寶勝寺日誌

やまあじさい”七段花”
2014年 06月 21日

土曜日の寺カフェです。

最近では地元の方も来て下さるようになり、有難いことです。

観光客では、年齢層は若い学生さんや20代カップルが多いのですが、地元からは御年輩女性の方々にご好評頂き、リピーターも増えて参りました。カフェとしている室間には日頃ご紹介している季節の花々をたくさん生けていますが、それも女性陣の心を掴んでいるようです。

そんな折、お客様が「七段花(しちだんか)が生けてあるわね。」と花瓶を指さして言われるので、お聞きしたところ、

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この、青い山紫陽花のことを ”七段花” と呼ぶそうです。江戸時代の文献にも残っているものが、一時代は失われて”幻の紫陽花”と言われていたと教えてくださいました。寳勝寺の中庭では、見事に満開になっています。

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引用・・・江戸時代、シーボルトが著書『日本植物誌(フロラ・ヤポニカ)』で紹介しましたが、その後、日本人のだれもがその実物を見た人がなく、”幻のアジサイ”とよばれて長い間さがしつづけられていました。ところが、昭和34年(1959)に、たまたま六甲ケーブル西側で神戸市立六甲山小学校の職員が、発見し採取しました。それはシーボルトが紹介して以来約130年ぶりになります。「シチダンカ」は、ヤマアジサイの品種で装飾花が八重になったもので、質素な野生味のある花で江戸時代から栽培され、茶花などに使われていました。江戸時代に、星型に咲くヤマアジサイの八重のものを「七段花」と呼んでいたものが失われて幻の花となったそうです。

 

お花を学んだことと共に、お客様と近しく交流できた事もとても嬉しく、私も”七段花”の大ファンになりました。寳勝寺の木は大きく青々と茂り、これまでも大切に育てられて来たことが伺えます。真夏の季節も水やりを欠かさず、大切に継承していきたいと思っています。

 

 

 

 

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