和尚のちょっといい話
「申年は荒れる!」との昔からの言い伝えを今年ほど実感する年は有りません。連日伝えられる国内外のニュースには驚くばかりです。こういった年にはどのような心構えが必要かと申せば「泰然自若」として慌てず驚かずの心境が一番なのでしょうが、どっこいそんな簡単では有りません。今年も一年の半分を過ぎようとしていますが、今後も予断は許されない状況が想像されます。そんな年回りですから和尚も又、その事をわきまえながら日々を慎重に石橋を叩いて渡るが如く過ごさねばと思っています。されども心の中はいつもの年より「ざわざわ」としている感が有ります。ご用心!ご用心!の毎日です。さて今日は早朝より久しぶりに妻が管理している薔薇園に出向きましたが、あたり一面に薔薇の花の甘い香りが漂い、雨上がりの風情をより一層清々しく感じさせてくれました。紫陽花も今が見頃で、こちらもまた玉露がキラキラとして見事でした。世の中の出来事の何もかもを忘れ去る一瞬でした。東屋に身体を横たえて大の字になって、しばし時間を忘れて園内の風景を眺めていました。妻が薔薇の枝を剪定する音が心地よく響いていました。自然っていいですね!
文房流晴心会・野口翆智社中の皆様による生け花 / 大安禅寺 枯木堂
愈好亭にて
お寺の中のあちこちには、文房流晴心会・野口翠智社中の皆様による生け花が和尚に語り掛けるようにそよめいていました。「和尚さん、お帰りなさい!」 そんな言葉が微かに聞こえて来たようにも思いました。野口先生と社中の方との一服のお茶が、忘れかけていたゆとりの世界に誘ってくれたような感覚でした。いつも本当にお世話になります。社中の皆様、有り難うございました。間もなく花菖蒲祭も千秋楽を迎えようとしています。友峰和尚より