和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第2467話 】
2020年 05月 19日 談
和尚の書斎にて
お天気がどうも定まらない不安定な一日となり、当初予定していた花菖蒲園の整備を中止し、自室アトリエの大掃除に徹底した一日となりました。最近では金沢寺院での滞在が長くなっている為、自坊の自室はカビ臭く、色々な昆虫が割拠する様相には唖然とします。人の住まなくなった部屋はあっという間に廃墟のような雰囲気になってしまい、寂しい限りです。
アトリエにて
特にアトリエの水回りには今まで見たことのない虫が我が物顔に居座っており、近づこうものなら「家主は俺だ!!」と言わんばかりに睨みつけられる始末。なんとも情けない気がするものです。しかし大掃除を始めると流石にどこかに姿を消してしまうのも不思議です。
掃除終了後には、床の間の掛軸を季節のものに替え、気分を一新させました。悠久の時を経て鬱蒼とした杉木立の中に佇むアトリエは全く別世界で、隔世の感が有ります。
さて掛軸は、「雲深くして処を知らず」です。「唐詩選」の中の一句ですが、たまには山中深く立ち込める雲の中に包まれるのも風流かもしれませんね。 友峰和尚より