和尚のちょっといい話
今年の花菖蒲の成長は如何! 実にむごい話ですが、和尚の留守中にイノシシ避けの柵が打ち破られ、無残にも菖蒲の苗はことごとく掘り起こされ、荒れ放題の状態。憎っくきイノシシめ!!と叫びたいところですが、うり坊を引き連れての餌探し、和尚にも可愛い孫が5人います。イノシシさんとて可愛い子供の餌探しですから、ここんところは「忍の一字」で、本日はひっくり返された菖蒲の株をひたすら頑張って元の位置に植え直す作業に専念しました。もはや和尚の体力にも限界が来ているのですが、他人に作業を頼んでいる場合ではないのです。この寒さでは根が一辺に傷んでしまい、一刻を争う状況の為、自分でやるしか有りませんね。
和尚が手掛けた「花菖蒲園」も約30年以上の歳月が流れました。気付いてみれば、これまで辛い作業を手伝って来てくれた作業員の皆様も80歳前後の方ばかりになりました。今や若者達の農業離れも大変心配です。昨日より1泊2日で地元の医大生諸君が卑山で研修をされていましたが、医学生も若き僧侶も「農業体験」を是非してほしいものだと和尚はつくづく思います。近年多発する若者の不祥事事件を見聞きしていますと、物を育てる真心や思いやりの欠如を感じます。僧侶も医師にも共通する事は、病気を治す事も大切ですが、病気にかからないようにするための予防手段とは何かを実地体験する方が重要に思います。老骨に鞭を打ってでも和尚自身が菖蒲の整備に入るのは、今日までの長い間、花菖蒲を育てて来た愛情に他ならないのです。子育ても花を育てるのも作物を実らせることも、心は同じことだと思います。
さて厳しい作業でしたが、ラジオから流れる山下達郎さんの素敵な音楽に助けられて無事に終了することが出来ました!めでたし!めでたし!今年もきっと素晴らしい花菖蒲を咲かせてくれることと思います。皆さん、6月をお楽しみに! 友峰和尚より