれ個性があり、その個性をいかに使っていくかが棟梁としての力量を問われているとも言っています。”現代の名工”と言われる方々のほとんどが同じようなことを述べられています。「この世の中に一つとして無駄なものはない!!」 大変に厳しい言葉ではありますが、無駄なものが無いように知恵を働かせて日々、人と物が十分に活用されていくような人生を歩んでいきたいものですね。
本日、午前10時半より行われた瑞光寺盂蘭盆会
さて、今日は兼務寺である瑞光寺(金沢市本多町)の盂蘭盆会の法要を厳修いたしました。故人の徳を偲ぶ法要でもあります。今では故人となられた西岡常一宮大工師、その意思を未来に引き継ぐ方々のお話です。8月2日には、どうか多くのご参加を願いたいと思います。友峰和尚より
白桔梗、下野、ミソハギ / 寳勝寺の茶室にて