和尚のちょっといい話
月刊茶道誌 「淡交」 令和3年3月号
春麗かな弥生3月、和尚が住職している野町・少林寺の創建当初からのお檀家で現在責任役員総代でもある第14代宮﨑寒雉(かんち)釜師が昨年末に長男の匠(たくみ)氏と代替わりをし、匠氏は新たに第15代当主寒雉(彦九郎)を襲名されました。第14代寒雉氏は今後「幽斎」として後進の指導に当たるそうですが、初代宮﨑寒雉釜師は加賀藩前田家第5代綱紀公が仙叟宗室を茶道奉行に迎え、当時鋳造の仕事をしていた宮﨑家に茶釜を依頼し「寒雉」の号を与え、初代宮﨑寒雉釜師が誕生することとなったそうです。
以前にも紹介しましたが、少林寺鐘楼の釣り鐘は初代宮﨑彦九郎義一によって延宝5年(1677年)に制作され、現在は金沢市有形文化財・美術工芸品に指定されています。また本堂内には卑山総代でも有る第14代寒雉氏が自作の殿鐘を寄贈されています。
少林寺 梵鐘 / 初代宮﨑彦九郎義一 作 (1677年)
少林寺 殿鐘 / 第14代宮﨑寒雉 作 (2017年)
この度、茶道裏千家の情報誌「淡交」三月号が発刊され、「宮﨑寒雉家の釜」と題して特集されていますので是非皆様もご覧いただければ幸いです。今後は少林寺や寳勝寺でお茶会を開催したいと願っていますが、その時には梵鐘と殿鐘を開始の合図に撞き鳴らして、その荘厳な美しい音色をお聴き頂きたいと思います。
淡交3月号「宮﨑寒雉家の釜」 約30頁に渡り 特集されています
さて桃の節句も過ぎたというのに今朝方は厳しい冷え込みとなりました。寒さが堪える時には一服の温かいお抹茶が一番のようです!友峰和尚より