和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第2497話 】
2020年 06月 18日 談
「相送りて門に当たれば脩竹あり、君が為に葉々清風起こす」とはこの時期の禅語ですが、中国南宋時代(1185~1269)の禅僧・虚堂智愚禅師(きどうちぐうぜんじ)の偈です。修行仲間が虚堂禅師に挨拶に訪れた時、別れを惜しみながら門送の際に詠んだ歌ですが、「脩竹」とは細い竹のことで、その竹さえも清らかな風と共に君たちに餞別の気持ちを表しているという意味です。
「 竹 葉々起清風 」 大安渓仙 書
初夏の風情に竹林は欠かせない存在で、特にこの時期の竹の葉は青々としてしなやかで、まるでお辞儀をしているようにも見えます。修行仲間が旅立つ姿にはまた格別な思いが募るものです。
自分だけではなく自然の草木までもが純真な修行僧の心に反応し「一即一切」の真理の現れを竹風で示している様です。さてそろそろ夏蝉の声が聞こえて来そうな雰囲気ですが、気候不順の折、皆様にはくれぐれも御身ご自愛ください。友峰和尚より