和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第2493話 】
2020年 06月 14日 談
「掬水月在手」
「水を掬すれば 月 手に在り(みずをきくすればつきてにあり)」「花を弄すれば 香 衣に満つ(はなをろうすればかおりころもにみつ)」 中国唐時代の詩人・于良史(うりょうし)の作で「春山夜月」の一句ですが、本来は春の夜を詠った詩ですが一年を通して茶室の床の間でよく見かけられる名句です。
「弄花香満衣」
梅雨入りした北陸地方、本日も時折強く降る一日となりましたが、小雨模様の花菖蒲園はまた格別な風情が有ります。単に風流という事だけでなく、何気ない普段の景色の中に心を諭される事象が沢山あります。
「惜しい欲しい可愛い憎い」の感情の世界に有りながら、自然の営みとひとつになる時その全てを放下する事が出来ます。現在、卑山諸堂修復保存工事が進められており、ご寄進御浄財の御礼の品として墨蹟を表具しています。出来上がる度にその意味を感じると共に感謝の気持ちを込めています。友峰和尚より