和尚のちょっといい話
友峰和尚のちょっといい話 【 第1629話 】
2018年 02月 02日 談
大安禅寺 旧参道から鐘楼を臨む
臨済宗の祖・臨済義玄禅師は中国唐代末期(9世紀)の人です。弟子の三聖慧然(さんしょうえねん)が師匠の行状を語録にまとめた「臨済録(りんざいろく)」を常々読んでいますが、その中の禅問答の一つに、「大悲千手眼 那箇(なこ)か是れ正眼 速やかに道(い)え、速やかに道(い)え」と有ります。
雪深い渓谷の中に 延々と続く けものみち
京都東山の三十三間堂を参拝しますと、千の手・千の眼を持った観世音菩薩がずらりと並んで安置されています。「お前さん、その千手千眼観世音菩薩の、どの手が本物だ! どの眼が本物だ! 速やかに答えてみろ!」というわけです。さて皆さんはどのように答えますか?
イノシシの足跡
種田山頭火の句に「指五本ある 嬉しいな」と有りますように、一生涯の内にどれだけ自分の「手」を活かし「眼」を活かして来たかと問われれば自省の念でいっぱいになり、加齢と共におぼつかなくなる身体にジレンマさえ覚える今日この頃です。明日は節分会、夕刻より鬼やらい行事が開催されますが、「懈怠心(なまけごころ)」をことごとく粉砕して千手千眼観世音菩薩の神髄に迫ってみたいと思っています。
さて、今日も終日融雪作業に時間を労しましたが、境内を見渡せば春到来の足音があちこちから聞こえて来るようです。春よ来い~早く来い~友峰和尚より